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地上編 第2章 プリンス・チャーミングとジュンス
第8話 プリンス・チャーミングと会えなくなり、彼を探すジュンス
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図書館へ行っても、博物館へ行っても、なぜかプリンス・チャーミングの姿は無く、ジュンスはラブリーとずっと会えない日々が続いていた。
ジュンスはプリンス・チャーミングとクラブ以外の場所で偶然を装い会い続けていたのだ。とうぜん二人の心の距離は急速に近づいていった。そしていつしかジュンスはプリンス・チャーミングのことをラブリーと呼ぶようになっていた。
クラブの外で会うラブリーは、サーシャに負けないくらいに美しく、そして純粋さも持ち合わせた不思議な存在だった。見ているだけでジュンスは幸せな気持ちになれた。だからジュンスはプリンス・チャーミングの身に何か起こったのかもしれないと心配した。
クラブ遊びなど好きではなかったのだが、クラブ・パラダイスの客となり、プリンス・チャーミングのことをそれとなくドールたちに聞いて回った。
驚いたことにこのひと月は、プリンス・チャーミングの姿を見かけたものは誰ひとりとしていなかった。しかしここでは良くあることなのだという。特別な仕事で出かける場合、そのようなこともあるのだという。
プリンス・チャーミングは相手は誰なのかはわからないが、この夏は特別な客と一緒にバケーションに出かけたと聞いていると話した。
結局、それ以上のことは判らずじまいだった。
それから一月も経った頃、ジュンスは避暑地のパーティーで、ヨーロッパ留学時代の友人と何年かぶりに出会った。
そしてチャールズ・スペンサーの驚くべき噂話をジュンスは聞いた。
「チャールズは今、サーシャ似のきれいな男の子と一緒に暮らしているらしいんだ。
びっくりだろ? まさかチャールズがゲイだったとは驚きだよ」
ジュンスはプリンス・チャーミングとクラブ以外の場所で偶然を装い会い続けていたのだ。とうぜん二人の心の距離は急速に近づいていった。そしていつしかジュンスはプリンス・チャーミングのことをラブリーと呼ぶようになっていた。
クラブの外で会うラブリーは、サーシャに負けないくらいに美しく、そして純粋さも持ち合わせた不思議な存在だった。見ているだけでジュンスは幸せな気持ちになれた。だからジュンスはプリンス・チャーミングの身に何か起こったのかもしれないと心配した。
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