上 下
3 / 14
第1章 光の天使 神界編

光の女神の覚醒にミトラは・・・

しおりを挟む
「なぜであろう?
 あの者が、女神として覚醒したと聞いたが、本当であろうか?」

 ミトラの問いに、情報相であるオリオンは、
「本当でございます。すでに統治神“シ”のもとへ嫁ぐ日も決まったようです」
と答えた。

「そうであったか・・・。しかしなぜなんだろう?
 あの者は光の戦士の試験にみごと合格し、戦士として活躍していたと聞いていた。
 遺伝子を操作して無理やりにあの者を女神に変成させることは、いくらなんでもしないだろうと思っていたのだが・・・」

「操作はしていないようです。
 時間はかかりましたが、自然にときが満ち、心も体も女神へと変成していったようだと聞きました。
 本人は恥ずかしかったのか、ずっと隠していたようなのですが、ついに隠しようがなくなる日が来て、本人も覚醒したことを認め、女神の園へ連れて行かれたと聞きます」

「それでも婚礼はあまりに急なのではないか?」

「たぶん女神さまをほかの者の誘惑から隔離するためでしょう」

「とは?」

「これは公にされていませんが、このたびの覚醒は女神さまが誰かに恋をしたからだと、言われています。
 恋をしなければ、覚醒は無かったと言われています」

「生まれた時から定められていた婚約者ではなく、他のものと恋をしたのか?」

「はい、さようでございます。ただお相手のかたは、女神さまの気持ちを知らなかったようなのです」

「それですぐ、隔離なのだな」

「はい。ただ心を寄せていただけでしたから、お許しになったようです。
 それで結婚前にもかかわらず、女神の園へ、すぐに
お連れになったそうです」
しおりを挟む

処理中です...