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お節介な男たちの盆休み
14:20④ *
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小さな摩擦音に湿り気が混じってくると、背筋を甘い痺れが次々と這い上がってくる。こんな風に、手で愛撫だけしてもらうのはちょっと久しぶりだった。暁斗はしみじみと、自分が奏人にこうされるのが好きだと思う。
「奏人さん……」
「はい」
「……気持ちいい……」
思いがダダ洩れになった。奏人は嬉しそうである。
「暁斗さんにしてあげてそんな顔を見るの好き」
どんなだらしない顔をしているのだろうかと思いつつ、じわりと下半身から全身に広がる快感に溺れる準備をする。勝手に小さく声帯が震えた。
奏人は何も奇をてらわなかった。愚直なほどにただ手を上下させて、たまに溝の辺りを指先でくいくいと押してくる。それだけなのに、暁斗はもう爆ぜてしまいそうである。
「好きな時にいってね」
奏人はテーブルの上のティッシュケースに左手を伸ばしながら言う。最近開発されつつある後ろの穴まで、勝手にきゅっと締まったような気がして、暁斗は一人で恥ずかしくなった。
もう一度口づけされて、舌を絡め合うまま、暁斗は昇り詰めそうになる自分を感じる。
「……あ」
唇が離れると同時に声が出た。ぞくぞくする感覚に合わせて、ひとりでに身体が震える。ふわりと意識が、さっき大浴場に広がっていた湯煙のようなものに覆われた。脚から力を抜き、大きく2つほど息をつく。
敏感になったものが優しくティッシュに包まれるのも、ちょっと久しぶりだ。奏人はいつものように丁寧に後始末をして、腕の中に暁斗の上半身を取り込んでくれる。こんな時暁斗は、甘えるとまでは言わなくても、かなり安らいでしまう。ボディーソープの匂いと、温まった肌の匂いに包まれて、一気に眠くなってきた。
「はい暁斗さん、寝ちゃっていいけどパンツは穿こうね」
暁斗は奏人のなすがままになり、着衣を整えられてそのまま頭の下に枕をあてがわれる。奏人は掛け布団をめくって下半身にかけてくれた。彼の作務衣の袖の裾を捕らえて、ここにいるように無言で伝える。
「じゃあもうチェックアウトまで昼寝だね、タイマーセットしとくよ」
奏人は微笑みながら言って、スマートフォンを触る。そして暁斗の横に入ってきたが、暁斗が彼の腰のあたりに触れると、大丈夫だよ、と言った。
「暁斗さん寝そうだから今お返ししてくれなくていいよ、今夜じっくりやってもらおうかな……」
奏人の優しい声が子守歌になる。暁斗は彼の手を取って、そっと目を閉じた。いつも俺ばっかり先によくなってごめん、と胸のうちで言いながら。
「奏人さん……」
「はい」
「……気持ちいい……」
思いがダダ洩れになった。奏人は嬉しそうである。
「暁斗さんにしてあげてそんな顔を見るの好き」
どんなだらしない顔をしているのだろうかと思いつつ、じわりと下半身から全身に広がる快感に溺れる準備をする。勝手に小さく声帯が震えた。
奏人は何も奇をてらわなかった。愚直なほどにただ手を上下させて、たまに溝の辺りを指先でくいくいと押してくる。それだけなのに、暁斗はもう爆ぜてしまいそうである。
「好きな時にいってね」
奏人はテーブルの上のティッシュケースに左手を伸ばしながら言う。最近開発されつつある後ろの穴まで、勝手にきゅっと締まったような気がして、暁斗は一人で恥ずかしくなった。
もう一度口づけされて、舌を絡め合うまま、暁斗は昇り詰めそうになる自分を感じる。
「……あ」
唇が離れると同時に声が出た。ぞくぞくする感覚に合わせて、ひとりでに身体が震える。ふわりと意識が、さっき大浴場に広がっていた湯煙のようなものに覆われた。脚から力を抜き、大きく2つほど息をつく。
敏感になったものが優しくティッシュに包まれるのも、ちょっと久しぶりだ。奏人はいつものように丁寧に後始末をして、腕の中に暁斗の上半身を取り込んでくれる。こんな時暁斗は、甘えるとまでは言わなくても、かなり安らいでしまう。ボディーソープの匂いと、温まった肌の匂いに包まれて、一気に眠くなってきた。
「はい暁斗さん、寝ちゃっていいけどパンツは穿こうね」
暁斗は奏人のなすがままになり、着衣を整えられてそのまま頭の下に枕をあてがわれる。奏人は掛け布団をめくって下半身にかけてくれた。彼の作務衣の袖の裾を捕らえて、ここにいるように無言で伝える。
「じゃあもうチェックアウトまで昼寝だね、タイマーセットしとくよ」
奏人は微笑みながら言って、スマートフォンを触る。そして暁斗の横に入ってきたが、暁斗が彼の腰のあたりに触れると、大丈夫だよ、と言った。
「暁斗さん寝そうだから今お返ししてくれなくていいよ、今夜じっくりやってもらおうかな……」
奏人の優しい声が子守歌になる。暁斗は彼の手を取って、そっと目を閉じた。いつも俺ばっかり先によくなってごめん、と胸のうちで言いながら。
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