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神界編 第1章 アトランティス宇宙士官大学校の美形士官候補生たち
第6話 学園祭⑥ 統治神<シ>とアシュラ
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初めて会う統治神<シ>を前にして、アシュラは緊張していた。
噂では、厳しく怖いお方で、自分に逆らう者には情け容赦がないと言う。
「そんなに緊張しなくても良い。それでは、そなたの顔が見えぬではないか。
あの美しいアンドロメダ姫に会いたくてそなたを呼んだのに、意味が無い。
顔を上げよ!」
アシュラは恐る恐る顔を上げた。
「遠すぎて、顔が良く見えぬ。もっと近こう寄れ」
なぜだかわからないがその時、アシュラは体が強張って前へ進めなかった。
統治神の怒りが爆発するかと思いきや、統治神は震えるアシュラのもとへ自ら歩み寄り、次の瞬間、アシュラを抱きしめた。
「緊張しなくとも良い。あまりに素晴らしく美しいアンドロメダ姫だった。感動したぞ。それで褒美を与えようと思い、呼んだだけだ」
アシュラは思いがけない成り行きに、とまどいを隠せなかった。
しかしまじかで見る統治神の瞳は優しく、深い慈愛に満ちていた。
「ひとつだけだが、そなたの願いを叶えてあげよう。
どんな願いでも良い。言うてみい。私に不可能はない」
抱きしめたとき、統治神<シ>はアシュラが女性へと分化し、変性の過程にあることを確信した。
統治神<シ>はどう話を進めようかと、迷った。
噂では、厳しく怖いお方で、自分に逆らう者には情け容赦がないと言う。
「そんなに緊張しなくても良い。それでは、そなたの顔が見えぬではないか。
あの美しいアンドロメダ姫に会いたくてそなたを呼んだのに、意味が無い。
顔を上げよ!」
アシュラは恐る恐る顔を上げた。
「遠すぎて、顔が良く見えぬ。もっと近こう寄れ」
なぜだかわからないがその時、アシュラは体が強張って前へ進めなかった。
統治神の怒りが爆発するかと思いきや、統治神は震えるアシュラのもとへ自ら歩み寄り、次の瞬間、アシュラを抱きしめた。
「緊張しなくとも良い。あまりに素晴らしく美しいアンドロメダ姫だった。感動したぞ。それで褒美を与えようと思い、呼んだだけだ」
アシュラは思いがけない成り行きに、とまどいを隠せなかった。
しかしまじかで見る統治神の瞳は優しく、深い慈愛に満ちていた。
「ひとつだけだが、そなたの願いを叶えてあげよう。
どんな願いでも良い。言うてみい。私に不可能はない」
抱きしめたとき、統治神<シ>はアシュラが女性へと分化し、変性の過程にあることを確信した。
統治神<シ>はどう話を進めようかと、迷った。
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