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探求 学者編
遺跡の魔物と遭遇する
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その部屋は本当に何もない部屋であった。
それほど大きくも無いし、1秒も観察すれば物がないのが分かるくらいだ。
何せ目に見える先に扉が見える。
だがその扉は何故か隙間だらけであった。
「おそらく風の吸い込みの為に開けてあるのだろうな」
頭にタンコブを拵えたエリスさんが考察する。
「その思慮を自分が行動した場合にも向けてくれないかなぁ」
とりあえず僕は武器として剣に手を掛けながら、エリスさんに必要以上に前に出るなと手で制しながら扉に近づく。
スカスカの扉越しに向こう側を見ると、そこも明かりがついた通路のようであった。
扉に付いてある取っ手を掴むと、特に鍵などは掛かっていないことが分かったので、僕はエリスさんに視線を向けて頷きあうとそっと扉を開けて通路に進み出る。
「ほー! 朽ちた様子もない通路……。これは当たりかもしれないぞサボ!」
「なんで後衛職がサッサかと前に出ちゃうんですか!?」
アイコンタクトだけじゃあ、この人には伝わらないというのかっ!
僕は前に出てしまったエリスさんを庇おうと――足音に気づいた!
「エリスさん!」
「分かった!」
さすがに今回は理解してくれたのか、その足音が聞こえた方とは僕を挟んで逆側――つまり僕の背後に移動する。
僕は剣の鞘を持ちつつ、念のためにマジックバッグにも意識を向ける。
エリスさんも僕の後ろで杖を抜いたのが気配で分かった。
そうして身構えている僕達の前に現れたのは――
「ゴーレム、ですか」
機械仕掛けの魔物だった。
「遺跡の魔物ですか」
「私の認識では、アレも遺物なんだが」
遺物フェチの駄エルフは放っておいて、僕は剣ではなくマジックバッグから目当てのモノを手探りで探す。バッグの中を漁る手がその柄を触ったのを感じた僕は、ソレを一気に抜き出した。
それは綺麗な木目を備えた柄を持つ――
「――棍棒?」
「ただの棍棒じゃないですよ? 木工スキルで『合板』にして『圧縮』も掛けた棍棒です!」
「それはやはり、ただの棍棒だろう?」
「何を言うんですか! コストパフォーマンスに優れた、超! 優良武器ですよ!」
『ブガ、ピー?』とゴーレムが首を傾げた気もするが、僕は気にしない!
『ブビガガピー、ブ?』
ゴーレムが僕達の目の前で停止した。
「なんでしょうかエリスさん?」
「わからん。私も動いているゴーレムを自分の目で見るのは初めてだからな」
僕はエリスさんに問いかけるも、エリスさんにも訳が分からない様子であった。
『ブガガ、ピー!』
しばらく止まっていたゴーレムだが、何やら音を発したと思ったらこちらに向かってきた。
「応戦します!」
「――っく、止むをえまい! 戦闘を許可する!」
この人、本気で一瞬悩まなかったか?
僕は棍棒を構えるとゴーレムとの戦闘を開始した。
それほど大きくも無いし、1秒も観察すれば物がないのが分かるくらいだ。
何せ目に見える先に扉が見える。
だがその扉は何故か隙間だらけであった。
「おそらく風の吸い込みの為に開けてあるのだろうな」
頭にタンコブを拵えたエリスさんが考察する。
「その思慮を自分が行動した場合にも向けてくれないかなぁ」
とりあえず僕は武器として剣に手を掛けながら、エリスさんに必要以上に前に出るなと手で制しながら扉に近づく。
スカスカの扉越しに向こう側を見ると、そこも明かりがついた通路のようであった。
扉に付いてある取っ手を掴むと、特に鍵などは掛かっていないことが分かったので、僕はエリスさんに視線を向けて頷きあうとそっと扉を開けて通路に進み出る。
「ほー! 朽ちた様子もない通路……。これは当たりかもしれないぞサボ!」
「なんで後衛職がサッサかと前に出ちゃうんですか!?」
アイコンタクトだけじゃあ、この人には伝わらないというのかっ!
僕は前に出てしまったエリスさんを庇おうと――足音に気づいた!
「エリスさん!」
「分かった!」
さすがに今回は理解してくれたのか、その足音が聞こえた方とは僕を挟んで逆側――つまり僕の背後に移動する。
僕は剣の鞘を持ちつつ、念のためにマジックバッグにも意識を向ける。
エリスさんも僕の後ろで杖を抜いたのが気配で分かった。
そうして身構えている僕達の前に現れたのは――
「ゴーレム、ですか」
機械仕掛けの魔物だった。
「遺跡の魔物ですか」
「私の認識では、アレも遺物なんだが」
遺物フェチの駄エルフは放っておいて、僕は剣ではなくマジックバッグから目当てのモノを手探りで探す。バッグの中を漁る手がその柄を触ったのを感じた僕は、ソレを一気に抜き出した。
それは綺麗な木目を備えた柄を持つ――
「――棍棒?」
「ただの棍棒じゃないですよ? 木工スキルで『合板』にして『圧縮』も掛けた棍棒です!」
「それはやはり、ただの棍棒だろう?」
「何を言うんですか! コストパフォーマンスに優れた、超! 優良武器ですよ!」
『ブガ、ピー?』とゴーレムが首を傾げた気もするが、僕は気にしない!
『ブビガガピー、ブ?』
ゴーレムが僕達の目の前で停止した。
「なんでしょうかエリスさん?」
「わからん。私も動いているゴーレムを自分の目で見るのは初めてだからな」
僕はエリスさんに問いかけるも、エリスさんにも訳が分からない様子であった。
『ブガガ、ピー!』
しばらく止まっていたゴーレムだが、何やら音を発したと思ったらこちらに向かってきた。
「応戦します!」
「――っく、止むをえまい! 戦闘を許可する!」
この人、本気で一瞬悩まなかったか?
僕は棍棒を構えるとゴーレムとの戦闘を開始した。
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