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故郷 過去編
青空『スキル取得』教室
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無事に洗濯場の工事は完了し、もうその日はなにもやる気が起きなくて実家の方で寝かせてもらうこととした。
まあマロン姉に『温泉』の排水として接続した小川までの水路を発見されて、それよりも小川の上流から生活に使う水を引いてくる水路を作らされたけどね。こっそりと母も便乗して我が家の人だけしか知らない水場工事もさせられたけども。
とりあえず体力を使い切った僕は死んだように眠りにつき、翌日、差し込む朝日によって頭が覚醒するまでの間睡眠時間を確保することに成功したのだった。
*
「おはよう~」
のそりのそりと実家の居間に向かうと、そこには料理をする母とその手伝いをするルイスの姿があった。
「おはようサボ」
「おはようサボ兄ちゃん」
さて我が家の父は? というと起きてテーブルに座っているのが見える。
その姿が若干霞んで見えてしまうのは仕方ないことだ。
何せ母はツヤツヤしているが、父はシオシオなのだ。この姿の時の父にあまり深い詮索をしてはいけない。僕が実家に居る時からの『オヤクソク』というやつなのだ。
「お? お、おはようサボ~」
それでも挨拶を返してくれる父であった。
「おはよう父さん。昨日は疲れたね」
僕の言葉――正確には『昨日』の部分にビクリと体が震える父。
「あ、ああ。工事は大変だったな」
――その言い方だと、工事以外の何かがあったような口ぶりになってるよ父さん?
とりあえず朝食が出来たということなので、まずはいただきます。
蒸した芋と野菜スープ。我が家の定番メニューだ。
肉類は狩りをしてきた翌日ぐらいしか出てくることはないのだ。
「そういやあの女の人達の食事ってどうしてるんだ?」
スープを口に運びながら父が言う。芋→スープ→芋のサイクルで食べるのが正解のメニューだ。
そういや一度、僕がまだ村に居る時にマロン姉が家に来た時、芋→芋→芋で連続して食べて、口の中の水分を取られて飲み込めなかった時があったなぁ。
それを見たエド兄さんが爆笑して殴られていたのは自業自得だろう。
「一応僕の家の周囲に作った畑、芋は埋まっているはずなんだけど、そういや食べられる芋出来てるかな? 後で様子を見に行ってくるよ」
村を出る直前にある程度ほったらかしに出来る芋を植えて、それなりの量を収穫した後に畑の脇に穴を掘って芋を埋めていたのだ。
穴の周りをそこそこ石で囲んでおいてから埋めたので、よほどのことがない限り水に浸かって悪くなることなんてないだろう処置をしたつもりだった。
「あ~、やっぱりアレはサボ兄ちゃんの仕業かぁ」
仕業ってルイス言い方!
「畑じゃないところにも大量の芋が出来ててびっくりしたんだよ?」
「あ~、それはその~……驚かせてごめんね?」
昨日の時点ルイスが女性達に芋の場所を教えておいてくれたらしい。ちなみに野菜類は埋まっていないからしばらくは芋料理だけになってしまうだろうけども。
「ご近所さん達が昨日のお礼にって、自分達で作った野菜を差し入れしてくれているから大丈夫じゃないかな?」
そう言った母。――そういえば今食べている野菜スープに、ウチでは作っていない野菜の姿があるような?
ホクホク顔で美味しそうに料理を食べている母に無粋なツッコミを入れられるわけもなく、僕は淡々と朝食を食べることに専念した。
*
「え? 父さんも体術スキルを覚えたい?」
朝食を食べ終えて、僕は僕の家――そういやドンガ村に帰ってきたのに、僕自身が僕の家を使ったのって台所くらいだな?――に出向いて、アサ達と同じように女性達にもスキル取得をしてもらおうと家の前に整列してもらっているところに父がやってきたのだ。
どうも青空『スキル取得』教室の噂を耳にしたらしい。
おそらく出所は女性陣に混ざって立っているエド兄さんとマロン姉辺りだろう。
そこから母辺りに伝わって、父の耳に届いたのだろうな、と僕は予想した。
「おう。俺もこの歳で戦う気なんか起きないが、スキル『補正』の恩恵が受けられるなら習っておきたいからな」
「……まあ、やるだけやってみる?」
「? なんかどうでもよさ気な雰囲気がするんだ? まあ、俺も参加させてもらうってことで」
そう言ってウキウキとした足取りで列に加わる父。
「準備出来たぞ~」
「――それじゃあ力を抜いてリラックスしてくださいね。サポートスキル『補助』」
僕はスキル発動を意識する。
事前に女性達には説明をしていたが、僕のサポートスキルは僕に対する信頼感がないと効果が薄いと言ってある。
とは言っても僕自身に対する人としての信頼ではなく、あくまでもスキル効果に対する信頼の方だ。
『サポートスキルの効果を信じて』と意識してくれれば、各段に効果が上がるのだ。
なにせ――
「僕に続いてやってください。1、2、1、2」
「「「1、2、1、2――!」」」
「な、なにこれ!?」
「自分の体なのに、自分の体じゃないみたい!」
「ええ!? 私ぶきっちょって言われてたのに!」
自分の体が普段意識しているよりも、数段上にキレているからだ。
そりゃあスキル所有者と同じ動きをすれば、違いなんかすぐに分かる。
だって自分自身で体験している訳だからね?
エド兄さんもマロン姉も体が動かすのが楽しいのか笑顔で拳や足を振るっている。
……そういや土魔法スキルを覚える前のマロン姉は村一番の行動派だったな。次点にエド兄さんが居たが、それはマロン姉に引っ張られているのが原因だった。
「ん、ん~?」
全員が困惑と笑顔の中、ただ一人悩む人が居た。
「どうかした父さん?」
そう父だ。
「いや、サボのスキルの効果を疑っている訳じゃないんだけどな?――いや、この効果範囲がデカいのには驚いているが――実際、普段よりも体が動かしやすい気はするし。スキル効果が俺にも掛かっているのは実感出来るんだが……」
「あー、効果が薄い?」
「そう……、確かにそうだな。俺はサボのスキルは信じているつもりだったが、心のどこかでサボの事を信じ切れていないのか?」
何やら悩み始めた父に、僕はおそらくそうなるだろうなと思っていた。
「あ~、その~、非常に言いにくい事なんだけどね?」
「……なんだ?」
「お父さん、すでに体術スキルを持ってるんだよね?」
・
・
・
「な、なんだってー!!」
「実はここに来るまでに実験してみたんだけども、どうやら身体強化スキルって体術スキルの派生スキルらしいんだよ」
実はアサ達に内緒で、最初は身体強化スキルを覚えさせられないか試していたのだ。
荷車を押す時にこっそりとサポートスキル『補助』を使って。
結果、アサ達は体術スキルを覚えるまで身体強化スキルを覚えることは出来なかったのだ。
ただ他の派生スキルと違い、体術スキルをレベル1まで上げれば身体強化スキルを使える様になっていたので、世の中の人はそれぞれのスキルを別個に捉えているようなのだけれども。
「お父さん、昔何かの理由で素手で戦った事ない?」
『効果が薄い』と言われたこともあり、父だけは僕の動きの模倣を止めて記憶を探っているようだった。
「あー、ちょっと待てよ……。あるわ、駆け出しの頃ゴブリンと素手で殴りあったことが」
「たぶん、その時だね。父さんが体術スキルを覚えたのって。命がけの死闘とかすると覚えることもあるみたいだよ? あと冒険者同士の酒に酔っての殴り合いとか」
僕の言葉に父がちょっと視線を逸らす。どうもどちらも経験していたらしい。
「え? 私達も戦わされるんですか?」
女性達の顔に動揺が浮かぶ。
どうやら僕と父の会話から、そういった連想をしてしまったらしい。
だがそんなことはない。なぜならば――
「大丈夫だよー!」
「私達ごぶりん? とか魔物を倒したことないもん!」
「サボにーの真似してたら出来る様になった」
僕のサポートスキルの力で体術スキルを覚えられたアサ達が居るからだ。
アサの言葉に母親達、そして周りの女性に安堵の意識が広がる。
「たしか、スキルの物真似が上手いヤツがそのスキルを覚えられたって話もあったな、そういえば」
父の言葉に不安を感じている人は居なくなったようだ。
「それで、サボ? 俺って体術スキルのレベルはいくつなんだ?」
「ん~? スキル技『鑑定』……レベル4だね。身体強化スキルはレベル3」
うんうんと頷いている父。それよりも僕はまだ教えている最中なんだから、アレコレと頼まないでほしい。
「そうかそうか。……ん?」
頷いている父が止まる。
「どうかしたの?」
「……体術スキルレベル4の俺が『動きやすい』って感じたんだよな?」
「まあ自分の事だから間違いはないんじゃないかな?」
「……。サボ、聞いていいのか分からんが、お前の体術スキルのレベルはいくつなんだ?」
父の言葉に僕は自分に向けてスキル技『鑑定』を使う。
「えーっと……。体術スキルレベル5だね」
しばらくみんなの体を動かす音だけが聞こえてくる。
ピーヒョロロと鳥の声が聞こえてきて――
「――はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
父のどでかい声が辺り一面に響き渡ることとなったのだ。
うるさいよ父さん?
まあマロン姉に『温泉』の排水として接続した小川までの水路を発見されて、それよりも小川の上流から生活に使う水を引いてくる水路を作らされたけどね。こっそりと母も便乗して我が家の人だけしか知らない水場工事もさせられたけども。
とりあえず体力を使い切った僕は死んだように眠りにつき、翌日、差し込む朝日によって頭が覚醒するまでの間睡眠時間を確保することに成功したのだった。
*
「おはよう~」
のそりのそりと実家の居間に向かうと、そこには料理をする母とその手伝いをするルイスの姿があった。
「おはようサボ」
「おはようサボ兄ちゃん」
さて我が家の父は? というと起きてテーブルに座っているのが見える。
その姿が若干霞んで見えてしまうのは仕方ないことだ。
何せ母はツヤツヤしているが、父はシオシオなのだ。この姿の時の父にあまり深い詮索をしてはいけない。僕が実家に居る時からの『オヤクソク』というやつなのだ。
「お? お、おはようサボ~」
それでも挨拶を返してくれる父であった。
「おはよう父さん。昨日は疲れたね」
僕の言葉――正確には『昨日』の部分にビクリと体が震える父。
「あ、ああ。工事は大変だったな」
――その言い方だと、工事以外の何かがあったような口ぶりになってるよ父さん?
とりあえず朝食が出来たということなので、まずはいただきます。
蒸した芋と野菜スープ。我が家の定番メニューだ。
肉類は狩りをしてきた翌日ぐらいしか出てくることはないのだ。
「そういやあの女の人達の食事ってどうしてるんだ?」
スープを口に運びながら父が言う。芋→スープ→芋のサイクルで食べるのが正解のメニューだ。
そういや一度、僕がまだ村に居る時にマロン姉が家に来た時、芋→芋→芋で連続して食べて、口の中の水分を取られて飲み込めなかった時があったなぁ。
それを見たエド兄さんが爆笑して殴られていたのは自業自得だろう。
「一応僕の家の周囲に作った畑、芋は埋まっているはずなんだけど、そういや食べられる芋出来てるかな? 後で様子を見に行ってくるよ」
村を出る直前にある程度ほったらかしに出来る芋を植えて、それなりの量を収穫した後に畑の脇に穴を掘って芋を埋めていたのだ。
穴の周りをそこそこ石で囲んでおいてから埋めたので、よほどのことがない限り水に浸かって悪くなることなんてないだろう処置をしたつもりだった。
「あ~、やっぱりアレはサボ兄ちゃんの仕業かぁ」
仕業ってルイス言い方!
「畑じゃないところにも大量の芋が出来ててびっくりしたんだよ?」
「あ~、それはその~……驚かせてごめんね?」
昨日の時点ルイスが女性達に芋の場所を教えておいてくれたらしい。ちなみに野菜類は埋まっていないからしばらくは芋料理だけになってしまうだろうけども。
「ご近所さん達が昨日のお礼にって、自分達で作った野菜を差し入れしてくれているから大丈夫じゃないかな?」
そう言った母。――そういえば今食べている野菜スープに、ウチでは作っていない野菜の姿があるような?
ホクホク顔で美味しそうに料理を食べている母に無粋なツッコミを入れられるわけもなく、僕は淡々と朝食を食べることに専念した。
*
「え? 父さんも体術スキルを覚えたい?」
朝食を食べ終えて、僕は僕の家――そういやドンガ村に帰ってきたのに、僕自身が僕の家を使ったのって台所くらいだな?――に出向いて、アサ達と同じように女性達にもスキル取得をしてもらおうと家の前に整列してもらっているところに父がやってきたのだ。
どうも青空『スキル取得』教室の噂を耳にしたらしい。
おそらく出所は女性陣に混ざって立っているエド兄さんとマロン姉辺りだろう。
そこから母辺りに伝わって、父の耳に届いたのだろうな、と僕は予想した。
「おう。俺もこの歳で戦う気なんか起きないが、スキル『補正』の恩恵が受けられるなら習っておきたいからな」
「……まあ、やるだけやってみる?」
「? なんかどうでもよさ気な雰囲気がするんだ? まあ、俺も参加させてもらうってことで」
そう言ってウキウキとした足取りで列に加わる父。
「準備出来たぞ~」
「――それじゃあ力を抜いてリラックスしてくださいね。サポートスキル『補助』」
僕はスキル発動を意識する。
事前に女性達には説明をしていたが、僕のサポートスキルは僕に対する信頼感がないと効果が薄いと言ってある。
とは言っても僕自身に対する人としての信頼ではなく、あくまでもスキル効果に対する信頼の方だ。
『サポートスキルの効果を信じて』と意識してくれれば、各段に効果が上がるのだ。
なにせ――
「僕に続いてやってください。1、2、1、2」
「「「1、2、1、2――!」」」
「な、なにこれ!?」
「自分の体なのに、自分の体じゃないみたい!」
「ええ!? 私ぶきっちょって言われてたのに!」
自分の体が普段意識しているよりも、数段上にキレているからだ。
そりゃあスキル所有者と同じ動きをすれば、違いなんかすぐに分かる。
だって自分自身で体験している訳だからね?
エド兄さんもマロン姉も体が動かすのが楽しいのか笑顔で拳や足を振るっている。
……そういや土魔法スキルを覚える前のマロン姉は村一番の行動派だったな。次点にエド兄さんが居たが、それはマロン姉に引っ張られているのが原因だった。
「ん、ん~?」
全員が困惑と笑顔の中、ただ一人悩む人が居た。
「どうかした父さん?」
そう父だ。
「いや、サボのスキルの効果を疑っている訳じゃないんだけどな?――いや、この効果範囲がデカいのには驚いているが――実際、普段よりも体が動かしやすい気はするし。スキル効果が俺にも掛かっているのは実感出来るんだが……」
「あー、効果が薄い?」
「そう……、確かにそうだな。俺はサボのスキルは信じているつもりだったが、心のどこかでサボの事を信じ切れていないのか?」
何やら悩み始めた父に、僕はおそらくそうなるだろうなと思っていた。
「あ~、その~、非常に言いにくい事なんだけどね?」
「……なんだ?」
「お父さん、すでに体術スキルを持ってるんだよね?」
・
・
・
「な、なんだってー!!」
「実はここに来るまでに実験してみたんだけども、どうやら身体強化スキルって体術スキルの派生スキルらしいんだよ」
実はアサ達に内緒で、最初は身体強化スキルを覚えさせられないか試していたのだ。
荷車を押す時にこっそりとサポートスキル『補助』を使って。
結果、アサ達は体術スキルを覚えるまで身体強化スキルを覚えることは出来なかったのだ。
ただ他の派生スキルと違い、体術スキルをレベル1まで上げれば身体強化スキルを使える様になっていたので、世の中の人はそれぞれのスキルを別個に捉えているようなのだけれども。
「お父さん、昔何かの理由で素手で戦った事ない?」
『効果が薄い』と言われたこともあり、父だけは僕の動きの模倣を止めて記憶を探っているようだった。
「あー、ちょっと待てよ……。あるわ、駆け出しの頃ゴブリンと素手で殴りあったことが」
「たぶん、その時だね。父さんが体術スキルを覚えたのって。命がけの死闘とかすると覚えることもあるみたいだよ? あと冒険者同士の酒に酔っての殴り合いとか」
僕の言葉に父がちょっと視線を逸らす。どうもどちらも経験していたらしい。
「え? 私達も戦わされるんですか?」
女性達の顔に動揺が浮かぶ。
どうやら僕と父の会話から、そういった連想をしてしまったらしい。
だがそんなことはない。なぜならば――
「大丈夫だよー!」
「私達ごぶりん? とか魔物を倒したことないもん!」
「サボにーの真似してたら出来る様になった」
僕のサポートスキルの力で体術スキルを覚えられたアサ達が居るからだ。
アサの言葉に母親達、そして周りの女性に安堵の意識が広がる。
「たしか、スキルの物真似が上手いヤツがそのスキルを覚えられたって話もあったな、そういえば」
父の言葉に不安を感じている人は居なくなったようだ。
「それで、サボ? 俺って体術スキルのレベルはいくつなんだ?」
「ん~? スキル技『鑑定』……レベル4だね。身体強化スキルはレベル3」
うんうんと頷いている父。それよりも僕はまだ教えている最中なんだから、アレコレと頼まないでほしい。
「そうかそうか。……ん?」
頷いている父が止まる。
「どうかしたの?」
「……体術スキルレベル4の俺が『動きやすい』って感じたんだよな?」
「まあ自分の事だから間違いはないんじゃないかな?」
「……。サボ、聞いていいのか分からんが、お前の体術スキルのレベルはいくつなんだ?」
父の言葉に僕は自分に向けてスキル技『鑑定』を使う。
「えーっと……。体術スキルレベル5だね」
しばらくみんなの体を動かす音だけが聞こえてくる。
ピーヒョロロと鳥の声が聞こえてきて――
「――はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
父のどでかい声が辺り一面に響き渡ることとなったのだ。
うるさいよ父さん?
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