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神界編 第4章 二人の天使~エルフィンとルカ
第5話 エルフィンと医官ハンネス
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帝国で屈指の医官であるハンネスは、血だらけのエルフィンの体の治療を行いながら、友エルフィンに言った。
「なぜフォースを防御に使わなかった」
その言葉に対して対してエルフィンは、何も答えなかった。
「いづれ総統とぶつかるだろうことは、予測していたが、こんな・・・、くだらないことでぶつかるとわな」
と、呆れたようにエルフィンに言った。
そして、しばらくエルフィンを黙って見ていたが、
「失望したよ」
と少し怒りながらつぶやいた。
それでもエルフィンは何も答えなかった。
「なぜなんだ? お前の色恋ざたに、口をはさむ気はないが、志を捨ててまで、護らなければならない相手なのか?」
「そうだ・・・」
と、エルフィンはポツリと言った。
その言葉にハンネスは絶句した。しかし思いなおして、
「美女だったそうだが、かなり、年上のようだったと聞いたぞ」
と、エルフィンに言った。
「そんなことまで、伝わっているのか・・・。だったらなおさら、本当のことは言えない」
「このバカ野郎! 心配させるな! 心配で心臓が止まりそうだったんだぞ」
とハンネスはまだ怒ってはいたが、治療後のエルフィンの体をほれぼれと見つめながら、
「傷ひとつない! 相変わらず、美しい!」
とつぶやき、
「感謝しろよ。俺だから、体に傷ひとつ残さず治療できたんだ」
と自分の実力に満足しながら、エルフィンに言った。
ハンネスはいつも柔らかい風のようにエルフィンを包み、自分のやり方でエルフィンを守ってきた。エルフィンも、ハンネスあってこその自分であることを十分知っていた。
エルフィンが捨ててきたものすべてを、ハンネスはもっていた。
ハンネスと一緒にいるときだけ、エルフィンはその心を休めることができた。
ハンネスは、今は失われてしまった幻の星「シャンバラ」出身の医官だった。
最後の大神官ユダと短い期間ではあったが、実際に行動を共にしたことがあった。
「なぜフォースを防御に使わなかった」
その言葉に対して対してエルフィンは、何も答えなかった。
「いづれ総統とぶつかるだろうことは、予測していたが、こんな・・・、くだらないことでぶつかるとわな」
と、呆れたようにエルフィンに言った。
そして、しばらくエルフィンを黙って見ていたが、
「失望したよ」
と少し怒りながらつぶやいた。
それでもエルフィンは何も答えなかった。
「なぜなんだ? お前の色恋ざたに、口をはさむ気はないが、志を捨ててまで、護らなければならない相手なのか?」
「そうだ・・・」
と、エルフィンはポツリと言った。
その言葉にハンネスは絶句した。しかし思いなおして、
「美女だったそうだが、かなり、年上のようだったと聞いたぞ」
と、エルフィンに言った。
「そんなことまで、伝わっているのか・・・。だったらなおさら、本当のことは言えない」
「このバカ野郎! 心配させるな! 心配で心臓が止まりそうだったんだぞ」
とハンネスはまだ怒ってはいたが、治療後のエルフィンの体をほれぼれと見つめながら、
「傷ひとつない! 相変わらず、美しい!」
とつぶやき、
「感謝しろよ。俺だから、体に傷ひとつ残さず治療できたんだ」
と自分の実力に満足しながら、エルフィンに言った。
ハンネスはいつも柔らかい風のようにエルフィンを包み、自分のやり方でエルフィンを守ってきた。エルフィンも、ハンネスあってこその自分であることを十分知っていた。
エルフィンが捨ててきたものすべてを、ハンネスはもっていた。
ハンネスと一緒にいるときだけ、エルフィンはその心を休めることができた。
ハンネスは、今は失われてしまった幻の星「シャンバラ」出身の医官だった。
最後の大神官ユダと短い期間ではあったが、実際に行動を共にしたことがあった。
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