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第4話 惑星テラの秘密
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惑星テラは、宇宙の中心から遠く離れた銀河系にある、ほとんど忘れさられた、宇宙連合の実験惑星だった。
まだ宇宙連合に加入を許されていないことからもわかるように、分類的には孤立した、後進文明の星だった。しかしそれなのに、危険極まり無い核兵器はすでに開発されていて、おびただしい数の核兵器が、テラには備蓄されていた。
実はこの星は、過去の古代文明において、すでに2回も核兵器が使用されていた。
そのたびに大地は深く傷つき、エデンと呼ばれた楽園は失われ、文明も失われたのだった。
現在の文明は、宇宙連合のエデン計画において、3番目に用意されていたプログラムで、金・銀・銅と表現された文明計画において、一番レベルが低いとされた銅の文明だった。
「またお前と組めて、嬉しいよ。だからこそ確かめたいことがある」
と、ヘルメスは立ち止まり、真剣な表情でセーヤに言った。
「お前はもう今は、俺の部下ではない。だからこそ、気になるんだ。
噂は本当なのか? お前の所属する部隊は、あのソラリス直属の暗殺部隊“シヴァ”なのか?」
セーヤは一瞬、凍りついたような表情を見せたが、やがて子どものような笑みをうかべて、ヘルメスに言った。
「確かに今、僕が所属するのは、ソラリス直属の部隊シヴァですが、シヴァ隊は古代芸術であるシヴァの舞を研究し、次の世代へ継承する舞踊隊です」
セーヤは精一杯の平静を装ってそう言ったが、その指は少し震えていた。
セーヤは動揺すると、その心の動揺が、中指の微妙な動きとなって出ることを、ヘルメスは知っていた。ヘルメスはそれ以上は追求しなかったが、今回の職務の難しさと状況の厳しさを知るには十分だった。
「ところでお前はあの伝説の舞である、“破壊と創造の舞”を踊れるのか?」
その問いにセーヤは、
「まだ踊ったことは無いです。可能なら、一生踊りたくない伝説の舞です」
と答えた。
まだ宇宙連合に加入を許されていないことからもわかるように、分類的には孤立した、後進文明の星だった。しかしそれなのに、危険極まり無い核兵器はすでに開発されていて、おびただしい数の核兵器が、テラには備蓄されていた。
実はこの星は、過去の古代文明において、すでに2回も核兵器が使用されていた。
そのたびに大地は深く傷つき、エデンと呼ばれた楽園は失われ、文明も失われたのだった。
現在の文明は、宇宙連合のエデン計画において、3番目に用意されていたプログラムで、金・銀・銅と表現された文明計画において、一番レベルが低いとされた銅の文明だった。
「またお前と組めて、嬉しいよ。だからこそ確かめたいことがある」
と、ヘルメスは立ち止まり、真剣な表情でセーヤに言った。
「お前はもう今は、俺の部下ではない。だからこそ、気になるんだ。
噂は本当なのか? お前の所属する部隊は、あのソラリス直属の暗殺部隊“シヴァ”なのか?」
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「確かに今、僕が所属するのは、ソラリス直属の部隊シヴァですが、シヴァ隊は古代芸術であるシヴァの舞を研究し、次の世代へ継承する舞踊隊です」
セーヤは精一杯の平静を装ってそう言ったが、その指は少し震えていた。
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