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第1章
王女ルナの恋 ⑦ ロシア富豪の娘ニーナと秘密捜査官ソヨンは学生時代から続く恋のライバルだった。
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「ダメです。事前予約無しでは、社長には会えません」
外で秘書と誰かが揉めているようだった。
しかしこの鉄壁の警備を誇る人材派遣会社に、
『どうやって事前予約無しに入ってこれたのか?』
と、ニーナは訝かしんだ。
「何事なの?」
とニーナは秘書に内線で問いかけた。
「私よ、ニーナ。大学で同期だったソヨン」
と、秘書とは違う人物が答えた。
「ソヨン?」
「そう、ソヨン。あなた私にヘッドハンティングのオファーをしたことを忘れたの?」
「それにしても、あなたの実力は認めるけれど、派手にやってくれたわね」
今頃になって、賊が侵入したと連絡が入ってきたところだった。
「あなたの人材派遣会社、表向きはITセキュウリティーの派遣会社だけれど、本当は紛争地に傭兵を派遣しているのよね。それにしては、お粗末だわ」
「仕方がないでしょ。私の家族はプーチンとはまるで関係無いのに、ウクライナ侵攻のおかげで、関係のない私達まで、資産凍結の憂き目にあったのだから・・・」
「それでみんな、めぼしい人材は、逃げて行ってしまった・・・ってことなのね。
それで私に、白羽の矢・・・ってこと?」
とソヨンは、ロシア富豪の娘であり、留学時代の天敵ニーナにあきれたように言った。
「今度のプロジェクトは、仕事とは関係の無い、個人的なプロジェクトなの。
でもリールイに関係のあるプロジェクトだから、あなたは断れない。
あなたは未だに独身。リールイのことを、れられずにいる。そうなんでしょ?」
ニーナとソヨンは、学生時代、リールイの愛を巡って熾烈な恋のバトルを繰り広げた。結局、この闘いに勝者は無く、そのままリールイは母国へ戻り、消息を絶ったのだった。ソヨンが秘密捜査機関の情報分析官に応募したのは、リールイの消息を知るためでもあった。
「あなたがリールイの情報を秘かに探っていたのは、知っていたわ」
とニーナは冷ややかな笑みを浮かべながら、ソヨンに言った。
「私も知っていたわ。あなたが秘かにリールイの情報を集めていることを・・・」
と、ソヨンも負けずに言い返した。
外で秘書と誰かが揉めているようだった。
しかしこの鉄壁の警備を誇る人材派遣会社に、
『どうやって事前予約無しに入ってこれたのか?』
と、ニーナは訝かしんだ。
「何事なの?」
とニーナは秘書に内線で問いかけた。
「私よ、ニーナ。大学で同期だったソヨン」
と、秘書とは違う人物が答えた。
「ソヨン?」
「そう、ソヨン。あなた私にヘッドハンティングのオファーをしたことを忘れたの?」
「それにしても、あなたの実力は認めるけれど、派手にやってくれたわね」
今頃になって、賊が侵入したと連絡が入ってきたところだった。
「あなたの人材派遣会社、表向きはITセキュウリティーの派遣会社だけれど、本当は紛争地に傭兵を派遣しているのよね。それにしては、お粗末だわ」
「仕方がないでしょ。私の家族はプーチンとはまるで関係無いのに、ウクライナ侵攻のおかげで、関係のない私達まで、資産凍結の憂き目にあったのだから・・・」
「それでみんな、めぼしい人材は、逃げて行ってしまった・・・ってことなのね。
それで私に、白羽の矢・・・ってこと?」
とソヨンは、ロシア富豪の娘であり、留学時代の天敵ニーナにあきれたように言った。
「今度のプロジェクトは、仕事とは関係の無い、個人的なプロジェクトなの。
でもリールイに関係のあるプロジェクトだから、あなたは断れない。
あなたは未だに独身。リールイのことを、れられずにいる。そうなんでしょ?」
ニーナとソヨンは、学生時代、リールイの愛を巡って熾烈な恋のバトルを繰り広げた。結局、この闘いに勝者は無く、そのままリールイは母国へ戻り、消息を絶ったのだった。ソヨンが秘密捜査機関の情報分析官に応募したのは、リールイの消息を知るためでもあった。
「あなたがリールイの情報を秘かに探っていたのは、知っていたわ」
とニーナは冷ややかな笑みを浮かべながら、ソヨンに言った。
「私も知っていたわ。あなたが秘かにリールイの情報を集めていることを・・・」
と、ソヨンも負けずに言い返した。
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