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マルデク&地球編 第1章 想い遙かに
第8話 ユリウスはシャンバラ文明に憧れていた。
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若き日のユリウスは、改革というものにあこがれ、情熱のすべてを改革にそそごうとした。
この広い宇宙には、様々な種族がいて、様々な文明があったが、もっとも憧れ興味を持ったのは、この宇宙の遙か彼方、兜率天にあるといわれていた、伝説にして、幻の理想郷、シャンバラ文明だった。
そこへ行けば、どんな願いも叶うとされていた。
マルデクも、他の星からは理想郷とされるような高度な文明をもっていたのだが、いつしか権力者と呼ばれる者たちの間に傲慢さと腐敗が蔓延し、文明は坂を転げ落ちるようにしてその輝きを失っていった。
一度、腐敗の温床となり果てた文明は、もはや自浄努力だけでは、輝きを取り戻すことは不可能だったのだが、その混乱の時代に、ユリウスは王家にもつながる名門貴族の家に生まれた。
その頃のマルデクの支配層は、謀略と政略結婚でその覇権を競い、権力を維持していた。子供たちでさへ、謀略と政略結婚の駒として使われ、時にはその結婚の約束は親によって反故にされ、捨てられた。
ユリウスとエリザベートの婚約は、ユリウスが王位継承候補となったとき、ユリウスの親族によって反故にされ、ふたりの意思とは関係なく無理やり引き離された。
エリザベートはその後、心の病を発症し、自ら死を選んだのだった。
この広い宇宙には、様々な種族がいて、様々な文明があったが、もっとも憧れ興味を持ったのは、この宇宙の遙か彼方、兜率天にあるといわれていた、伝説にして、幻の理想郷、シャンバラ文明だった。
そこへ行けば、どんな願いも叶うとされていた。
マルデクも、他の星からは理想郷とされるような高度な文明をもっていたのだが、いつしか権力者と呼ばれる者たちの間に傲慢さと腐敗が蔓延し、文明は坂を転げ落ちるようにしてその輝きを失っていった。
一度、腐敗の温床となり果てた文明は、もはや自浄努力だけでは、輝きを取り戻すことは不可能だったのだが、その混乱の時代に、ユリウスは王家にもつながる名門貴族の家に生まれた。
その頃のマルデクの支配層は、謀略と政略結婚でその覇権を競い、権力を維持していた。子供たちでさへ、謀略と政略結婚の駒として使われ、時にはその結婚の約束は親によって反故にされ、捨てられた。
ユリウスとエリザベートの婚約は、ユリウスが王位継承候補となったとき、ユリウスの親族によって反故にされ、ふたりの意思とは関係なく無理やり引き離された。
エリザベートはその後、心の病を発症し、自ら死を選んだのだった。
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