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地球編 第3章 新興宗教「光の泉」と光の戦士たち
第9話 惑星シャンバラ崩壊の裏に隠された真実
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その夜、ルシファーは夜空に輝く星を見ながら、ミカエルの言葉を思い返していた。
「地球だけでなく、我々の宇宙、我々のアトランティスも、実は滅亡の危機にあるのです」
と、ミカエルはルシファーに打ち明けた。
「シャンバラは軍隊をもたない文明でしたが、それなのに長きにわたり存在しえたのはなぜだったと思います?」
と、ミカエルはルシファーに言った。
「実は特殊な役割を担っていた星だったからなのです。
しかし我々は、そのことを知らなかった。
だからシャンバラの文明が敵の手に落ちたとき、あの星を破壊する決定を下した上層部を、まったく疑わなかった。そしてその命令に従い、最終兵器を使用して、あの惑星をこの宇宙から消してしまった」
「しかしそれは決してしてはいけないことだったのです。
シャンバラがあった場所は、実は異次元世界の入口で、シャンバラはその入口を封印していた、特殊な惑星だったのです」
「手遅れなのかもしれませんが、私はもう一度、結界をこの宇宙に築くつもりです」
そう言ったミカエルのことばを、ルシファーは頭の中で、何度も何度も繰り返していた。
「統治神<シ>の側近である私を、信じられないとし、協力できないと云うのならば、それはそれで仕方ありません。しかし少なくとも、私の邪魔はしないでください」
ルシファーはミカエルの真意がどこにあるのか、判り兼ねた。
「それでお前は、私に何をしてほしいのだ?」
帰って来た答えは意外なものだった。
「すでに地球に侵入していると思われる宇宙連合が派遣した秘密結社シヴァの隊員を探し出し、その動きを封じてほしいのです」
宇宙連合の秘密組織であるシヴァと呼ばれる部隊は、この宇宙の調和を護るために秘密裏に組織された部隊で、星の運命さえも左右する重大な局面で発動されることの多いとされる、謎の部隊だった。
「しかし噂で囁かれているだけで、実在するかどうかもわからない部隊なのに、なぜ気にする?」
「私は子供のころ、その組織と思われる部隊に遭遇したことがあるのです。
子供のころ、とても仲の良かった二人の兄弟がいたのですが、その兄弟の家族が謎の刺客に襲われ、子供を護ろうとした母親が犠牲になったのです」
「地球だけでなく、我々の宇宙、我々のアトランティスも、実は滅亡の危機にあるのです」
と、ミカエルはルシファーに打ち明けた。
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と、ミカエルはルシファーに言った。
「実は特殊な役割を担っていた星だったからなのです。
しかし我々は、そのことを知らなかった。
だからシャンバラの文明が敵の手に落ちたとき、あの星を破壊する決定を下した上層部を、まったく疑わなかった。そしてその命令に従い、最終兵器を使用して、あの惑星をこの宇宙から消してしまった」
「しかしそれは決してしてはいけないことだったのです。
シャンバラがあった場所は、実は異次元世界の入口で、シャンバラはその入口を封印していた、特殊な惑星だったのです」
「手遅れなのかもしれませんが、私はもう一度、結界をこの宇宙に築くつもりです」
そう言ったミカエルのことばを、ルシファーは頭の中で、何度も何度も繰り返していた。
「統治神<シ>の側近である私を、信じられないとし、協力できないと云うのならば、それはそれで仕方ありません。しかし少なくとも、私の邪魔はしないでください」
ルシファーはミカエルの真意がどこにあるのか、判り兼ねた。
「それでお前は、私に何をしてほしいのだ?」
帰って来た答えは意外なものだった。
「すでに地球に侵入していると思われる宇宙連合が派遣した秘密結社シヴァの隊員を探し出し、その動きを封じてほしいのです」
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「私は子供のころ、その組織と思われる部隊に遭遇したことがあるのです。
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