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さあ、特訓開始だ!!
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「よし、まずは「大皿」からだな...」
「あ、ちょっと待って。グリップが違うよ」
「グリップ?」
「ごめん。説明が先の方がよかったよね。けん玉の持ち方を「グリップ」、技のことを「トリック」っていうよ」
「じゃあ、どうするんだよ?」
「うん、大皿や中皿、小皿のトリックをするときは「皿グリップ」っていってこうやって持つよ!」
「よし。持ち方も教わったし今度こそ」
玉は真っ直ぐに上がったが、大皿に乗ったと思ったらすぐに落ちてしまった。
そこで流時郎アドバイス2
「メチャメチャ大事なことを一つ。けん玉をする上でいちばん大切な体の部分ってどこだと思う?」
「うーん、手で持ってるからなー。手首とか!?」
「そうだね。正しいグリップじゃないとキレイに見えないよね。でも実はココがいちばん重要なんだ」
「マジか。膝なんだな」
「That’s right!コツは膝を下ろして玉を安定させる→膝と腰を中心に体全体で玉を上げる→皿に乗った玉をもう一度膝を下ろして衝撃を抑える。じゃあやってごらん。最初は難しいけど習うより慣れろ!体が覚えてくれるよ」
流時郎のダブルアドバイスの通りやってみた。もう何回チャレンジしたか覚えてないけど、奇跡的に大皿に乗った。
「よっしゃ、オレってもしかして天才!?」
「何事も諦めないって大事だよね」
オレのけん玉デビューに二人で盛り上がっているとき、向こうから明らかにチャランポランな男が近づいてきた。けん玉は上手いけど、ケンカ慣れしていない流時郎。ソレに気づいたオレは無意識に前に出ていた。
「おいお前、見るからにヤバそうな奴だなケンカなら上等だ。厨房だからってナメんなよ」
「うわあああん。暴力ヘンタイ!アレストしてもらいますよ」
「アレスト?流時郎、ソレもけん玉用語か」
「ううん、アレストは英語で「逮捕」っていう意味だよ」
「ナイス説明。流石元世界チャンピオンの息子さんです」
「え?もしかして知り合い?」
「この人は中頭春文(なかずはるふみ)さん。地元のけん玉界では「ゆる~いテクニシャン」と呼ばれているんだ」
「なんだよ。それなら早く言えよ」
「だってキミが勘違いするから......」
「ハイハイ。言い合いはそこまでデェ~っす。もう、こんなか弱い人の前で口喧嘩なんてしないで下さいよ~」
「流時郎、この人「あたおか」か?」
「どうかな。でも実力は確かだよ」
「おや、あんさんのけん玉赤く輝いてはりますなぁ。ひょっとして無自覚のコアラーですかいな?」
「そうなんです、中頭さん。ルビーに選ばれたんですよ」
「あのさー前から気になってたんだけど、「コアラー」ってナンダ?新種の動物か?」
「あお~ん。今のは犬の遠吠えならず中頭の遠吠えです。コアラーに関しては流時郎さんのおじぃが詳しいのです。それでは玉木家へレッツだgo!」
(いちいちテンションやばいなこの人......)
「あ、ちょっと待って。グリップが違うよ」
「グリップ?」
「ごめん。説明が先の方がよかったよね。けん玉の持ち方を「グリップ」、技のことを「トリック」っていうよ」
「じゃあ、どうするんだよ?」
「うん、大皿や中皿、小皿のトリックをするときは「皿グリップ」っていってこうやって持つよ!」
「よし。持ち方も教わったし今度こそ」
玉は真っ直ぐに上がったが、大皿に乗ったと思ったらすぐに落ちてしまった。
そこで流時郎アドバイス2
「メチャメチャ大事なことを一つ。けん玉をする上でいちばん大切な体の部分ってどこだと思う?」
「うーん、手で持ってるからなー。手首とか!?」
「そうだね。正しいグリップじゃないとキレイに見えないよね。でも実はココがいちばん重要なんだ」
「マジか。膝なんだな」
「That’s right!コツは膝を下ろして玉を安定させる→膝と腰を中心に体全体で玉を上げる→皿に乗った玉をもう一度膝を下ろして衝撃を抑える。じゃあやってごらん。最初は難しいけど習うより慣れろ!体が覚えてくれるよ」
流時郎のダブルアドバイスの通りやってみた。もう何回チャレンジしたか覚えてないけど、奇跡的に大皿に乗った。
「よっしゃ、オレってもしかして天才!?」
「何事も諦めないって大事だよね」
オレのけん玉デビューに二人で盛り上がっているとき、向こうから明らかにチャランポランな男が近づいてきた。けん玉は上手いけど、ケンカ慣れしていない流時郎。ソレに気づいたオレは無意識に前に出ていた。
「おいお前、見るからにヤバそうな奴だなケンカなら上等だ。厨房だからってナメんなよ」
「うわあああん。暴力ヘンタイ!アレストしてもらいますよ」
「アレスト?流時郎、ソレもけん玉用語か」
「ううん、アレストは英語で「逮捕」っていう意味だよ」
「ナイス説明。流石元世界チャンピオンの息子さんです」
「え?もしかして知り合い?」
「この人は中頭春文(なかずはるふみ)さん。地元のけん玉界では「ゆる~いテクニシャン」と呼ばれているんだ」
「なんだよ。それなら早く言えよ」
「だってキミが勘違いするから......」
「ハイハイ。言い合いはそこまでデェ~っす。もう、こんなか弱い人の前で口喧嘩なんてしないで下さいよ~」
「流時郎、この人「あたおか」か?」
「どうかな。でも実力は確かだよ」
「おや、あんさんのけん玉赤く輝いてはりますなぁ。ひょっとして無自覚のコアラーですかいな?」
「そうなんです、中頭さん。ルビーに選ばれたんですよ」
「あのさー前から気になってたんだけど、「コアラー」ってナンダ?新種の動物か?」
「あお~ん。今のは犬の遠吠えならず中頭の遠吠えです。コアラーに関しては流時郎さんのおじぃが詳しいのです。それでは玉木家へレッツだgo!」
(いちいちテンションやばいなこの人......)
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