「光の天使」 光と影のシンフォニー

夢織人

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地球編 第2章 武官オリオンとアメリア

第4話 誰かの強い視線を感じ、ハンネスは後ろを振り返った。

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 突然、誰かの強い視線を感じ、ハンネスは後ろを振り返った。
 しかし後ろを注意深く見たが、それらしい人物は見当たらなかった。

「どうしたんだい?」
と、一緒に歩いていたエルフィンが、ハンネスのいつもと違う様子に気づき、ハンネスに聞いてきた。

 エルフィンの心配げなまなざしを見て、ハンネスの心は愛おしさで胸がいっぱいになった。いつもは押さえているエルフィンへの感情が、この日は、なぜだか押さえていることが出来なかった。

 ハンネスはエルフィンの体を引き寄せると、エルフィンを抱きしめ、その唇にキスをした。ふたりはその日、初めて互いを恋人として意識し、その気持ちを確かめ合った。

「ジャド師に、また怒られるかな?」
とハンネスは笑いながらエルフィンに言った。

「大丈夫! でも、ふたりだけの秘密だ」
と、エルフィンは小さな声でハンネスに言った。

 しかしそのふたりの仲睦まじい姿を、遠くから黙って、見ていた者たちがいた。
 アメリアと武官オリオンだった。
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