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地上編 第3章 地球に集う光の戦士たち
<プロローグ> 異変
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前宇宙連合防衛軍総司令官ルシファーと、現銀河防衛軍司令官であるヨハネは、その日、地球で異常な時空のゆがみが、突然発生したことを知り、急ぎ地上へ降り立った。
「何も変化はないようですが・・・・」
「お前の目はふしあなか? あれを見ろ」
その先に見えたのは、愚かにも空中を猛スピードで飛んでいる天使の姿だった。
「ここ何年も、この地球はツアーが許されていない。特別侵入禁止区域なのに、あのバカ者は、誰だ?」
「というより、なぜ侵入できたんでしょう? 時空移動星間キューブはここ何年も、夢魔の侵入を防ぐために閉じたままです。外部のものは誰も、この地球へは入れないはずです。それなのになぜ?!」
謎の侵入者である天使とおぼしき存在は、信じられないほどのスピードで天空を飛びまわり、そしてこちらへ突進してくる。
「おじさん、どいてよ!」
信じられないことに、その天使は先の宇宙連合防衛軍総司令官であり、「光の戦士」人気コンテストでいつも1位を独走する、光の戦士で一番の美形として有名な、あのルシファーさまのことを、平然と、「おじさん!」と、言ってのけた。
ヨハネには信じられないことだった。
このシチュエーションは初めての経験だった。
「わたしなら怖くて、決して言えない言葉だ」
ヨハネは心の中でそうつぶやいていた。しかしそれどころではなかった。
「おじさん、ぶつかるよ!」
と言いながら、謎の天使は本当にぶつかってきた。
たまたまフォースを、ルシファーが自ら封印していたこともあり、巨大フォースのぶつかり合いという事態は避けられたが、しかしそれでもやはりふたりとも、かなりの衝撃に包まれ、飛ばされた。
よりダメージが大きかったのは、ルシファーのほうだった。
フォースを使えないうえに、まったく無防備な状態で、異常とも思えるスピードで落ちてくる、謎の天使の直撃を受けたのだ。それは戦場で、敵のフォース爆弾の直撃を受けたも同然だった。そして固く鍵をかけていたはずの心のバリアーがその時、一瞬、解けた。
侵入者である謎の天使は、そのことに気づいていた。
「おじさん、大丈夫?」
と、覗き込む顔は、長いまつげに縁取られた、美しい顔立ちで、その瞳の色は珍しいエメラルドグリーンだった。
「何も変化はないようですが・・・・」
「お前の目はふしあなか? あれを見ろ」
その先に見えたのは、愚かにも空中を猛スピードで飛んでいる天使の姿だった。
「ここ何年も、この地球はツアーが許されていない。特別侵入禁止区域なのに、あのバカ者は、誰だ?」
「というより、なぜ侵入できたんでしょう? 時空移動星間キューブはここ何年も、夢魔の侵入を防ぐために閉じたままです。外部のものは誰も、この地球へは入れないはずです。それなのになぜ?!」
謎の侵入者である天使とおぼしき存在は、信じられないほどのスピードで天空を飛びまわり、そしてこちらへ突進してくる。
「おじさん、どいてよ!」
信じられないことに、その天使は先の宇宙連合防衛軍総司令官であり、「光の戦士」人気コンテストでいつも1位を独走する、光の戦士で一番の美形として有名な、あのルシファーさまのことを、平然と、「おじさん!」と、言ってのけた。
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「わたしなら怖くて、決して言えない言葉だ」
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「おじさん、ぶつかるよ!」
と言いながら、謎の天使は本当にぶつかってきた。
たまたまフォースを、ルシファーが自ら封印していたこともあり、巨大フォースのぶつかり合いという事態は避けられたが、しかしそれでもやはりふたりとも、かなりの衝撃に包まれ、飛ばされた。
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侵入者である謎の天使は、そのことに気づいていた。
「おじさん、大丈夫?」
と、覗き込む顔は、長いまつげに縁取られた、美しい顔立ちで、その瞳の色は珍しいエメラルドグリーンだった。
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