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探求 学者編
庶民感覚のない人だった
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「はい。エリス教授の依頼を受けられるという事ですね?」
何故か走り出そうとするエリスさんの首根っこを掴み、僕は冒険者ギルドの受付にて依頼の処理をお願いしていた。
「そうです」
「――ちなみにパーティの方はどちらに?」
「僕はソロなので1人だけです。……この依頼でパーティーを組んでいる冒険者が雇えると思ってます?」
「……いえ、まったく」
途中から小声で話す僕と受付の職員。当の本人はというと――
「サボー? もう準備は出来たか―? 出来たら早く行くぞ~!」
絶賛、僕の腕の距離で暴れていた。
たぶん早く遺跡に行きたいのだろう。餌を目の前にぶら下げられた馬の如く、このまま手を放したら僕を置いて一直線に遺跡に行きかねない勢いだった。
「もうちょっと待っててくださいね~。――相談用の個室って借りれますか?」
正直エリスさんは阿呆ではないのだろうが、それでも人目のあるところで会話をしているとヤバイ墓穴を掘りそうな雰囲気がある。
そこで僕はどこの冒険者ギルドでも大体作られている相談用の個室を借りられるか聞いてみた。
「今は――空いてますね。お二人なら小さな部屋でも大丈夫でしょう。1時間銀貨5枚頂きます」
ぐうう、た、高い。
しかしギルド内に作られた個室はかなり防音性が高く作られているはずなので、内密の依頼や相談事などをするのに持って来いの場所なのだ。
僕が今泊っているレベルの宿の部屋などでは、隣の部屋に話し声が聞こえてしまう可能性もあるため、この暴走馬車の如き様子を見せるエリスさんとの会話をするのは非常に不安でしかない。
僕が内心で葛藤をしながら財布の中身と相談していると、僕が掴んでいた腕の中で暴れることを止めたエリスさんが僕の横に並んだ。
「なんだ相談が必要だったのか? なら私が立て替えておこう」
エリスさんはサラッとそう言うと、自分の懐から革袋を取り出して中から硬貨を取り出し――ちょっと待て。
僕はカウンターに置かれた金貨を摘まんだエリスさんの指ごと自分の手で上から覆い隠すと、そのままそっとエリスさんの手を取って、エリスさんがもう片方の手に持っている革袋の中に誘導した。
「何をする?」と不満顔を浮かべるエリスさんだが、僕はその顔を無視すると自分の財布から銀貨を5枚掴んでカウンターに並べた。
「それじゃあ1時間お借りします」
「はい。それじゃあ奥へどうぞ」と受付の人に相談室の鍵と砂時計を渡されると、僕はエリスさんの手を取ってギルドの奥に作られた相談室へと移動した。
「おい! おいサボ!」と何やら後ろで声が聞こえるが、僕は相談室の中に入って扉を閉めるまでは返事をしなかった。
*
「まったく。いったい何を相談したいというのだサボは? 私は一刻も早く遺跡に向かいたいのだが?」
私、早く行きたいんです。と顔に書いてあるエリスさんだが、ひとまずは大人しく相談室内に備え付けられた椅子に腰掛けてくれた。
ふぅー……。
「――いや、馬鹿なんですか?」
「いきなり罵倒だと!?」
しまった。思わず本心が出てしまった。
僕に「馬鹿」と言われたエリスさんは目を丸くして、『なんで言われたの!?』という表情をしていた。
「別に冒険者ギルドの中で金貨でのやり取りが全く無い訳じゃないですけど、これ見よがしに金貨を使わないでください。最悪、素行の悪い冒険者に目を付けられることだってあるんですから」
冒険者ギルドに係わらずどこの店でも同じことだが、会計で金貨を出す等、その人が金貨を持っていることが分かれば魔が差す人が居ないとも限らない。
「だが銀貨や銅貨にすると嵩張るだろう? 金貨なら枚数も少なく済むから便利じゃないか」
「それはたぶん、貴族とかの考え方じゃないかなぁ? そもそも街中で食事をする時や買い物の時なんかには銀貨とか銅貨を使うでしょう、エリスさんだって?」
金貨で持ち歩くのが合理的だと言うエリスさんに、僕は普段日常の事を思い返してほしいと伝える。
だが、この人は僕の想像を超えていた人だったのだ。
「食事や買い物? 基本食事は『学院』で済ませていたし、買い物も特にはしたことがないな? 着ている服や実験に使う器具だって、そもそも『学院』で調達できるから貨幣を使った記憶が無いな? ……う~ん、森を出てから街に着いた頃ぐらいなものか?」
自分で金を使ったことが無い人!……いや、昔には使ったことがあるようだが。
僕が頭を抱えていると、ポンっと手を叩いてエリスさんが「分かった!」と声を上げた。
「金貨で支払うと両替の手数料を取られるのだな? そしてその手数料を狙って悪党が近づいてくる、と。いやいや、なるほどなぁ。世の中というのは生きづらいものなのだな」
「しみじみと分かった様な雰囲気を出さないでください! 全然! 違います!」
僕はエリスさんの勘違いを正し、貨幣の価値を伝え、身の安全に関わってくる事も伝えた。
たった1枚の金貨を狙って殺人すら犯す人も世の中には居るのだと。
この説明だけで、1時間用の砂時計の砂が半分落ちたよ!
「ふむふむ、なるほど……。サボの心配はよく分かった。私が迂闊な行動をしていたのも理解した。だが、末席とは言え私もレダの『学院』の教授に籍を置く者だ。故にこういったモノも持っているのだよ! じゃーん! マジックボックス~!」
はいアウトーッ! やはり相談室を借りて良かったよ。
目の前にいるエリスさんは腰に付けた小型の箱から、そのサイズからはあり得ない長さの杖を抜き出しながら自分の口ではっきりと「マジックボックス~!」と宣言しよりましたわ。(僕も若干混乱し始めていた)
冒険者垂涎の収納系マジックアイテムを堂々と宣言するんじゃない!
持っている人物が、上位冒険者並みに戦闘能力が高いという知名度でもなければ、マジックバックやマジックボックス(箱タイプは僕も初めて見た)といった収納能力を持ったマジックアイテムというのは、持っていると狙われることがある。
それゆえ所持している者はパーティーメンバーにだけ伝えたりするぐらいで、そういった物を持っているということ自体を秘匿しようとするものだ。
僕の持っているマジックバックも古びた外観のカバンなので、必要以上に綺麗にはしていなかったりする。
だから、決して声を大に、見せびらかすように披露するものではないのだ!
僕は金貨に引き続き、そういった希少価値の高い装備品や装飾などがある場合は、なるべく目立たないように使う事をエリスさんに約束させた。
まあ、自分の身に危険が迫った時などには仕方が無い部分もあるものだけども。
その約束の直後に、先程取り出した杖にも希少価値が付くようなマジックアイテムだったことから、エリスさんへの『説明と言う名の説教』の時間が伸びたのは、まあ、仕方が無いことだと思う。
何故か走り出そうとするエリスさんの首根っこを掴み、僕は冒険者ギルドの受付にて依頼の処理をお願いしていた。
「そうです」
「――ちなみにパーティの方はどちらに?」
「僕はソロなので1人だけです。……この依頼でパーティーを組んでいる冒険者が雇えると思ってます?」
「……いえ、まったく」
途中から小声で話す僕と受付の職員。当の本人はというと――
「サボー? もう準備は出来たか―? 出来たら早く行くぞ~!」
絶賛、僕の腕の距離で暴れていた。
たぶん早く遺跡に行きたいのだろう。餌を目の前にぶら下げられた馬の如く、このまま手を放したら僕を置いて一直線に遺跡に行きかねない勢いだった。
「もうちょっと待っててくださいね~。――相談用の個室って借りれますか?」
正直エリスさんは阿呆ではないのだろうが、それでも人目のあるところで会話をしているとヤバイ墓穴を掘りそうな雰囲気がある。
そこで僕はどこの冒険者ギルドでも大体作られている相談用の個室を借りられるか聞いてみた。
「今は――空いてますね。お二人なら小さな部屋でも大丈夫でしょう。1時間銀貨5枚頂きます」
ぐうう、た、高い。
しかしギルド内に作られた個室はかなり防音性が高く作られているはずなので、内密の依頼や相談事などをするのに持って来いの場所なのだ。
僕が今泊っているレベルの宿の部屋などでは、隣の部屋に話し声が聞こえてしまう可能性もあるため、この暴走馬車の如き様子を見せるエリスさんとの会話をするのは非常に不安でしかない。
僕が内心で葛藤をしながら財布の中身と相談していると、僕が掴んでいた腕の中で暴れることを止めたエリスさんが僕の横に並んだ。
「なんだ相談が必要だったのか? なら私が立て替えておこう」
エリスさんはサラッとそう言うと、自分の懐から革袋を取り出して中から硬貨を取り出し――ちょっと待て。
僕はカウンターに置かれた金貨を摘まんだエリスさんの指ごと自分の手で上から覆い隠すと、そのままそっとエリスさんの手を取って、エリスさんがもう片方の手に持っている革袋の中に誘導した。
「何をする?」と不満顔を浮かべるエリスさんだが、僕はその顔を無視すると自分の財布から銀貨を5枚掴んでカウンターに並べた。
「それじゃあ1時間お借りします」
「はい。それじゃあ奥へどうぞ」と受付の人に相談室の鍵と砂時計を渡されると、僕はエリスさんの手を取ってギルドの奥に作られた相談室へと移動した。
「おい! おいサボ!」と何やら後ろで声が聞こえるが、僕は相談室の中に入って扉を閉めるまでは返事をしなかった。
*
「まったく。いったい何を相談したいというのだサボは? 私は一刻も早く遺跡に向かいたいのだが?」
私、早く行きたいんです。と顔に書いてあるエリスさんだが、ひとまずは大人しく相談室内に備え付けられた椅子に腰掛けてくれた。
ふぅー……。
「――いや、馬鹿なんですか?」
「いきなり罵倒だと!?」
しまった。思わず本心が出てしまった。
僕に「馬鹿」と言われたエリスさんは目を丸くして、『なんで言われたの!?』という表情をしていた。
「別に冒険者ギルドの中で金貨でのやり取りが全く無い訳じゃないですけど、これ見よがしに金貨を使わないでください。最悪、素行の悪い冒険者に目を付けられることだってあるんですから」
冒険者ギルドに係わらずどこの店でも同じことだが、会計で金貨を出す等、その人が金貨を持っていることが分かれば魔が差す人が居ないとも限らない。
「だが銀貨や銅貨にすると嵩張るだろう? 金貨なら枚数も少なく済むから便利じゃないか」
「それはたぶん、貴族とかの考え方じゃないかなぁ? そもそも街中で食事をする時や買い物の時なんかには銀貨とか銅貨を使うでしょう、エリスさんだって?」
金貨で持ち歩くのが合理的だと言うエリスさんに、僕は普段日常の事を思い返してほしいと伝える。
だが、この人は僕の想像を超えていた人だったのだ。
「食事や買い物? 基本食事は『学院』で済ませていたし、買い物も特にはしたことがないな? 着ている服や実験に使う器具だって、そもそも『学院』で調達できるから貨幣を使った記憶が無いな? ……う~ん、森を出てから街に着いた頃ぐらいなものか?」
自分で金を使ったことが無い人!……いや、昔には使ったことがあるようだが。
僕が頭を抱えていると、ポンっと手を叩いてエリスさんが「分かった!」と声を上げた。
「金貨で支払うと両替の手数料を取られるのだな? そしてその手数料を狙って悪党が近づいてくる、と。いやいや、なるほどなぁ。世の中というのは生きづらいものなのだな」
「しみじみと分かった様な雰囲気を出さないでください! 全然! 違います!」
僕はエリスさんの勘違いを正し、貨幣の価値を伝え、身の安全に関わってくる事も伝えた。
たった1枚の金貨を狙って殺人すら犯す人も世の中には居るのだと。
この説明だけで、1時間用の砂時計の砂が半分落ちたよ!
「ふむふむ、なるほど……。サボの心配はよく分かった。私が迂闊な行動をしていたのも理解した。だが、末席とは言え私もレダの『学院』の教授に籍を置く者だ。故にこういったモノも持っているのだよ! じゃーん! マジックボックス~!」
はいアウトーッ! やはり相談室を借りて良かったよ。
目の前にいるエリスさんは腰に付けた小型の箱から、そのサイズからはあり得ない長さの杖を抜き出しながら自分の口ではっきりと「マジックボックス~!」と宣言しよりましたわ。(僕も若干混乱し始めていた)
冒険者垂涎の収納系マジックアイテムを堂々と宣言するんじゃない!
持っている人物が、上位冒険者並みに戦闘能力が高いという知名度でもなければ、マジックバックやマジックボックス(箱タイプは僕も初めて見た)といった収納能力を持ったマジックアイテムというのは、持っていると狙われることがある。
それゆえ所持している者はパーティーメンバーにだけ伝えたりするぐらいで、そういった物を持っているということ自体を秘匿しようとするものだ。
僕の持っているマジックバックも古びた外観のカバンなので、必要以上に綺麗にはしていなかったりする。
だから、決して声を大に、見せびらかすように披露するものではないのだ!
僕は金貨に引き続き、そういった希少価値の高い装備品や装飾などがある場合は、なるべく目立たないように使う事をエリスさんに約束させた。
まあ、自分の身に危険が迫った時などには仕方が無い部分もあるものだけども。
その約束の直後に、先程取り出した杖にも希少価値が付くようなマジックアイテムだったことから、エリスさんへの『説明と言う名の説教』の時間が伸びたのは、まあ、仕方が無いことだと思う。
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