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第2話 深夜の森の出来事
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人里離れた深夜の森に、ひとり佇む少年がいた。
髪の色は光に包まれたように輝く金色で、長いまつげに縁取られた宝石のように美しい瞳は深いグリーンだった。しかし特筆すべきはその美しい肢体だった。立っているだけで、美しい彫像のように見えるその姿は、見る者の心を奪った。
誰かを待っているのか、少年はその場所から一歩も動こうとせず、その瞳は漆黒の闇をじっと見つめていた。
夜半も過ぎた頃、漆黒の闇に小さな灯のような光の輪が突然出現した。
そして次の瞬間には、まばゆいばかりの光となり、地震のような振動と共に、ひとりの青年が姿を現した。
「ヘルメスさま、お待ちしておりました」
そう言うと、深々とお辞儀をしたのち、少年は青年に駆け寄った。
青年は近づいてくる少年を見て驚いた。
そこにいたのは、かつての部下だったからだ。青年はある噂を聞いていたので、少年がここにいることがまったく信じられなかった。
「久しぶりだな、セーヤ。風の便りで、お前の噂は聞いていた」
と青年はかつての部下に懐かしそうに言った。
「あのシヴァ部隊にリクルートされたと聞いていたのだが、それがなぜここに?」
シヴァ部隊は特別な部隊で、この宇宙の最高行政機関である惑星ソラリスにある“元老院”直属の部隊だった。
部隊シヴァは、謎に包まれた部隊で、出動するのは、この宇宙で惑星が崩壊するときのみ。そして舞の名手が集まっていた。部隊シヴァは破壊と創造を担当する特殊部隊で、そのトップはこの宇宙の最高統治者の集まりと言える、惑星ソラリス元老院の構成員であるグランドマスターたちから寵愛を受けることが多かった。
しかし現在、部隊シヴァのトップは不在で、誰がその地位に就くのか注目されていた。
髪の色は光に包まれたように輝く金色で、長いまつげに縁取られた宝石のように美しい瞳は深いグリーンだった。しかし特筆すべきはその美しい肢体だった。立っているだけで、美しい彫像のように見えるその姿は、見る者の心を奪った。
誰かを待っているのか、少年はその場所から一歩も動こうとせず、その瞳は漆黒の闇をじっと見つめていた。
夜半も過ぎた頃、漆黒の闇に小さな灯のような光の輪が突然出現した。
そして次の瞬間には、まばゆいばかりの光となり、地震のような振動と共に、ひとりの青年が姿を現した。
「ヘルメスさま、お待ちしておりました」
そう言うと、深々とお辞儀をしたのち、少年は青年に駆け寄った。
青年は近づいてくる少年を見て驚いた。
そこにいたのは、かつての部下だったからだ。青年はある噂を聞いていたので、少年がここにいることがまったく信じられなかった。
「久しぶりだな、セーヤ。風の便りで、お前の噂は聞いていた」
と青年はかつての部下に懐かしそうに言った。
「あのシヴァ部隊にリクルートされたと聞いていたのだが、それがなぜここに?」
シヴァ部隊は特別な部隊で、この宇宙の最高行政機関である惑星ソラリスにある“元老院”直属の部隊だった。
部隊シヴァは、謎に包まれた部隊で、出動するのは、この宇宙で惑星が崩壊するときのみ。そして舞の名手が集まっていた。部隊シヴァは破壊と創造を担当する特殊部隊で、そのトップはこの宇宙の最高統治者の集まりと言える、惑星ソラリス元老院の構成員であるグランドマスターたちから寵愛を受けることが多かった。
しかし現在、部隊シヴァのトップは不在で、誰がその地位に就くのか注目されていた。
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