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神界編 第2章 アトランティスの王子ヨシュア
第9話 異世界から来た学者ユダ⑥
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その日、ヨシュアは初めて占星学の講義を受ける決意をして、ユダが待つ教室に足を踏み入れた。そして驚いた。講義室に他の生徒の姿はなく、実は占星学の講座はヨシュアのためだけに用意された、特別なプログラムであることを、ユダから聞かされたのだ。
それは父である王アキレウスが予知能力をもつがゆえに、周囲のものから疎まれ孤立していたヨシュアのことを心配して、あらゆるつてを使い、秘密裏に異世界のものと連絡を取り、ヨシュアのために用意した特別な贈り物だった。
アトランティスでは疎まれる予知能力も、異世界では特別な能力として尊ばれ、宇宙の平和を護る力として特別な地位を与えれていた。そのことを知った時、王はヨシュアの能力を何とか伸ばしてあげたいと思い、異世界まで足を踏み入れた。
アキレウスは異世界との戦争を望んでいたわけではなかったのだが、将軍はそのことを利用し、異世界との戦争を始めた。そしてアキレウスは将軍の裏切りにより、星間戦争の最前線で命を落とすことになったのだった。
事態は急を告げていた。
ユダはヨシュアに占星術と予知能力の指導をするはずだったのだが、今はそれどころではなかった。
まずユダは次の統治神<シ>にふさわしいのは誰かを、見極める必要があった。
「やっと決心がついたようだね。それでさっそく講義を始めたいところなのだが、私の講義は、少しばから危険が伴うものでね。始める前に、君の兄上に会って、少し説明したいことがある」
とユダはヨシュアに言った。
「大学校には僕が許可を取るから、君はすぐ宮殿に戻る準備をしなさい。
怪我を口実にして、完全に治癒するまでは、大学校には戻らないことにするのでそのつもりで準備するように。
私が見たとろ、君はもう完全に女性に変成している。無理してここにいては、かえって危ない」
と、ユダはヨシュアに父王の死は伏せたまま、大学校を去る準備を命じた。
それは父である王アキレウスが予知能力をもつがゆえに、周囲のものから疎まれ孤立していたヨシュアのことを心配して、あらゆるつてを使い、秘密裏に異世界のものと連絡を取り、ヨシュアのために用意した特別な贈り物だった。
アトランティスでは疎まれる予知能力も、異世界では特別な能力として尊ばれ、宇宙の平和を護る力として特別な地位を与えれていた。そのことを知った時、王はヨシュアの能力を何とか伸ばしてあげたいと思い、異世界まで足を踏み入れた。
アキレウスは異世界との戦争を望んでいたわけではなかったのだが、将軍はそのことを利用し、異世界との戦争を始めた。そしてアキレウスは将軍の裏切りにより、星間戦争の最前線で命を落とすことになったのだった。
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まずユダは次の統治神<シ>にふさわしいのは誰かを、見極める必要があった。
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私が見たとろ、君はもう完全に女性に変成している。無理してここにいては、かえって危ない」
と、ユダはヨシュアに父王の死は伏せたまま、大学校を去る準備を命じた。
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