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神界編 第3章 ヨシュアとユダ~終わりの始まり
第22話 食堂の娘はヨシュア親子を助けるために・・・
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目つきの悪い者たちが、あたりを徘徊していた。
旅の客を装い、簡易食堂に居座る者たちもいた。
カーテン越しにその様子を見ていた食堂の娘は、階段をかけ上がり、奥の部屋で息を潜めるようにして隠れていたヨシュアと子供たちに、早口で言った。
「私がエカテリーナと一緒に裏口から出て、あの者たちを引きつけますから、誰もいなくなったところで、食堂の表玄関から、客を装って出てください。
今日は、エルフィンさまも女の子の洋服を着てください。
そしてエカテリーナにエルフィンさまのお洋服を着せてください」
と言った。
そして簡易食堂の娘は、彼女の娘エカテリーナと一緒に裏口から出て行き、追っ手の者たちは、「逃げたぞ!」という怒声と共に、いっせいに、その親子を追って夜の闇に消えていった。
ヨシュアは子供たちを連れて、ユダの連れのものたちが待つ街の外れの建物へ急いだ。そこはシャンバラが管轄する建物で、シャンバラの発行する許可証が無ければ、誰であろうと立ち入ることが出来ない場所だった。
旅の客を装い、簡易食堂に居座る者たちもいた。
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「私がエカテリーナと一緒に裏口から出て、あの者たちを引きつけますから、誰もいなくなったところで、食堂の表玄関から、客を装って出てください。
今日は、エルフィンさまも女の子の洋服を着てください。
そしてエカテリーナにエルフィンさまのお洋服を着せてください」
と言った。
そして簡易食堂の娘は、彼女の娘エカテリーナと一緒に裏口から出て行き、追っ手の者たちは、「逃げたぞ!」という怒声と共に、いっせいに、その親子を追って夜の闇に消えていった。
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