「光の天使」 光と影のシンフォニー

夢織人

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神界編 第3章 ヨシュアとユダ~終わりの始まり

第15話 生れながらの許婚ヨシュアを見つけたことを、父である王に話すネロ

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 ネロは手ぶらでアトランティスに帰ることになったが、ヨシュアを見つけ出したことで上機嫌だった。
 ヨシュアはこの世に生れたときから、女性に変成した場合はネロと結婚することになっていた。それが先王アキレウスと現国王父アレスとの約束だったのだ。

「父上、お喜びください。このたびの旅で、私はヨシュアを見つけ出しました。
 ヨシュアは美しい美姫になっていました。私がヨシュアと結婚して、子供が生れさえすれば、先王が亡くなってから始まったパリスとの跡目争いも、ついに終焉させることが出来ます」

「それは本当か?」

「はい。ただ、やっかいなことは、ヨシュアがプレアデス王家の客人になっていたことです」

「何と! それでお前は、どうしたいのだ?」

「ヨシュアは、我が妹アフロディーテにも負けないような美姫になっていました。
 恥ずかしながら、一目見ただけで、今のヨシュアに恋をしてしまいました。
 このまま異世界の宝となっている許婚を、捨て置くことなど出来ません。
 私は生れながらの許婚であるヨシュアを、取り戻すつもりです。
 プレアデスの宮殿を攻め入ることになっても、お許しください」
 ネロはそれは真剣な表情で、父王に言った。

「異世界との宇宙戦争は避けたい。しかしお前の気持ちも、良くわかる。正規軍は出せないが、特別部隊を作り、ゲリラ戦でヨシュアを救出することは許そう」

 父王は無謀な息子を止めようとはしなかった。それどころか、
「必ず連れ戻せ!」と、息子に命令した。
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