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第1章
王女ルナの恋 ⑱ ソヨンは小生意気なガキ、ルークに心から感謝した。
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「あの子は、誰のいうことも、たぶん聞かないわ。
一緒に逃げてきた、レイア姫と呼ばれるあの少年の言うことは別だけど・・・」
旧知の間柄である元大統領のSPジェウクに、ソヨンは率直な感想を言った。
「居場所がわかっているのに、なぜ連れて帰らないの?」
「連れ戻しても、また逃げるからさ。これで、三度目なんだ。
それも同じ少年とばかり、逃げている」
元大統領のSP、ジェウクはそう答えながらため息をついた。
「相手が毎回違うなら、連れ戻せばそれで済むことだが、いつも同じ相手だから、どうすることもできないんだ」
特に今回は、二人を探し出すのにずいぶん苦労した。
もう少しで間に合わないところだった」
ソヨンはジェウクに同情したが、ソヨンにとっては幸運以外の何者でもなかった。
「警戒して、また逃げなければいいんだが・・・」
ジェウクは心配そうにそうつぶやいた。
しかしソヨンは降ってわいたような幸運を喜んだ。
あのふたりをプロジェクトに入れておけば、苦労することなくジェウクをプロジェクトに参加させることが出来るのだ。ルークを護るために、必ずジェウクはついてくるはずだった。
ニーナは信用できないが、ジェウクは戦力として確実にカウントできた。
ジェウクはオファーしても、獲得不可能なほどのトップレベルの傭兵とも言えた。
ソヨンは小生意気なガキ、ルークに心から感謝した。
一緒に逃げてきた、レイア姫と呼ばれるあの少年の言うことは別だけど・・・」
旧知の間柄である元大統領のSPジェウクに、ソヨンは率直な感想を言った。
「居場所がわかっているのに、なぜ連れて帰らないの?」
「連れ戻しても、また逃げるからさ。これで、三度目なんだ。
それも同じ少年とばかり、逃げている」
元大統領のSP、ジェウクはそう答えながらため息をついた。
「相手が毎回違うなら、連れ戻せばそれで済むことだが、いつも同じ相手だから、どうすることもできないんだ」
特に今回は、二人を探し出すのにずいぶん苦労した。
もう少しで間に合わないところだった」
ソヨンはジェウクに同情したが、ソヨンにとっては幸運以外の何者でもなかった。
「警戒して、また逃げなければいいんだが・・・」
ジェウクは心配そうにそうつぶやいた。
しかしソヨンは降ってわいたような幸運を喜んだ。
あのふたりをプロジェクトに入れておけば、苦労することなくジェウクをプロジェクトに参加させることが出来るのだ。ルークを護るために、必ずジェウクはついてくるはずだった。
ニーナは信用できないが、ジェウクは戦力として確実にカウントできた。
ジェウクはオファーしても、獲得不可能なほどのトップレベルの傭兵とも言えた。
ソヨンは小生意気なガキ、ルークに心から感謝した。
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