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秋の夜、貴方をこの腕に
2-③*
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奏人に誘われるままベッドに倒れこんで、数度口づけを交わした。暁斗の首に回された細い腕が、熱を帯びてくる。求められるのが嬉しいやら、奏人が可愛いやらで、暁斗もすっかりのぼせてしまい、夢中で舌を絡め合った。湿った音が部屋の中に響く。
「あ、キスだけでいきそう」
口を離して呟くと、奏人はだめだめ、と笑いを含んだ声で囁いた。
「僕の中でいって」
「ほんとにそれでいいの?」
「暁斗さんが怖くないなら」
身体が火照って、理性が吹き飛びそうだった。挿れられた時の昂りとは種類が違う。より本能的な興奮のように感じて、暁斗は自分が雄であることを意識した。
「きつ過ぎたらやめて、いくらでも何とかしてあげるから」
奏人に言われて、こちらが気遣われてどうする、と暁斗は思わず苦笑した。痛かったらやめるからと、いつも奏人が声をかけてくれるように、こちらが労わるべき場面なのに。
「えっと、痛かったら言ってください」
暁斗が遅ればせながら言うと、奏人はにっこり笑った。胸の中を熱くした暁斗は、彼はいついかなる時も自分の天使だと思う。
暁斗はローションを少し足してから、そろりと先を奏人の入り口にあてがった。奏人はくふふ、と興奮した笑い声を洩らす。
「暁斗さん、まるで童貞……」
「セカンドチェリーだからな」
暁斗も可笑しくなりながら、腰をゆっくり沈めた。締めつけは強く、暁斗は経験の無い快感に背筋がぞくぞくしたが、奏人が辛くないかどうかが心配だ。
「ああ、暁斗さんでいっぱいになる……」
奏人は吐息混じりに言った。大丈夫だから続けたらいいとアピールしてくれている。そうだったと、ときめき混じりに暁斗は思う。奏人を受け入れた時、ゆっくり進めば驚くほど何ともないのだと知った。人間の身体は不思議である。
熱いものに包まれる刺激で、頭の中がぼんやりしてきた。手や口で愛撫を受けるのとは違う。暁斗は思わず今の気持ちを垂れ流す。
「奏人さん、気持ち良過ぎて無理……」
「我慢我慢、まだ全部入ってないよ」
奏人が笑いながら腰をぴくっと動かした。暁斗は先を絞られる感覚にうあっ、と叫ぶ。鳥肌が全身に立ったように思えた。
暁斗は背中を撫でられながら、耳のそばで愛しい声を聞く。
「もう、暁斗さんは挿れても挿れさせても可愛いから困るなぁ……はい、腰使ってみて」
そんな余裕は無い。こんな状態で動けば、自爆するようなものである。奏人の顔を見ると、彼は少し目を細めて微笑していた。上に来ても下になっても、この魔物からベッドでイニシアチブを奪うことはできないらしい。暁斗はちょっと悔しい。
暁斗は声にならない掠れた音を喉から出しながら、ゆっくり動く。完全に入り切っていないが、十分だった。奏人の中は熱く柔らかくて、普段クールな彼から想像できないくらい、暁斗を暴力的に締め上げてくる。
「ん、あっ……すごくいい、ああっ」
そんな風に言われ、首に強くしがみつかれて、暁斗も細い背中をぎゅっと抱きしめた。力が強くならないようにセーブしたが、暁斗は奏人の声が聞きたくて、夢中で突き上げる。その度にローションがぐちゅっと音を立てた。
「あっ、暁斗さん……」
確かに女性を抱くのと体勢はさほど変わらないが、硬く張り詰めた奏人のものが腹に押しつけられるのは、初めての感覚である。ちょこんと熱く濡れた先をくっつけてくる奏人のそれが、何となく愛おしくなってきた。少し腰を落として、腹筋で擦り上げてやると、奏人は声を上げて頭を反らせた。
もし奏人が中もいいならば、とんでもない快感になる筈だった……暁斗は下になる時、まだ中の良さを十分理解していないこともあって、何処がどんな快感を受け止めているのかわからなくなってしまう。今奏人もそんな状態なのだろうか。
「あ、キスだけでいきそう」
口を離して呟くと、奏人はだめだめ、と笑いを含んだ声で囁いた。
「僕の中でいって」
「ほんとにそれでいいの?」
「暁斗さんが怖くないなら」
身体が火照って、理性が吹き飛びそうだった。挿れられた時の昂りとは種類が違う。より本能的な興奮のように感じて、暁斗は自分が雄であることを意識した。
「きつ過ぎたらやめて、いくらでも何とかしてあげるから」
奏人に言われて、こちらが気遣われてどうする、と暁斗は思わず苦笑した。痛かったらやめるからと、いつも奏人が声をかけてくれるように、こちらが労わるべき場面なのに。
「えっと、痛かったら言ってください」
暁斗が遅ればせながら言うと、奏人はにっこり笑った。胸の中を熱くした暁斗は、彼はいついかなる時も自分の天使だと思う。
暁斗はローションを少し足してから、そろりと先を奏人の入り口にあてがった。奏人はくふふ、と興奮した笑い声を洩らす。
「暁斗さん、まるで童貞……」
「セカンドチェリーだからな」
暁斗も可笑しくなりながら、腰をゆっくり沈めた。締めつけは強く、暁斗は経験の無い快感に背筋がぞくぞくしたが、奏人が辛くないかどうかが心配だ。
「ああ、暁斗さんでいっぱいになる……」
奏人は吐息混じりに言った。大丈夫だから続けたらいいとアピールしてくれている。そうだったと、ときめき混じりに暁斗は思う。奏人を受け入れた時、ゆっくり進めば驚くほど何ともないのだと知った。人間の身体は不思議である。
熱いものに包まれる刺激で、頭の中がぼんやりしてきた。手や口で愛撫を受けるのとは違う。暁斗は思わず今の気持ちを垂れ流す。
「奏人さん、気持ち良過ぎて無理……」
「我慢我慢、まだ全部入ってないよ」
奏人が笑いながら腰をぴくっと動かした。暁斗は先を絞られる感覚にうあっ、と叫ぶ。鳥肌が全身に立ったように思えた。
暁斗は背中を撫でられながら、耳のそばで愛しい声を聞く。
「もう、暁斗さんは挿れても挿れさせても可愛いから困るなぁ……はい、腰使ってみて」
そんな余裕は無い。こんな状態で動けば、自爆するようなものである。奏人の顔を見ると、彼は少し目を細めて微笑していた。上に来ても下になっても、この魔物からベッドでイニシアチブを奪うことはできないらしい。暁斗はちょっと悔しい。
暁斗は声にならない掠れた音を喉から出しながら、ゆっくり動く。完全に入り切っていないが、十分だった。奏人の中は熱く柔らかくて、普段クールな彼から想像できないくらい、暁斗を暴力的に締め上げてくる。
「ん、あっ……すごくいい、ああっ」
そんな風に言われ、首に強くしがみつかれて、暁斗も細い背中をぎゅっと抱きしめた。力が強くならないようにセーブしたが、暁斗は奏人の声が聞きたくて、夢中で突き上げる。その度にローションがぐちゅっと音を立てた。
「あっ、暁斗さん……」
確かに女性を抱くのと体勢はさほど変わらないが、硬く張り詰めた奏人のものが腹に押しつけられるのは、初めての感覚である。ちょこんと熱く濡れた先をくっつけてくる奏人のそれが、何となく愛おしくなってきた。少し腰を落として、腹筋で擦り上げてやると、奏人は声を上げて頭を反らせた。
もし奏人が中もいいならば、とんでもない快感になる筈だった……暁斗は下になる時、まだ中の良さを十分理解していないこともあって、何処がどんな快感を受け止めているのかわからなくなってしまう。今奏人もそんな状態なのだろうか。
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