聖なる者~王女ルナの恋

夢織人

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第1章

王女ルナの恋 ⑭ 家出少年部隊の頭脳レイアは恋人ルークを心配した。

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 レイアは複雑な気持ちだった。

 少年たちはすでに、初任務にしては高額過ぎる報酬に心を奪われ仕事を引き受ける気持ちになっていた。しかしレイアが交渉して引き上げた報酬額を、ニーナがあっさり飲んだということは、それだけ危険な仕事だと云うことだった。

 ロシアのウクライナ侵攻で、資産凍結の憂き目に遭い、破産寸前のロシア富豪は多かった。ニーナも破産寸前の状態にあるはずだった。
 成功しても失敗しても、捨て石にされる可能性が高かった。
 しかし仲間は、もう大金を手にしたつもりで浮かれている。
 特にルークが心配だった。彼は身体能力が際だって高い。彼が先頭に立ち、部隊を引っ張ってゆくことになるのは、明らかだった。 

 彼は困ったことに、黙っていても目立つ存在なのに、なぜかそれでは満足せず、もっと目立とうとする癖があった。それでは真っ先に敵の標的にされ、死ぬことになる。
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