170 / 234
マルデク&地球編 第1章 想い遙かに
第17話 愛と云う名の束縛
しおりを挟む
オリオンの話を聞いたオスカーは、すぐにハンネス救出に動き出した。
しかし数日の間に、事態は大きく変化していた。
アメリアはエルフィンを総統に献上たしたとき、総統と秘密の約束を交わしていたのだが、その秘密の約束により、すでにハンネスはアメリアの元へ送り届けられていたのだ。
アメリアはハンネスを王宮の獄につなぎ、その自由を奪っておきながら、平気でハンネスに愛を告白した。
「ハンネスさま、私とて好き好んでこのようなことをしているわけではないのですよ。ただあなたを愛しているからなのです」
と言った。そして、
「私の愛を受け入れ、私と結婚してマルデクの王となり、あの総統ユリウスを倒すと、約束をしてくだされば、そぐにこの獄から出してて差し上げます」
とも言った。
ハンネスはそのようなアメリアの行動が、まったく理解できなかった。
「アメリア姫、あなたには申し訳ないが、私には心に決めたレディーがすでにいるのです。だからあなたの愛を受け入れることは出来ません」
「でも、あなたのレディーはすでにあなた以外のナイトと結ばれ、マルデクでは最高の栄誉である血の誓いを受けたのですよ」
とアメリアはハンネスに言った。
それからハンネスの顔に手をやり、驚くハンネスの唇にその唇を合わせた。
そしてアメリアは冷たく笑いながらハンネスに告げた。
「あなたの愛するエルフィンは、今はすでに、マルデク総統ユリウスの妻なのです。
この事実は誰にも変えられません」
しかし数日の間に、事態は大きく変化していた。
アメリアはエルフィンを総統に献上たしたとき、総統と秘密の約束を交わしていたのだが、その秘密の約束により、すでにハンネスはアメリアの元へ送り届けられていたのだ。
アメリアはハンネスを王宮の獄につなぎ、その自由を奪っておきながら、平気でハンネスに愛を告白した。
「ハンネスさま、私とて好き好んでこのようなことをしているわけではないのですよ。ただあなたを愛しているからなのです」
と言った。そして、
「私の愛を受け入れ、私と結婚してマルデクの王となり、あの総統ユリウスを倒すと、約束をしてくだされば、そぐにこの獄から出してて差し上げます」
とも言った。
ハンネスはそのようなアメリアの行動が、まったく理解できなかった。
「アメリア姫、あなたには申し訳ないが、私には心に決めたレディーがすでにいるのです。だからあなたの愛を受け入れることは出来ません」
「でも、あなたのレディーはすでにあなた以外のナイトと結ばれ、マルデクでは最高の栄誉である血の誓いを受けたのですよ」
とアメリアはハンネスに言った。
それからハンネスの顔に手をやり、驚くハンネスの唇にその唇を合わせた。
そしてアメリアは冷たく笑いながらハンネスに告げた。
「あなたの愛するエルフィンは、今はすでに、マルデク総統ユリウスの妻なのです。
この事実は誰にも変えられません」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
芙蓉は後宮で花開く
速見 沙弥
キャラ文芸
下級貴族の親をもつ5人姉弟の長女 蓮花《リェンファ》。
借金返済で苦しむ家計を助けるために後宮へと働きに出る。忙しくも穏やかな暮らしの中、出会ったのは翡翠の色の目をした青年。さらに思いもよらぬ思惑に巻き込まれてゆくーーー
カクヨムでも連載しております。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

神様のミスで女に転生したようです
結城はる
ファンタジー
34歳独身の秋本修弥はごく普通の中小企業に勤めるサラリーマンであった。
いつも通り起床し朝食を食べ、会社へ通勤中だったがマンションの上から人が落下してきて下敷きとなってしまった……。
目が覚めると、目の前には絶世の美女が立っていた。
美女の話を聞くと、どうやら目の前にいる美女は神様であり私は死んでしまったということらしい
死んだことにより私の魂は地球とは別の世界に迷い込んだみたいなので、こっちの世界に転生させてくれるそうだ。
気がついたら、洞窟の中にいて転生されたことを確認する。
ん……、なんか違和感がある。股を触ってみるとあるべきものがない。
え……。
神様、私女になってるんですけどーーーー!!!
小説家になろうでも掲載しています。
URLはこちら→「https://ncode.syosetu.com/n7001ht/」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる