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地上編 第3章 地球に集う光の戦士たち
第3話 少女シェリーと3人のイケメン天使 ①
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その日、ヨハネが戻ったのはかなり暗くなってからだった。
ヨハネにしては、珍しいなと思い入口のほうを見たルシファーは、そこに小さな女の子を抱いて立っているヨハネを見て驚いた。
セザールも(あの本名を名乗ろうとしない、生意気な天使らしき少年のことである)目を丸くして驚いていたが、女の子を気に入ったらしく、自分から近寄って行き、ニッコリ笑って、
「やあ、おチビちゃん、僕はセザール。
君の名前は?」
と少女に聞いた。
しかし少女の返事は、セザールが期待していたものとはかなり違っていた。
「おじさん誰?
知らない人に声をかけられても答えちゃいけないって、ママが言ってたから、シェリーは答えないの」
と云った。
おじさんと呼ばれて、セザールはかなり傷ついた。
「おじさんはないだろ?こんなハンサムなお兄さんに向かってさ・・・」
しかし少女は物おじもせず、きっぱりと言った。
「わたしのお兄ちゃんは、もっとハンサムだもん。
それにジュンスお兄さんも、もっとハンサムだもん」
それを見ていて、ルシファーは笑ってしまった。
しかしヨハネが爆発事故と、なぜこの少女を連れてきたかをルシファーに説明すると、
「なぜ、すぐ知らせなかったんだ!いくら私がフォースを封印にしているとはいえ、ふたり、いやこいつも入れると三人だ、三人なら救出できたはずだ!」
と、本当に怒った。
三人がピリピリした雰囲気で、これからどうするかを話していると、突然、少女は
「ママはどこなの? お兄ちゃんはどこなの?」
とべそをかき、
「シェリー、おなかがすいちゃったの。
でも先にケーキが食べたい。
今日はお兄ちゃんの誕生日で、ローソクに火とつけてケーキを食べるところだったのに、ケーキがなくなっちゃった! エーン!」
と大きな声で泣き出した。
ヨハネにしては、珍しいなと思い入口のほうを見たルシファーは、そこに小さな女の子を抱いて立っているヨハネを見て驚いた。
セザールも(あの本名を名乗ろうとしない、生意気な天使らしき少年のことである)目を丸くして驚いていたが、女の子を気に入ったらしく、自分から近寄って行き、ニッコリ笑って、
「やあ、おチビちゃん、僕はセザール。
君の名前は?」
と少女に聞いた。
しかし少女の返事は、セザールが期待していたものとはかなり違っていた。
「おじさん誰?
知らない人に声をかけられても答えちゃいけないって、ママが言ってたから、シェリーは答えないの」
と云った。
おじさんと呼ばれて、セザールはかなり傷ついた。
「おじさんはないだろ?こんなハンサムなお兄さんに向かってさ・・・」
しかし少女は物おじもせず、きっぱりと言った。
「わたしのお兄ちゃんは、もっとハンサムだもん。
それにジュンスお兄さんも、もっとハンサムだもん」
それを見ていて、ルシファーは笑ってしまった。
しかしヨハネが爆発事故と、なぜこの少女を連れてきたかをルシファーに説明すると、
「なぜ、すぐ知らせなかったんだ!いくら私がフォースを封印にしているとはいえ、ふたり、いやこいつも入れると三人だ、三人なら救出できたはずだ!」
と、本当に怒った。
三人がピリピリした雰囲気で、これからどうするかを話していると、突然、少女は
「ママはどこなの? お兄ちゃんはどこなの?」
とべそをかき、
「シェリー、おなかがすいちゃったの。
でも先にケーキが食べたい。
今日はお兄ちゃんの誕生日で、ローソクに火とつけてケーキを食べるところだったのに、ケーキがなくなっちゃった! エーン!」
と大きな声で泣き出した。
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