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地球編 第3章 新興宗教「光の泉」と光の戦士たち
第4話 新興宗教「光の泉」の広告に驚くルシファー
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その日、ヨハネはかつての上官であるルシファーと共に、地上へ降り立ち、地球の状況を調べていた。最後の審判を迎えようとしている星とは思えないような、人々の浮かれように、ふたりはあきれていた。
「何で気づかないのでしょうか?」
「何を?」
「世界各地で天変地異の災害が頻発し、あちらこちらで核戦争に発展しかねない紛争が次から次と起こっているのに、自分たちだけは大丈夫と思っているなんて…」
二人は今、ニューヨークのど真ん中いた。
一応、人間でないことを悟られないように、最新ファッションに身を包み、サングラスで顔も隠しいた。本人たちは、上手に人混みにまぎれ込んでいると思っていた。しかし…、突然、車が走る道路の真ん中で、ルシファーは立ち止ったのだ。それは信号の変わりめのことで、先を歩いていたヨハネはそれに気づかなかった。
ルシファーはビルの電子掲示板に写しだされた宣伝を偶然目にして驚き、横断歩道の真ん中で立ち止った。
「私たち光の泉は、いつもあなたと共にあります」そのようなキャッチフレーズのもとに、教祖と思われる男がにこやかに笑っている。「神の愛はいつもあなたを包み、あなたと共にあります」
その教祖の顔に、ルシファーが見覚えがあった。
かつての部下、そして同僚だった統治神<シ>の右腕、大天使ミカエルだったのだ。そこへ一台の車が猛スピードで、まるでルシファー目がけて突進してくるかのように近づいてきた。そしていつも冷静なルシファーにしては珍しく、その車に対して封印していたフォースを使ってしまったのだ。
初めて異変に気付いたヨハネは、
「ルシファーさま、ダメです。ここでフォースを使ってダメです」と叫んだが、すでに後の祭りだった。
車は回転しながら空中を舞い、信じられないような轟音を残し、まるで爆弾で吹き飛ばされでもしたかのように粉々に砕け散った。
「何で気づかないのでしょうか?」
「何を?」
「世界各地で天変地異の災害が頻発し、あちらこちらで核戦争に発展しかねない紛争が次から次と起こっているのに、自分たちだけは大丈夫と思っているなんて…」
二人は今、ニューヨークのど真ん中いた。
一応、人間でないことを悟られないように、最新ファッションに身を包み、サングラスで顔も隠しいた。本人たちは、上手に人混みにまぎれ込んでいると思っていた。しかし…、突然、車が走る道路の真ん中で、ルシファーは立ち止ったのだ。それは信号の変わりめのことで、先を歩いていたヨハネはそれに気づかなかった。
ルシファーはビルの電子掲示板に写しだされた宣伝を偶然目にして驚き、横断歩道の真ん中で立ち止った。
「私たち光の泉は、いつもあなたと共にあります」そのようなキャッチフレーズのもとに、教祖と思われる男がにこやかに笑っている。「神の愛はいつもあなたを包み、あなたと共にあります」
その教祖の顔に、ルシファーが見覚えがあった。
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初めて異変に気付いたヨハネは、
「ルシファーさま、ダメです。ここでフォースを使ってダメです」と叫んだが、すでに後の祭りだった。
車は回転しながら空中を舞い、信じられないような轟音を残し、まるで爆弾で吹き飛ばされでもしたかのように粉々に砕け散った。
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