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2月 2
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渋谷の裏道でのいざこざに関して、神崎綾乃から詫びのメールが来たのは、その翌日の昼過ぎだった。暁斗は、もしあの場の証人として自分が必要であるようならば、申し出て欲しい旨を返した。すると神崎は、わざわざ電話を寄越した。……まるで暁斗のスケジュールを把握しているかのように、ぽっかりと空いた終業直後の時間に。
「桂山様には度々ご迷惑をおかけすることになって、何と申し上げればいいのか……」
神崎は珍しく言葉に迷うような話し方をした。いえ、と暁斗は応じた。彼女の言う度々には、暁斗が年末ホテルの風呂でのぼせたことが含まれているらしかった。
「ややこしいことになりそうなのですか?」
「いえ、弁護士に出てきて貰ったのでもう大丈夫だと思います」
弁護士が出たということは、あの男はおとなしく退会しなかったのだ。危険を排除したという神崎の淡々とした報告は、あの日の奏人の豪胆さと通じるものがある。
「お疲れさまです、片づいたなら何よりです」
暁斗は彼女を思わずねぎらう。スタッフを守り、客のプライバシーを死守し、経営を維持する。大変な業種だと感じた。
「ありがとうございます、最近少しお客様を増やし過ぎたと反省しています……ご存知のようにうちは紹介制を採っていますけれど、紹介してくださるかたと紹介されたかたの……こういう言い方をするのをお許しくださいね、品性が一致しないことも増えまして」
神崎によると、先だって彼女が暁斗にそうしたように、かつては会員登録の希望者全員に「面談」をおこなっていた。ディレット・マルティールが客に求めるのは、財力よりも(もちろんある程度の財力が無いと続かないが)、人として、社会人としての常識や品格だった。
客だけではなくスタッフに対しても同様で、小遣い稼ぎの風俗バイト感覚で応募した者は、厳しい研修――性的なテクニック以上に、完璧な接遇を求められる――で容赦なく切られる。しかしスタッフも客も増え、組織が大きくなると、どうしても綻びが出てきてしまう。
「ご心配いただき恐縮です、わたくしも奏人も大丈夫ですからご案じなさらないでください」
神崎が奏人の名を口にした時、あの可愛らしい魔物が実態を持つ存在であることを、強く意識した。それくらい、彼の名を知ったことは暁斗にインパクトを与えた。
「そうそう、こんなお話ばかりをするつもりではなかったのです」
神崎は声音をやや明るいものにして、暁斗にパトロヌス制というものの案内を始めた。
「同じスタッフを3回続けて指名してくださったかたに心ばかりのサービスがございます」
まだ暁斗は奏人に3度目の指名をおこなっていない。彼のスケジュールがかなり一杯で、暁斗の都合と合わないのである。しかし間違いなくもう一度指名すると見做されているようだった。
神崎によると、特定のスタッフのパトロヌスとなると、そのスタッフのスケジュールを一般会員に先駆けて教えてくれるというのである。他にも、指名の時間のビフォアかアフターにホテル外でのフリータイムがついたり、客の誕生日など特別な日に合わせて、スタッフからメッセージが届いたりするらしかった。暁斗は思わず笑った。
「まるでファンクラブですね」
「そう思っていただいても構いません」
料金は月5千円と、このクラブの他の料金を思うと随分安かった。しかし神崎は驚くような事実を次に語る。
「お客様によってはその20倍お支払いになるかたも……一応上限を設けてはおりますが、こちらの金額は随意ですので」
「えっ? ……月10万?」
「この会費は事務所では受け取らずスタッフにそのまま渡しますから、お客様に文字通りお気に召したスタッフのパトロンとなっていただけるのです」
その制度は、かつてのヨーロッパで、貴族が高級娼婦にしていたことを再現しているかのようだった。自分の住む世界とは違うと暁斗は衝撃を受けた。
「申込書を添付したメールをお送りしますので、是非ご検討ください……もちろん任意の制度です」
神崎の言葉に、何と巧みな商売をするのかと呆れ、感心する。客同士のプライドを、美青年たちに賭けさせるのだ。冷静に考えると、特典そのものは楽しいが、こちらが金を出す以上、決して「サービス」とは言えない。客が自分のお気に入りのスタッフに援助し、彼らが客に感謝の言葉を与えて自尊心をくすぐること、それがこの制度の最大の「サービス」だった。
「桂山様?」
「あ、いえ……ちょっとかけ離れた世界なのでびっくりしまして」
神崎は笑った。
「あまり大げさにお考えにならないでください、ちょっとした遊び感覚のサービスです……お客様がお支払いくださる金額や、パトロヌスかそうでないかで、指名を受けた際の時間に差をつけることはスタッフに固く禁じています」
「はあ……」
これを遊びだと言う神崎に微かな恐怖さえ覚えた。しかし、先んじて奏人のスケジュールを教えてもらえるのは魅力的だった。性的な愉しみ以外の時間を持てるのもいい。一緒にコーヒーを飲んだ1時間の楽しかったことといったら……。
「奏人の空きが少なくてご迷惑をおかけしています、誕生日が近いというのと……」
神崎に考えていたことを気取られたようで暁斗はぎょっとした。誕生日。プロフィールによると奏人の誕生日は3月22日だった。常連……リピート率が高いという奏人にはさぞかしパトロヌスが多いのだろう、彼らが先を争いあの魔性の青年に貢ぐやら何やらするのだ。暁斗には彼らを笑うことができない。その争いにきっと参戦してしまうから。
「奏人の大切なかたが……このクラブにとっても大切なかたなのですが……入院してらして……もう長くないのです」
「え……」
暁斗は喫茶店で奏人が見せた沈んだ顔を思い出した。奏人は暁斗の叔父の話に、入院している「大切なかた」を連想したのかも知れない。悪いことをしたと暁斗は悔やんだ。
「それで病院に寄っている日もあるのです、あの子もできる限り時間を作るようにしておりますから慮ってやっていただけますと有り難く存じます」
「あ、それはもちろん……」
暁斗は戸惑いを消化できないまま言葉を返した。神崎は続ける。
「極めて個人的な思いなのですが……桂山様には奏人の支えになっていただければとわたくしは考えております、察してらっしゃるかも知れませんがあの子は苦労の多い子で……本当はあまり他人に心を開きません」
察していたかと問われれば、そうではなかった。しかし奏人の、冬の凍えた空気を思わせる佇まいは、言われてみれば、暖かい家庭で苦労を知らず幸せに育ってきた人間のものとは違うようにも思える。
「でも桂山様には何か好感を持っているようなのです、幸い桂山様もあの子をお気に召してくださっているようですから」
「私はあの子が、その……好きですけれど……私にできることは限られてくると思います」
逃げではなく事実として、どぎまぎと暁斗は伝えた。客とスタッフ、買った者と買われた者。暁斗と奏人はそんな関係でしかないのだ。
ええ、もちろんですと神崎は応じる。
「ただ奏人が看取ろうとしているかたは……生きづらい同性愛の人たちの真実の癒しの場としてこのクラブに在って欲しい、とおっしゃっていました、わたくしもそれに賛同してこの事業に参加し、それを理想としながらやってきたのです」
神崎はいつになく力強く語った。
「ですからスタッフにもただの割の良い小遣い稼ぎだと考えないように教育していますし……お客様にもスタッフを可愛がってやって欲しいと思っています」
暁斗は返事に困る。では自分は、奏人を何者と位置づければいいのだ。
「わたくしどもの思いに桂山様を屈服させるつもりでも……必要以上のお金を落としてもらいたい訳でもない、とだけは申し上げておきますね」
暁斗は神崎の言葉に苦笑した。何と押しの強い営業か。いや、彼女は営業担当ではなく経営者なのだ、営業し、企画し、運営する、オールマイティの。暁斗如きが太刀打ちできる筈がなかった。
奏人にICレコーダーを持たせていることについて神崎に尋ねたかったが、言い出しそびれた。というよりは、関わらないほうが良いという危険回避の本能のようなものが、暁斗の口を噤ませた。俺はやはり弱気な卑怯者だと、電話を切ってから少し落ち込んだ。
「桂山様には度々ご迷惑をおかけすることになって、何と申し上げればいいのか……」
神崎は珍しく言葉に迷うような話し方をした。いえ、と暁斗は応じた。彼女の言う度々には、暁斗が年末ホテルの風呂でのぼせたことが含まれているらしかった。
「ややこしいことになりそうなのですか?」
「いえ、弁護士に出てきて貰ったのでもう大丈夫だと思います」
弁護士が出たということは、あの男はおとなしく退会しなかったのだ。危険を排除したという神崎の淡々とした報告は、あの日の奏人の豪胆さと通じるものがある。
「お疲れさまです、片づいたなら何よりです」
暁斗は彼女を思わずねぎらう。スタッフを守り、客のプライバシーを死守し、経営を維持する。大変な業種だと感じた。
「ありがとうございます、最近少しお客様を増やし過ぎたと反省しています……ご存知のようにうちは紹介制を採っていますけれど、紹介してくださるかたと紹介されたかたの……こういう言い方をするのをお許しくださいね、品性が一致しないことも増えまして」
神崎によると、先だって彼女が暁斗にそうしたように、かつては会員登録の希望者全員に「面談」をおこなっていた。ディレット・マルティールが客に求めるのは、財力よりも(もちろんある程度の財力が無いと続かないが)、人として、社会人としての常識や品格だった。
客だけではなくスタッフに対しても同様で、小遣い稼ぎの風俗バイト感覚で応募した者は、厳しい研修――性的なテクニック以上に、完璧な接遇を求められる――で容赦なく切られる。しかしスタッフも客も増え、組織が大きくなると、どうしても綻びが出てきてしまう。
「ご心配いただき恐縮です、わたくしも奏人も大丈夫ですからご案じなさらないでください」
神崎が奏人の名を口にした時、あの可愛らしい魔物が実態を持つ存在であることを、強く意識した。それくらい、彼の名を知ったことは暁斗にインパクトを与えた。
「そうそう、こんなお話ばかりをするつもりではなかったのです」
神崎は声音をやや明るいものにして、暁斗にパトロヌス制というものの案内を始めた。
「同じスタッフを3回続けて指名してくださったかたに心ばかりのサービスがございます」
まだ暁斗は奏人に3度目の指名をおこなっていない。彼のスケジュールがかなり一杯で、暁斗の都合と合わないのである。しかし間違いなくもう一度指名すると見做されているようだった。
神崎によると、特定のスタッフのパトロヌスとなると、そのスタッフのスケジュールを一般会員に先駆けて教えてくれるというのである。他にも、指名の時間のビフォアかアフターにホテル外でのフリータイムがついたり、客の誕生日など特別な日に合わせて、スタッフからメッセージが届いたりするらしかった。暁斗は思わず笑った。
「まるでファンクラブですね」
「そう思っていただいても構いません」
料金は月5千円と、このクラブの他の料金を思うと随分安かった。しかし神崎は驚くような事実を次に語る。
「お客様によってはその20倍お支払いになるかたも……一応上限を設けてはおりますが、こちらの金額は随意ですので」
「えっ? ……月10万?」
「この会費は事務所では受け取らずスタッフにそのまま渡しますから、お客様に文字通りお気に召したスタッフのパトロンとなっていただけるのです」
その制度は、かつてのヨーロッパで、貴族が高級娼婦にしていたことを再現しているかのようだった。自分の住む世界とは違うと暁斗は衝撃を受けた。
「申込書を添付したメールをお送りしますので、是非ご検討ください……もちろん任意の制度です」
神崎の言葉に、何と巧みな商売をするのかと呆れ、感心する。客同士のプライドを、美青年たちに賭けさせるのだ。冷静に考えると、特典そのものは楽しいが、こちらが金を出す以上、決して「サービス」とは言えない。客が自分のお気に入りのスタッフに援助し、彼らが客に感謝の言葉を与えて自尊心をくすぐること、それがこの制度の最大の「サービス」だった。
「桂山様?」
「あ、いえ……ちょっとかけ離れた世界なのでびっくりしまして」
神崎は笑った。
「あまり大げさにお考えにならないでください、ちょっとした遊び感覚のサービスです……お客様がお支払いくださる金額や、パトロヌスかそうでないかで、指名を受けた際の時間に差をつけることはスタッフに固く禁じています」
「はあ……」
これを遊びだと言う神崎に微かな恐怖さえ覚えた。しかし、先んじて奏人のスケジュールを教えてもらえるのは魅力的だった。性的な愉しみ以外の時間を持てるのもいい。一緒にコーヒーを飲んだ1時間の楽しかったことといったら……。
「奏人の空きが少なくてご迷惑をおかけしています、誕生日が近いというのと……」
神崎に考えていたことを気取られたようで暁斗はぎょっとした。誕生日。プロフィールによると奏人の誕生日は3月22日だった。常連……リピート率が高いという奏人にはさぞかしパトロヌスが多いのだろう、彼らが先を争いあの魔性の青年に貢ぐやら何やらするのだ。暁斗には彼らを笑うことができない。その争いにきっと参戦してしまうから。
「奏人の大切なかたが……このクラブにとっても大切なかたなのですが……入院してらして……もう長くないのです」
「え……」
暁斗は喫茶店で奏人が見せた沈んだ顔を思い出した。奏人は暁斗の叔父の話に、入院している「大切なかた」を連想したのかも知れない。悪いことをしたと暁斗は悔やんだ。
「それで病院に寄っている日もあるのです、あの子もできる限り時間を作るようにしておりますから慮ってやっていただけますと有り難く存じます」
「あ、それはもちろん……」
暁斗は戸惑いを消化できないまま言葉を返した。神崎は続ける。
「極めて個人的な思いなのですが……桂山様には奏人の支えになっていただければとわたくしは考えております、察してらっしゃるかも知れませんがあの子は苦労の多い子で……本当はあまり他人に心を開きません」
察していたかと問われれば、そうではなかった。しかし奏人の、冬の凍えた空気を思わせる佇まいは、言われてみれば、暖かい家庭で苦労を知らず幸せに育ってきた人間のものとは違うようにも思える。
「でも桂山様には何か好感を持っているようなのです、幸い桂山様もあの子をお気に召してくださっているようですから」
「私はあの子が、その……好きですけれど……私にできることは限られてくると思います」
逃げではなく事実として、どぎまぎと暁斗は伝えた。客とスタッフ、買った者と買われた者。暁斗と奏人はそんな関係でしかないのだ。
ええ、もちろんですと神崎は応じる。
「ただ奏人が看取ろうとしているかたは……生きづらい同性愛の人たちの真実の癒しの場としてこのクラブに在って欲しい、とおっしゃっていました、わたくしもそれに賛同してこの事業に参加し、それを理想としながらやってきたのです」
神崎はいつになく力強く語った。
「ですからスタッフにもただの割の良い小遣い稼ぎだと考えないように教育していますし……お客様にもスタッフを可愛がってやって欲しいと思っています」
暁斗は返事に困る。では自分は、奏人を何者と位置づければいいのだ。
「わたくしどもの思いに桂山様を屈服させるつもりでも……必要以上のお金を落としてもらいたい訳でもない、とだけは申し上げておきますね」
暁斗は神崎の言葉に苦笑した。何と押しの強い営業か。いや、彼女は営業担当ではなく経営者なのだ、営業し、企画し、運営する、オールマイティの。暁斗如きが太刀打ちできる筈がなかった。
奏人にICレコーダーを持たせていることについて神崎に尋ねたかったが、言い出しそびれた。というよりは、関わらないほうが良いという危険回避の本能のようなものが、暁斗の口を噤ませた。俺はやはり弱気な卑怯者だと、電話を切ってから少し落ち込んだ。
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