65 / 234
神界編 第3章 ヨシュアとユダ~終わりの始まり
第15話 生れながらの許婚ヨシュアを見つけたことを、父である王に話すネロ
しおりを挟む
ネロは手ぶらでアトランティスに帰ることになったが、ヨシュアを見つけ出したことで上機嫌だった。
ヨシュアはこの世に生れたときから、女性に変成した場合はネロと結婚することになっていた。それが先王アキレウスと現国王父アレスとの約束だったのだ。
「父上、お喜びください。このたびの旅で、私はヨシュアを見つけ出しました。
ヨシュアは美しい美姫になっていました。私がヨシュアと結婚して、子供が生れさえすれば、先王が亡くなってから始まったパリスとの跡目争いも、ついに終焉させることが出来ます」
「それは本当か?」
「はい。ただ、やっかいなことは、ヨシュアがプレアデス王家の客人になっていたことです」
「何と! それでお前は、どうしたいのだ?」
「ヨシュアは、我が妹アフロディーテにも負けないような美姫になっていました。
恥ずかしながら、一目見ただけで、今のヨシュアに恋をしてしまいました。
このまま異世界の宝となっている許婚を、捨て置くことなど出来ません。
私は生れながらの許婚であるヨシュアを、取り戻すつもりです。
プレアデスの宮殿を攻め入ることになっても、お許しください」
ネロはそれは真剣な表情で、父王に言った。
「異世界との宇宙戦争は避けたい。しかしお前の気持ちも、良くわかる。正規軍は出せないが、特別部隊を作り、ゲリラ戦でヨシュアを救出することは許そう」
父王は無謀な息子を止めようとはしなかった。それどころか、
「必ず連れ戻せ!」と、息子に命令した。
ヨシュアはこの世に生れたときから、女性に変成した場合はネロと結婚することになっていた。それが先王アキレウスと現国王父アレスとの約束だったのだ。
「父上、お喜びください。このたびの旅で、私はヨシュアを見つけ出しました。
ヨシュアは美しい美姫になっていました。私がヨシュアと結婚して、子供が生れさえすれば、先王が亡くなってから始まったパリスとの跡目争いも、ついに終焉させることが出来ます」
「それは本当か?」
「はい。ただ、やっかいなことは、ヨシュアがプレアデス王家の客人になっていたことです」
「何と! それでお前は、どうしたいのだ?」
「ヨシュアは、我が妹アフロディーテにも負けないような美姫になっていました。
恥ずかしながら、一目見ただけで、今のヨシュアに恋をしてしまいました。
このまま異世界の宝となっている許婚を、捨て置くことなど出来ません。
私は生れながらの許婚であるヨシュアを、取り戻すつもりです。
プレアデスの宮殿を攻め入ることになっても、お許しください」
ネロはそれは真剣な表情で、父王に言った。
「異世界との宇宙戦争は避けたい。しかしお前の気持ちも、良くわかる。正規軍は出せないが、特別部隊を作り、ゲリラ戦でヨシュアを救出することは許そう」
父王は無謀な息子を止めようとはしなかった。それどころか、
「必ず連れ戻せ!」と、息子に命令した。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説

地獄の業火に焚べるのは……
緑谷めい
恋愛
伯爵家令嬢アネットは、17歳の時に2つ年上のボルテール侯爵家の長男ジェルマンに嫁いだ。親の決めた政略結婚ではあったが、小さい頃から婚約者だった二人は仲の良い幼馴染だった。表面上は何の問題もなく穏やかな結婚生活が始まる――けれど、ジェルマンには秘密の愛人がいた。学生時代からの平民の恋人サラとの関係が続いていたのである。
やがてアネットは男女の双子を出産した。「ディオン」と名付けられた男児はジェルマンそっくりで、「マドレーヌ」と名付けられた女児はアネットによく似ていた。
※ 全5話完結予定
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
フェイタル・アトラクション~「長い旅の始まり」が意味するもの
夢織人
ミステリー
昨年、謎の死をとげた韓流スター、ソン・ジェリムに関する考察であり、ミステリー小説。そしてエッセイです。
私は彼の死を、メディアで報道されたり、噂されていたようなものではなく、命をかけた愛の告白だったと思っています。そして実在した人物なので、創作という形でしかその真実に迫ることは出来ないと思い、こうして書いています。
前途有望だった韓流スターは、なぜに自ら死を選ぶような決断をしたのか?
「ダビデの再臨」と謳われたモデル出身の美青年が、本当に恋して愛した心の恋人は、いったい誰だったのか?

ヤクザと捨て子
幕間ささめ
BL
執着溺愛ヤクザ幹部×箱入り義理息子
ヤクザの事務所前に捨てられた子どもを自分好みに育てるヤクザ幹部とそんな保護者に育てられてる箱入り男子のお話。
ヤクザは頭の切れる爽やかな風貌の腹黒紳士。息子は細身の美男子の空回り全力少年。

ボクっ娘がパンツを盗まれて犯人を捜すミステリー
ウサギ様
ミステリー
ライトで楽しみやすいコメディミステリーです。 キーワードや容疑者が分かりやすくまとめられているので、みんなで一緒に推理することが出来ます。
メインキャラクター紹介
リーダー:ボクっ娘さん。 よく私物を盗まれる。 凛ちゃんと先輩が大好き。
凛ちゃん:リーダーを性的な目で見ている女の子。
先輩:リーダーを性的な目で見ている先輩。 犯人。
壁にキスはしないでください!~偽りの番は甘い香り、ほんろうされて今日もキスをする~
星名 泉花
キャラ文芸
四ツ井 葉緩は主と姫をくっつけようと試行錯誤するくノ一。
壁に擬態して二人を見守るのが務めであり、趣味だ。
任務を全うしたいのに、クラスメイトの望月 葵斗に振り回され、任務に集中できない日々。
「隠れ身の術」をしてるのにキスされ、ぎゅっとされ、パニック状態!
なぜ葵斗の気配を探れないのか。
ふてくされていると、ついに葵斗が壁を破って「葉緩が番」だと言い出して――。
気配も香りもわからない。思いがけない番の登場に葉緩の運命が変わっていく。
「イケメンな番(手が早い)にふりまわされる優秀なくノ一(仮)の運命の歯車にほんろうされる切なさありのラブストーリー」と「主と姫を応援する忍びの推し活物語」

【コミカライズ・取り下げ予定】アマレッタの第二の人生
ごろごろみかん。
恋愛
『僕らは、恋をするんだ。お互いに』
彼がそう言ったから。
アマレッタは彼に恋をした。厳しい王太子妃教育にも耐え、誰もが認める妃になろうと励んだ。
だけどある日、婚約者に呼び出されて言われた言葉は、彼女の想像を裏切るものだった。
「きみは第二妃となって、エミリアを支えてやって欲しい」
その瞬間、アマレッタは思い出した。
この世界が、恋愛小説の世界であること。
そこで彼女は、悪役として処刑されてしまうこと──。
アマレッタの恋心を、彼は利用しようと言うのだ。誰からの理解も得られず、深い裏切りを受けた彼女は、国を出ることにした。
一方、彼女が去った後。国は、緩やかに破滅の道を辿ることになる。
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる