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神界編 第3章 ヨシュアとユダ~終わりの始まり
第20話 ついにネロはヨシュア拉致に成功する。しかし・・・
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ユダと会えなくなってから、しばらく経ったある日、ヨシュアは自分の体の異変に気がついた。それは明らかに、あることを意味していた。
ユダの子供を授かったのだ。
ヨシュアはラクシュミーの赤子が辿った運命を、恐怖を持って思い出していた。
このままでは、この子もラクシュミーの赤子と同じ運命を辿ることになる、とヨシュアは思った。
誰にも打ち明けることが出来ずに、ヨシュアはひとり悩みつづけた。
そのような時に、街中でヨシュアは再びネロと出会った。
ネロは今度は、用意周到な計画のもとに動いていた。
今度は周囲に助けてくれる者は誰もいない状況だった。
ネロは以前と同じように、アトランティスの精鋭を引き連れていた。
その隠密行動は見事で、逃げる間もなく、ヨシュアはネロの仲間に拉致された。
ネロにとってヨシュアは、生れながらの婚約者であったから、取り戻した時からすぐに、ヨシュアは妻としての服従を強いられた。ネロはヨシュアは激しく抵抗するだろうと思っていたのだが、予想に反して、驚くほどヨシュアは従順だった。ネロは驚きはしたが、あまり深く考えることなく、ヨシュアを抱いた。
ヨシュアを連れてアトランティスへ戻ったネロは、ヨシュアを監禁し、それから誰にも会わせようとはしなかった。父である王アレスはそのことを知っていたが、口出しはしなかった。子供が生れなければ、しょせんヨシュアはただの人質に過ぎない。ネロの息子を産んで初めて人質から、アレス王朝の一員となれるのだ。
ネロは連日連夜、ヨシュアのもとを訪れ、ヨシュアを抱いて言った。
「早く私の子供を授かれ! 早く私の息子を産むのだ。私とお前の子供が生れれば、パリスもあきらめるしかなくなる。私とお前の息子は二つの王家の血を引いているのだから、誰にも文句は言えない。息子が生れたら、ここからすぐに出してやる。だから早く息子を産むのだ。それがお前のただひとつの仕事だ」
やがてヨシュアが子供を授かったことをネロは知るのだが、その子供の父親が誰であるかを知っているのはヨシュアだけだった。
ユダの子供を授かったのだ。
ヨシュアはラクシュミーの赤子が辿った運命を、恐怖を持って思い出していた。
このままでは、この子もラクシュミーの赤子と同じ運命を辿ることになる、とヨシュアは思った。
誰にも打ち明けることが出来ずに、ヨシュアはひとり悩みつづけた。
そのような時に、街中でヨシュアは再びネロと出会った。
ネロは今度は、用意周到な計画のもとに動いていた。
今度は周囲に助けてくれる者は誰もいない状況だった。
ネロは以前と同じように、アトランティスの精鋭を引き連れていた。
その隠密行動は見事で、逃げる間もなく、ヨシュアはネロの仲間に拉致された。
ネロにとってヨシュアは、生れながらの婚約者であったから、取り戻した時からすぐに、ヨシュアは妻としての服従を強いられた。ネロはヨシュアは激しく抵抗するだろうと思っていたのだが、予想に反して、驚くほどヨシュアは従順だった。ネロは驚きはしたが、あまり深く考えることなく、ヨシュアを抱いた。
ヨシュアを連れてアトランティスへ戻ったネロは、ヨシュアを監禁し、それから誰にも会わせようとはしなかった。父である王アレスはそのことを知っていたが、口出しはしなかった。子供が生れなければ、しょせんヨシュアはただの人質に過ぎない。ネロの息子を産んで初めて人質から、アレス王朝の一員となれるのだ。
ネロは連日連夜、ヨシュアのもとを訪れ、ヨシュアを抱いて言った。
「早く私の子供を授かれ! 早く私の息子を産むのだ。私とお前の子供が生れれば、パリスもあきらめるしかなくなる。私とお前の息子は二つの王家の血を引いているのだから、誰にも文句は言えない。息子が生れたら、ここからすぐに出してやる。だから早く息子を産むのだ。それがお前のただひとつの仕事だ」
やがてヨシュアが子供を授かったことをネロは知るのだが、その子供の父親が誰であるかを知っているのはヨシュアだけだった。
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