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神界編 第3章 ヨシュアとユダ~終わりの始まり
第10話 プレアデスの宮殿へ行きたいのですが・・・
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翌日の朝、パリスは食事もそこそこに、プレアデスの宮殿へ早く行こうとして、簡易食堂の親切な主人に宮殿への道を聞いた。
「プレアデスの宮殿へ行きたいのですが、どのように行けばよいのか、教えていただけますか?」
「プレアデスの宮殿ですか? え~と、今日は何曜日かな・・・。
宮殿が解放されて中へ入れる日と、そうでない日があるのです。
ああ、ちょうど中へ入れる日です。
それで、ユダさまと何かお約束でもなさったのですか?」
主人は何気ないふりを装っていたが、興味深々なのは、手に取るようにわかった。
すると娘が、
「私が宮殿までご案内いたします」
と言いだし、父親からパリスを引き離した。
娘はユダに興味があるようだった。
「昨日、深夜に、ユダさまがおいでになったと、父から聞きました。
その話を聞いて私、もう少しで泣きそうになりました」
「なぜですか?」
「当然じゃないですか。ユダさまには普通の市民は、そう簡単には会えません。
ユダさまに会えるチャンスなんて、そんなにあるものではないのです。
あの方は次の大神官になられる方で、そのときがくるまではお顔も隠されています。
ただ、ものすごく美しいかただと噂されています。
父もものすごく美しいかただったと申しておりました」
パリスは食堂の娘に案内され、宮殿の門の前まで来たとき、扉が開くの待っている若者の群れに気づいた。
みんななぜか、花束と贈り物をその手にもっている。
「プレアデスの王女さまはとても美しいお方で、あの方たちは王女さまに求婚するためにはるばる遠くから参られた方たちです。でも最近は、半分ぐらいのお方は、王女さまの隣におられることが多い、謎の姫ぎみがお目当てみたいです。
その姫ぎみもとてもお美しいお方で、ダニエルさまのお知り合いのお嬢様なのだそうですが、謎の多いお方で、そのことがまた噂に火をつけ、たくさんの殿方がその姫ぎみを一目見たいと集まってきているのです」
と言った。
「プレアデスの宮殿へ行きたいのですが、どのように行けばよいのか、教えていただけますか?」
「プレアデスの宮殿ですか? え~と、今日は何曜日かな・・・。
宮殿が解放されて中へ入れる日と、そうでない日があるのです。
ああ、ちょうど中へ入れる日です。
それで、ユダさまと何かお約束でもなさったのですか?」
主人は何気ないふりを装っていたが、興味深々なのは、手に取るようにわかった。
すると娘が、
「私が宮殿までご案内いたします」
と言いだし、父親からパリスを引き離した。
娘はユダに興味があるようだった。
「昨日、深夜に、ユダさまがおいでになったと、父から聞きました。
その話を聞いて私、もう少しで泣きそうになりました」
「なぜですか?」
「当然じゃないですか。ユダさまには普通の市民は、そう簡単には会えません。
ユダさまに会えるチャンスなんて、そんなにあるものではないのです。
あの方は次の大神官になられる方で、そのときがくるまではお顔も隠されています。
ただ、ものすごく美しいかただと噂されています。
父もものすごく美しいかただったと申しておりました」
パリスは食堂の娘に案内され、宮殿の門の前まで来たとき、扉が開くの待っている若者の群れに気づいた。
みんななぜか、花束と贈り物をその手にもっている。
「プレアデスの王女さまはとても美しいお方で、あの方たちは王女さまに求婚するためにはるばる遠くから参られた方たちです。でも最近は、半分ぐらいのお方は、王女さまの隣におられることが多い、謎の姫ぎみがお目当てみたいです。
その姫ぎみもとてもお美しいお方で、ダニエルさまのお知り合いのお嬢様なのだそうですが、謎の多いお方で、そのことがまた噂に火をつけ、たくさんの殿方がその姫ぎみを一目見たいと集まってきているのです」
と言った。
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