「光の天使」 光と影のシンフォニー

夢織人

文字の大きさ
上 下
167 / 234
マルデク&地球編 第1章 想い遙かに

第14話 ウィルムヘルム卿とその連れに驚くルシファー

しおりを挟む
 統治神<シ>はその日、ミカエルとヨハネ、そしてルシファーまでも伴い、アシュラらしき青年がいるという、クラブ「パラダイス」を訪れた。

 その日は特別な催しが開かれていて、滅多に姿を見せないレジェンド・ドール、プリンス・チャーミングも噂の恋人チャールズと共に、会場に姿を見せるということで、ゴシップ記者なども紛れ混み、会場は異常なまでの熱気に包まれていた。会場にはプリンス・チャーミングに異常なまでの執着心を燃やすアラブの王子、ムハンマドの姿もあった。

 
 その日、ルシファーは知らない人間たちから、「ハンソル」と何度も声をかけられ、挨拶された。
 それまで一度も、人間たちと親しく交わることが無かったルシファーには、それが不思議でならなかった。
 
「誰かルシファーさまに良く似た人間がいると言うことでしょうか?」
 ヨハネもそのことに気づき、いぶかしんだ。

 その時であった。

「やあ、ルシファー」
と、後ろから声をかけてきた一人の紳士がいた。
 
 その声に後ろを振り向いたルシファーは、その紳士と連れの顔を見て驚いた。

「ウィルヘルム卿・・・」
と、ルシファーはつぶやいたのだが、ヨハネはその紳士に出会うのは初めてだった。
 そして何よりも驚いたのは、彼の連れだった。
 ルシファーと瓜二つと言って良いほど、連れの青年はルシファーに似ていたのだ。

 紳士は驚くルシファーにすっと近づきその耳もとで囁いた。
「君にそっくりだろう。あまりに君が恋しくて、あのとき噛みちぎった君の皮膚を使って君のクローンを作ったんだ。だから彼は、君と私の子供とも言える・・・」
と言って、不気味な笑みを浮かべた。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

透明の「扉」を開けて

美黎
ライト文芸
先祖が作った家の人形神が改築によりうっかり放置されたままで、気付いた時には家は没落寸前。 ピンチを救うべく普通の中学2年生、依る(ヨル)が不思議な扉の中へ人形神の相方、姫様を探しに旅立つ。 自分の家を救う為に旅立った筈なのに、古の予言に巻き込まれ翻弄されていく依る。旅の相方、家猫の朝(アサ)と不思議な喋る石の付いた腕輪と共に扉を巡り旅をするうちに沢山の人と出会っていく。 知ったからには許せない、しかし価値観が違う世界で、正解などあるのだろうか。 特別な能力なんて、持ってない。持っているのは「強い想い」と「想像力」のみ。 悩みながらも「本当のこと」を探し前に進む、ヨルの恋と冒険、目醒めの成長物語。 この物語を見つけ、読んでくれる全ての人に、愛と感謝を。 ありがとう 今日も矛盾の中で生きる 全ての人々に。 光を。 石達と、自然界に 最大限の感謝を。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

ローズマリーは今日も優雅に紅茶を嗜む(声劇台本用)

ソウル
ミステリー
ローズマリー家は王家の依頼や命令を遂行する名門家 ローズマリー家には奇妙で不気味な事件が舞い降りる これは、ローズマリー家が華麗に事件を解決する物語

【コミカライズ・取り下げ予定】アマレッタの第二の人生

ごろごろみかん。
恋愛
『僕らは、恋をするんだ。お互いに』 彼がそう言ったから。 アマレッタは彼に恋をした。厳しい王太子妃教育にも耐え、誰もが認める妃になろうと励んだ。 だけどある日、婚約者に呼び出されて言われた言葉は、彼女の想像を裏切るものだった。 「きみは第二妃となって、エミリアを支えてやって欲しい」 その瞬間、アマレッタは思い出した。 この世界が、恋愛小説の世界であること。 そこで彼女は、悪役として処刑されてしまうこと──。 アマレッタの恋心を、彼は利用しようと言うのだ。誰からの理解も得られず、深い裏切りを受けた彼女は、国を出ることにした。 一方、彼女が去った後。国は、緩やかに破滅の道を辿ることになる。

あの人って…

RINA
ミステリー
探偵助手兼恋人の私、花宮咲良。探偵兼恋人七瀬和泉とある事件を追っていた。 しかし、事態を把握するにつれ疑問が次々と上がってくる。 花宮と七瀬によるホラー&ミステリー小説! ※ エントリー作品です。普段の小説とは系統が違うものになります。   ご注意下さい。

サイキック捜査官 BLUE DRAGON

蒼井一
ミステリー
ある日、心臓病を患っていた涼は警視庁サイバーアイズのエージェントとなることで助かる見込みがある、サイキックディヴァージュ薬を投与される。しかし、それはもう一つの別人格が半永久的に埋め込まれるというものだった。 第三章突入。おまたせしました。新キャラ登場です。

死神

SUKEZA
ミステリー
自分の失態により全てを失った芸人が、死神に魂と引き換えに願いを叶えてもらい人生をやりなおす、、、

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?

おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました! 皆様ありがとうございます。 「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」 眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。 「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」 ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。 ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視 上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

処理中です...