「光の天使」 光と影のシンフォニー

夢織人

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神界編 第3章 ヨシュアとユダ~終わりの始まり

第17話 宮殿へ戻って、ヨシュアとユダが目にしたものは・・・

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 ヨシュアがユダと共に宮殿へ戻ったのは、ネロのゲリラ部隊が撤収したあとだった。

 その日、ヨシュアはユダと一緒に別の場所にいて、難を逃れた。
 いよいよ、次期大神官としてユダが正式に任命されることになり、ふたりは急ぎ密会していた。
 正式に任命されれば、今ままでのようなわけには行かず、街中へも来れなくなる。
 しばらくは会えなくなることを、ユダはヨシュアに伝えた。
 永遠の別れでもないのに、なぜだかヨシュアは涙が止まらなかった。
 ヨシュアの涙を見て、ユダはヨシュアがいっそう愛おしくなった。
 結局二人は禁を破り、愛を確かめあった。
 二人はそのとき、この上なく幸せだった。
 しかしその幸せは長くは続かなかった。


 宮殿へ戻り、ヨシュアとユダが目にしたものは、血に赤く染まった宮殿だった。
 すでに大神官ダニエルまでもが、シャンバラから護衛部隊と共に宮殿へ駆けつけていた。
 
「どこへ行っていたのだ、ユダ!」と大神官ダニエルは、ユダの顔を見るや否や怒って怒鳴った。
 
「何があったのですか?」
 ユダはおそるおそる訊ねるしかなかった。

「謎のゲリラ部隊が宮殿を急襲したのだ。ミトラが瀕死の重傷を負った。
 ラクシュミーはまだ行方がわからない」
 大神官ダニエルは怒りながらも、状況を説明した。

 
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