「光の天使」 光と影のシンフォニー

夢織人

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地球編 第3章 新興宗教「光の泉」と光の戦士たち

第19話 シェリー、待ちくたびれちゃったの。

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「シェリー、ダメじゃないか!」
 突然、シェリーとそのボーイフレンドの前に姿を現したルシファーは、シェリーを叱りつけた。

「ヨハネに内緒でこんなことをするから、あっちのスタンドでヨハネは心配のあまり、倒れそうになってるぞ!」
と言った。

「そもそもシェリーには、ずっと待ち続けている王子さまがいるんだろう?
 その王子さまが、きっと悲しむぞ」
と言い加えた。

 しかしシェリーは、
「シェリー、待ちくたびれちゃったんだもん。
 いつまでたっても来てくれないジュンス王子さまが悪いんだわ」
と強気に言った。

「そうか、そうならそれで良い。
 私の知ったことではない。
 本当の王子さまが現れたとしても後悔しないのならば、私はかまわない。
 そうしなさい。
 
 それで、そちらの坊やの名前は何というのかな?」

「ゲルハルトです。初めまして。
 シェリーの噂の叔父様にあえて、僕はとても嬉しいです」
と言い、感激しながらルシファーと握手をしようとした。

 間一発だった。
 しかしヨハネは間一発で反対側のスタンドへたどり着き、ふたりの間に入りゲルハルトとルシファーの直接接触は避けることができた。

 たぶんふたりがそのまま握手をしていたならば、ルシファーは手加減したつもりでも、ゲルハルトは飛ばされ、怪我をしていたはずだった。





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