152 / 234
地球編 第3章 新興宗教「光の泉」と光の戦士たち
第32話 アメリアはエルフィンを言葉巧みに街へ連れ出した。
しおりを挟む
現アトランティス王、統治神<シ>が忍びで地球に来ると、ミカエルのもとに知らせが入ったのは、アメリアとエルフィンが「光の泉」教団の建物を出るときだった。
普通ならば外出にも厳しいチェックが入るのだが、緊急メッセージが届いたばかりで、門番はそちらに気を取られてしまい、アメリアたちは顔認証だけでそのまま検問を通り抜けた。
アメリアの計画は巧妙だった。
「実はオリオンの誕生日が近づいているのだ。
それで愛するオリオンに何か誕生日プレゼントをしたいのだが、何を買ったらいいのか分からないのだ。
そなたはマルデク軍でオリオンと数々の戦場を共にし、親しかったと聞いている。
プレゼントを選ぶのを手伝ってはくれまいか?」
と言い、エルフィンを言葉巧みに誘い出したのだ。
そしてアメリアは腹心の武官が待つ街中へ、エルフィンを連れ出した。
街中でふたりは男たちに絡まれたのだが、その時はエルフィンが男たちを投げ飛ばし、事なきを得た。
しかし実はその男たちは、アメリアの腹心が用意したおとりで、わざとエルフィンに投げ飛ばされたのだった。
「噂には聞いていたが、お前は本当にすごいなァ。
あんな大男を何人も、あんなに簡単に、投げ飛ばすとは・・・」
ふたりはその時、休憩を取るためにカフェにいたのだが、周囲の人間たちに自分たちが人間ではないことを気づかれないように、店のメニューの飲み物を頼んだ。一暴れして喉の乾いたエルフィンは、その飲み物を口にした。
エルフィンには、その飲み物が普通の味と違っていることに、気づく知識と経験が無かった。
エルフィンはやがて睡魔に襲われ、そのまま深い眠りに落ちていった。
実はそのカフェには、アメリアの腹心である武官が送りこんだカフェ・スタッフが紛れこんでいて、飲み物に細工をしたのだ。すべては計画どおりに運び、アメリアは難なくエルフィン捕獲に成功した。
普通ならば外出にも厳しいチェックが入るのだが、緊急メッセージが届いたばかりで、門番はそちらに気を取られてしまい、アメリアたちは顔認証だけでそのまま検問を通り抜けた。
アメリアの計画は巧妙だった。
「実はオリオンの誕生日が近づいているのだ。
それで愛するオリオンに何か誕生日プレゼントをしたいのだが、何を買ったらいいのか分からないのだ。
そなたはマルデク軍でオリオンと数々の戦場を共にし、親しかったと聞いている。
プレゼントを選ぶのを手伝ってはくれまいか?」
と言い、エルフィンを言葉巧みに誘い出したのだ。
そしてアメリアは腹心の武官が待つ街中へ、エルフィンを連れ出した。
街中でふたりは男たちに絡まれたのだが、その時はエルフィンが男たちを投げ飛ばし、事なきを得た。
しかし実はその男たちは、アメリアの腹心が用意したおとりで、わざとエルフィンに投げ飛ばされたのだった。
「噂には聞いていたが、お前は本当にすごいなァ。
あんな大男を何人も、あんなに簡単に、投げ飛ばすとは・・・」
ふたりはその時、休憩を取るためにカフェにいたのだが、周囲の人間たちに自分たちが人間ではないことを気づかれないように、店のメニューの飲み物を頼んだ。一暴れして喉の乾いたエルフィンは、その飲み物を口にした。
エルフィンには、その飲み物が普通の味と違っていることに、気づく知識と経験が無かった。
エルフィンはやがて睡魔に襲われ、そのまま深い眠りに落ちていった。
実はそのカフェには、アメリアの腹心である武官が送りこんだカフェ・スタッフが紛れこんでいて、飲み物に細工をしたのだ。すべては計画どおりに運び、アメリアは難なくエルフィン捕獲に成功した。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
放浪探偵の呪詛返し
紫音
ミステリー
※第7回ホラー・ミステリー小説大賞にて異能賞を受賞しました。応援してくださった皆様、ありがとうございました。
【あらすじ】
観光好きで放浪癖のある青年・永久天満は、なぜか行く先々で怪奇現象に悩まされている人々と出会う。しかしそれは三百年前から定められた必然だった。怪異の謎を解き明かし、呪いを返り討ちにするライトミステリー。
※2024/11/7より第二部(第五章以降)の連載を始めました。
魔力無し転生者の最強異世界物語 ~なぜ、こうなる!!~
月見酒
ファンタジー
俺の名前は鬼瓦仁(おにがわらじん)。どこにでもある普通の家庭で育ち、漫画、アニメ、ゲームが大好きな会社員。今年で32歳の俺は交通事故で死んだ。
そして気がつくと白い空間に居た。そこで創造の女神と名乗る女を怒らせてしまうが、どうにか幾つかのスキルを貰う事に成功した。
しかし転生した場所は高原でも野原でも森の中でもなく、なにも無い荒野のど真ん中に異世界転生していた。
「ここはどこだよ!」
夢であった異世界転生。無双してハーレム作って大富豪になって一生遊んで暮らせる!って思っていたのに荒野にとばされる始末。
あげくにステータスを見ると魔力は皆無。
仕方なくアイテムボックスを探ると入っていたのは何故か石ころだけ。
「え、なに、俺の所持品石ころだけなの? てか、なんで石ころ?」
それどころか、創造の女神ののせいで武器すら持てない始末。もうこれ詰んでね?最初からゲームオーバーじゃね?
それから五年後。
どうにか化物たちが群雄割拠する無人島から脱出することに成功した俺だったが、空腹で倒れてしまったところを一人の少女に助けてもらう。
魔力無し、チート能力無し、武器も使えない、だけど最強!!!
見た目は青年、中身はおっさんの自由気ままな物語が今、始まる!
「いや、俺はあの最低女神に直で文句を言いたいだけなんだが……」
================================
月見酒です。
正直、タイトルがこれだ!ってのが思い付きません。なにか良いのがあれば感想に下さい。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる