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地上編 第2章 プリンス・チャーミングとジュンス
第10話 チャールズの失脚に・・・
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留学時代の友人から、チャールズ・スペンサーが一緒に暮らしていた恋人のことで政界の重鎮であった父親と衝突し、その輝かしい後継者の地位を失った・・・と聞いたとき、ジュンスは友だちと一緒にチャールズの失脚を喜び、笑い飛ばす気にはなれなかった。むしろ複雑な気持ちになった。
突然、姿を消したプリンス・チャーミング。その身をあんじ、ジュンスが必死で彼を探していたとき、彼はチャールズ・スペンサーと一緒だったというのだ。それも恋人として暮らしていたと言う。
「俺も一度その恋人を見たことがあるが、本当にきれいなんだ。男とわかっていても、その気になってしまうぐらいにきれいだった。もっとも、チャールズが恐くて、誰も手出しはしないがな」
ジュンスはカチンときたが、味方を装い友人に言った。
「だったら今こそ、チャンスだろう。お前の家の財力を持ってすれば、チャールズの恋人だって簡単に囲えるはずだ」
そう言われて友人は嬉しそうだった。
「そうしたいところだが、残念ながら、それは出来そうもないんだ。と言うより、無理なんだ。ここだけの話だが、チャールズの恋人は、セレブ御用達の高級男娼として有名な青年で、下手に手を出したらこちらの命が危ないと言われている」
ジュンスがプリンス・チャーミングに再び会えたのは、熱い夏が過ぎて、秋も深まり、枯葉が舞う季節になってからだった。
突然、姿を消したプリンス・チャーミング。その身をあんじ、ジュンスが必死で彼を探していたとき、彼はチャールズ・スペンサーと一緒だったというのだ。それも恋人として暮らしていたと言う。
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