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地球編 第3章 新興宗教「光の泉」と光の戦士たち
第11話 玄武と言う名前をご存じですか?
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「どうした、ヨハネ。星空を見ながら考えごととは・・・」
夜空にダイヤモンドを散りばめたように輝く星を見ながら、ヨハネは故郷アトランティスに思いをはせていた。
そんなヨハネを、ルシファーは遠くからしばらくじっと見ていたのだが、意を決して声をかけたのだ。
「今日は私も、機嫌が良いから、何でも話していいぞ。
聞いてやる」
と、ルシファーは言った。
「今日、私に内緒で、ミカエルのところへ行ってきたんだろう?」
ヨハネは話すべきかどうか、迷っていた。
「何を言われた?」
ヨハネは唐突に、
「ルシファーさまは、玄武と言う名前をご存じですか?」
と聞いた。
「玄武? 聞いたことがない名前だが、誰なんだ?」
「そうですよね。みんな知りませんよね」
「誰なんだ?」
「ミカエルが言うには、その方が、本当は第11代統治神になられる方だったそうです。しかし謀反の罪を着せられ、殺されたそうです。
そしてそのせいで、我々の宇宙は進化の道しるべを失い、危機に瀕しているのだそうです」
ルシファーとヨハネのバルコニーでの会話を、室内でシェリーと遊びながら、セザールは黙って聞くとは無しに聞いていた。
しかし二人の会話に、"玄武”という言葉が混じったとき、それまで遊びに夢中になっていたその手を止め、初めて顔をあげ、室内からバルコニーの二人の会話に耳を澄ませた。
セザールは精神を集中すれば、相手が思っていることを感じ取ることができる、テレパシーの能力を、(ルシファーとヨハネには悟られないようにしていたが)、実はもっていた。
夜空にダイヤモンドを散りばめたように輝く星を見ながら、ヨハネは故郷アトランティスに思いをはせていた。
そんなヨハネを、ルシファーは遠くからしばらくじっと見ていたのだが、意を決して声をかけたのだ。
「今日は私も、機嫌が良いから、何でも話していいぞ。
聞いてやる」
と、ルシファーは言った。
「今日、私に内緒で、ミカエルのところへ行ってきたんだろう?」
ヨハネは話すべきかどうか、迷っていた。
「何を言われた?」
ヨハネは唐突に、
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しかし二人の会話に、"玄武”という言葉が混じったとき、それまで遊びに夢中になっていたその手を止め、初めて顔をあげ、室内からバルコニーの二人の会話に耳を澄ませた。
セザールは精神を集中すれば、相手が思っていることを感じ取ることができる、テレパシーの能力を、(ルシファーとヨハネには悟られないようにしていたが)、実はもっていた。
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