「光の天使」 光と影のシンフォニー

夢織人

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地球編 第2章 武官オリオンとアメリア

第7話 教団に駆け込み、助けを求めてきた男女

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 ハンネスとエルフィンはマジックミラーの窓から、教団に駆け込み、助けを求めてきたというふたりの男女の顔を注意深く、しばらく黙って見つめていた。

 やがてエルフィンが、静かに言った。
「女性のほうは知りませんが、男性のほうは帝国軍の武官でオリオンと言う者です。
 マルデク情報省長官オスカー・フォン・ブラウンの右腕と言われる男で、文武両道にたけています」

 そして不思議そうな顔をして、ミカエルに聞いた。
「なぜ彼が、ここに?」

「女はそのマルデク情報省長官オスカー・フォン・ブラウンの婚約者で、ふたりは恋仲で、地球へきみたちと同じように、駆け落ちをしてきたそうだ。
 そして我々に保護を求めている」

 ハンネスとエルフィンは驚きながら、互いの顔を見た。

「オスカーに婚約者がいたなんで、まったく初耳だ。
 オスカーは、エルフィンにぞっこんで、会うたびにいつもにお前にプロポーズしてたよな?」
とハンネスはエルフィンに言った。 そして、

「マルデクでは、オスカーは私の親友だったので、彼の好みは良くしっているつもりですが、彼女が婚約者だと聞いても、何かしっくりこないのが、本当の気持ちです」
と、ハンネスは言った。

「彼女はマルデク王朝の血を引く、王女の称号を持つ女性だそうだ。
 政略結婚を親に迫られたのだろう」
と事も無げに、ミカエルは言った。

「武官オリオンは、実直で心から信頼出来る同僚でした。
 戦場では随分、助けられた。
 できれば、助けてあげて下さい」
とエルフィンはミカエルに言った。
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