「光の天使」 光と影のシンフォニー

夢織人

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地上編 第2章 プリンス・チャーミングとジュンス

第19話 オーナーの妹ジュリアの新しいボーイフレンド ①

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「ラブリー、外出するわよ! 
 早く用意して」

 突然、プリンス・チャーミングの部屋へやってきたジュリアは、有無を言わせぬ勢いで、プリンス・チャーミングを外へ連れ出した。

「オーナーに許可をとらないと・・・」
と慌てふためき、プリンス・チャーミングはジュリアに言った。

 しかしジュリアはケラケラ笑いながら、
「バカねぇ~。規則なんて、破るためにあるのよ」
と、こともなげに言った。

 とはいっても、ジュリアはオーナーの許可を、ちゃんと先に取っていた。

「お兄様、私、今日、道場へ行くんだけど、ラブリーをボディーガード代わりに連れて行っていいかしら?」

「構わないが、彼ではかえって、足手まといになるのでは?」

「そうね、今はそうだけど、彼にしっかり仕込んでもらえば、きっと強くなると思うわ」と、ジュリアはウィンクしながら兄に言った。

「後で私の新しいボーイフレンドのことを、ラブリーからじっくり聞けるし、これはとってもお得な取引なんだから、ダメだなんて言わないでね」

「しかたがないから許すが、ラブリーには絶対、怪我をさせるなよ。
 彼はうちの看板ドールだ」

「わかってます、お兄さま」
と言いながら、ジュリアはまたウィンクした。

 オーナーに口答え出来る人間は、この世界でただひとり、ジュリアだけだった。





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