上 下
6 / 7

完全に屈服してしまいました。 前編 (6)

しおりを挟む
 バスタブにはまだお湯も水も入っていなかった。
 田中はシャワーヘッドを持つと蛇口をひねった。
 ぬるめのお湯の粒が葵の体に降り注ぐ、葵の冷え切った肌にそれは十分な熱を与えてくれる。
 寧ろ心地がいいくらいだった。

「熱くはないかい?」

 声をあげる気力もなく葵が頷くと、田中は「そうですか」と笑って、葵にバスタブのへりに手をつくように命じた。
 髪を濡らさないように、田中は葵の体にお湯をかけ、長いあいだ同じ態勢を取らされていた葵の体をほぐすように、手のひらを動かす。
 床に押し付けられ、無理な体制を取らされていた首から、膝の裏で固定された腕と拘束された腕に引っ張られていた肩を無理に押すような真似はしない。

「ああう!」

 胸をなでられるついでに乳首を悪戯につままれると、葵の体は素直に喘ぎ声を上げた。
 普段であれば、無理やり出させなければ、出さない喘ぎ声を上げた葵の反応に笑みを深めると、田中は更に下に向かって手を滑らせていく。

「ひあ、ふああ」

 腹を押すように撫でられ、葵は悲鳴じみた声を上げた。
 田中の手が腹を上下に動かす度に、空になった腹がまだ何かを出そうと蠢き、まことに痛みを訴えた。

「い、いやあ、や、やめてください……」
「おや?やめて欲しいのかい?」
「お、お願い……」
「やめて欲しい?君のここは随分元気みたいですが?」
「あ、ああ、ううう」

 先ほどから勃ち上がっている性器にシャワーを浴びせられる。
 自分のものが今どんな状態になっているのかが、鮮明に頭の中に浮かび上がるのと同時に、やわい刺激は張り詰めた葵の性感帯をもどかしく刺激した。
 気持ちが良いけど、これじゃあ、いけない。

「あ、ああ、んん、あ、や、やだ……」

 葵はつかまったへりに顔を押し付けて動いているのかよく分からないほど弱々しく頭をふった。
 優しく弱々しい刺激は残酷に葵を苦しめた。

「やめてぇ、いやだ……もう、イかせて下さい」
「すみません。虐めすぎましたね」

 シャワーヘッドをバスタブの底に置くと、田中は手を伸ばして葵の性器を優しく握り、首筋に歯を立てた。
「あ、っはあ!」

 首筋を噛まれるのと同時に性器を握りこまれると、視界の先でちりちりと火花が爆ぜるように光と影が入り乱れる。
 火花が爆ぜる度に、体中を痺れるような感覚が走り抜ける。
 自分の首筋を噛んでいる田中に寄りかかって体を仰け反らせる。

「ひ、ひう、は、はあ、ああ、っはあん、っふ、ふうあ、っはあ、っふう、んん、っはあ、っふ」

 自分に尻を打ち付けるように腰を振っている葵の頭を撫でると、田中は性器を握った手を性器に沿って上下に動かした。
「あ、ああ、っふうあ、んん、っやあ、あああああああああん!」

 田中の手に包まれた葵の性器が白濁した液を飛ばす。
 全身の筋肉が一気に筋肉を緊張し、筋肉の緊張がいっせいにとかれる。
 心地よい脱力感が葵の体を包み込み、意識を飲み込んだ。

 つづく
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

モルモットの生活

麒麟
BL
ある施設でモルモットとして飼われている僕。 日々あらゆる実験が行われている僕の生活の話です。 痛い実験から気持ち良くなる実験、いろんな実験をしています。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

上司と俺のSM関係

雫@3日更新予定あり
BL
タイトルの通りです。

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

処理中です...