「光の天使」 光と影のシンフォニー

夢織人

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地上編 第3章 地球に集う光の戦士たち

第1話 名を明かさぬ謎の天使

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 あの奇妙な出会いから、すでに1週間が経っていた。

 どこからきたか聞くと、名前も聞いたことがないような星の名前を言う。
 よほど辺境から来たようだ。

 波動の調整もせず、動きまわろうとする。
 危なくて、とても目を離すわけにはゆかなかった。
 監視する必要もあり、謎の天使は、地球でルシファーとヨハネが暮らす家の居候となった。

 空から落ちてきた 謎の天使は、 やることなすことすべてが変わっていた。
 無礼なのか、 無礼でないのか、 測りかねるようなところがあった。
 まず名前だ。
 謎の天使は、自分の本当の名前を 決して明かそうとは しなかった。

「僕は今、休暇中なんだ。休暇中に、本当の名前は言えない。 仕事のことは忘れたいんだ」

「そうだな、その気持ちはわかる。 わたしも休職中なので、昔の肩書きでは呼ばれたくない。 せっかく自由になったのだから、ゆっくり休みたい。それなのに、お前が侵入してきただけで 、このありさまだ」

「おじさん」

「おじさんはやめろ! おじさん呼ばわりされるほど、わたしは 年をとっていない!」

 謎の天使は首をかしげながら、

「いいよ、僕はかまわないけど…、だけどおじさん何歳?」
と言いながら、何か不思議なヨガのようなポーズをとってみせた。

「そのポーズはなんなんだ?!」とルシファーが云うと、

「僕さァ、こう見えても踊りの名手なんだよ。踊りの練習。

 休暇が終わったら、大舞台が僕を待ってるんだ。やっぱり間違ったら、悪いからね。僕のせいで運命が変わってしまったら悪いだろ」

 変なことをいう奴だとルシファーは思ったが、口には出さなかった。
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