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第二章
102話 チートな魔道具
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フォークの上には、桜色のクリームがついたスポンジがのっている。果実が間に挟まっているケーキの欠片をじっくりと眺めた後、リヒトはパクりと食いついた。
むぐむぐと口元が動き、嚥下したのを見届けてから、俺は問いかける。
「どう?」
「うーん、五十点」
「え~っ?辛口過ぎない?」
「見た目にこだわり過ぎて、味がイマイチ」
「そうなの?オススメって聞いたんだけどな」
店で季節限定だとも言われ買ったのだが、ハズレだったらしい。
辛口コメントをしたわりには、リヒトはそのままケーキを食べ切った。
「もうないの?」
「まだあるよ。リヒト様にご満足いただけるよう、たくさん買い込んできましたとも」
俺の言葉に、リヒトは首を右に傾げた。
「何で?」
「何で!?」
きょとんとした顔をされ、俺は脱力する。
「魔道具のおかげでトリスタンが命拾いしたから、そのお礼だって言ったでしょ!」
「ん?そうだったっけ?あ、フィン。それがいい。赤い果物がいっぱいのやつ」
「はいはい」
よく理解せず、普通のお土産だと思って食べていたらしい。
これで四つ目だぞ。二つ食べた辺りで変だと気づいてくれ。
甘いものが好きなリヒトは、あればあるだけ食べてしまう。いつもなら食べ過ぎだと止めるのだが、今日は特別だ。
リヒトはトリスタンの命の恩人だった。
俺は、あの怒涛の一日を思い出す。
トリスタンを救出するため、俺が覚悟を決めて合図を送ると、淫魔が木の幹に手を触れた。パキパキパキッと音がした後、ピシッと亀裂が入り、手を触れた部分が崩れ落ちる。
最初に見えたのは膜のようなものだった。
「何これ?」
どんなことでも知ってそうな淫魔が、不可解な顔をして首を傾げた。
淫魔に分からなければ、俺たちに分かるはずがない。
「その中にいるのかな?」
膜の色が紫色で、気持ち悪さが際立っているが、繭のように見えなくもない。
木の中から、ドロドロに腐りかけたトリスタンが出てきたらどうしよう、と思っていただけに、俺は少しほっとする。
いや、この中身がその可能性もあるから、まだ安心はできない。
「この膜から、確かにフィンと同じ魔力のオーラが見えるねぇ」
ベルちゃんは目を細め、膜を見ながらそう言った。
「でも、何でトリスタンからフィンの魔力を感じるんだ?魔力って移るものなのか?」
ゴットフリートが不思議そうに俺に聞いてきた。
そんなこと俺が知ってるわけないだろ。
それに、俺がトリスタンと会ったのは三ヶ月も前だ。
移り香みたいなものであれば、俺の魔力はどんだけ強烈なんだ。
ゴットフリートの言葉に、淫魔が揶揄うように、こちらを向いた。
「移ることもあるよ~!濃厚に交わったりとかしたら、ね♡」
「「っ!!」」
その意味を理解した俺とゴットフリートは、二人揃って顔を赤くした。
その反応を見て『なんて初々しいの!』と淫魔は大喜びで俺たちに飛びついてくる。
「しかし、それで移ったとしても一日や二日だろう?すぐに消えるはずだがな」
ディルちゃんは真面目な顔で冷静に、膜を見ながら考えている。
俺はトリスタンとそんなことしてないし、前提から間違ってるよ。
従者と禁断の恋なんてしてないから。
もちろん、体だけの関係でもない。
「そういう場合があるってだけで、今回は違うよ。もっと単純なことさ。君と、あそこの彼からも、この子の魔力を感じる。胸の辺りに何か持ってない?」
淫魔に指摘されたゴットフリートとエリクは驚きつつも、すぐに何のことか分かったようで、自分の胸元を探り、ある物を取り出した。
それを見て、俺もようやく理解できる。
「僕の魔石か!」
ゴットフリートが取り出したのは、俺が以前プレゼントした魔石をペンダントにした物だった。
レオンたちが生まれる前に渡した物だから、すでに七、八年くらい経っている。
まだ身につけてくれていたのかと、こんな時だけど、ちょっと感動してしまった。
エリクの方は、俺が従者二人へとプレゼントした魔道具のペンダントだった。
リヒトに頼んで作ってもらった物で、こちらには製作の際に、俺の魔石を原材料として提供してある。
「エリクと同じ物をトリスタンにも渡してあるから、きっとそれだ」
「そういうこと。んー、でもこの膜みたいなの何だろうね?とりあえず、木から出してみよっか」
淫魔は、膜に直接触れることなく浮き上がらせ、木の中から全部取り出すと、ゆっくりと地面にそれを置いた。
超能力者が使う念力みたいな能力だ。
膜は半透明の部分があり、そこから中に人がいることが分かった。
「トリスタン!」
中に入っていたのは、やはりトリスタンだった。
胸の辺りで何かが強く光っており、そこを中心にトリスタンの体も薄らと光っているように見える。
「フィン。あんたが渡したペンダントは何の魔道具なんだい?それが発動しているように見えるよ」
ベルちゃんに問われ、俺は戸惑う。
「えっ?でも、この魔道具は僕の生存を確認するだけのものだよ」
「生存確認?」
留学している俺をやたらと心配する従者二人のために、遠く離れていても分かるアイテムがあればいいなと思い、リヒトに頼んで作ってもらったのだ。
エリクにペンダントを貸してもらい説明する。
「この石の部分が光ってるでしょ?光ってたら、僕は生きてる。消えてたら、死んじゃってるって感じなの」
「それ、知らないうちに光が消えてたらと思うと、ぞっとするな」
「知ったところで手遅れだしな」
ゴットフリートとディルちゃんから辛口なコメントをされた。
確かにそうだけど、そんな簡単には死にませんから。
これを見て『今日もフィン様は元気でやってるんだな』と安心して欲しくて渡したのに、逆効果だったのだろうか。
不安になってエリクを見たら『日々の励みになりました』と、満点の答えと微笑みを頂戴した。
うむ。さすが俺の従者である。
「いやいや。それ以外にも、この魔道具は何かいっぱい付いてるよ。その効果で、この人間は仮死状態みたいな感じになってる。それに、身代わりとしての機能が果たされていない?…術が体から乖離してるね。呪いの発動時に、このペンダントの魔石から力を抽出してたのか。だから、ここまで通常の状態を保てているんだ。なるほど」
淫魔は膜越しにトリスタンを観察しながら呟き、一人で納得している。
「つまり?」
「つまり、この膜は、この人間を守るためにできた物っぽい。魔道具の効果で『身代わり』という呪いが、この人間から切り離され弾き出されて膜の表面に浮き出ている」
「この紫色が呪いってこと?」
「多分ね。体が発光しているのは、魔道具が生命維持の為に作動してるからじゃないかな」
「ということは?」
「簡単に言えば眠ってるだけってこと。この人間、運が良いね。普通に生きてるよ」
この膜を上手く剥がせば助け出せる、と淫魔は言った。
それには、まずはこの膜に浮き出ている呪いを排除する必要がある。そのまま膜を破ると乖離している呪いがトリスタンの体に戻る可能性があり危険だということだった。
ならば方法は一つ。
「よろしくお願いします!」
「ピュイ!」
黒い生き物にお願いして、呪いをすべて吸い取ってもらった。その後、白い半透明になった膜を破りトリスタンを救出する。
「ちゃんと息してる。良かった!」
トリスタンは、痩せてはいたが、淫魔の言う通り眠っているだけのように見えた。触れた体も体温があり温かい。
「すぐにルーカスに診てもらおう」
「私が運びます」
エリクが抱き上げようとした時、トリスタンを覆っていた光が消え、パキンっと音がしたかと思うと、魔道具が壊れてしまった。
「間一髪だったようだね」
ベルちゃんは、壊れてしまった魔道具をトリスタンから丁寧にはずすと、俺に手渡してくれた。
「この魔道具を作ったやつに感謝しなきゃね」
「うん!」
その通りだ。リヒトに菓子折りを持ってお礼を言いに行き、過剰な効力が付加されていた件についても、問いたださねばなるまい。
「というわけなのです」
「ふうん」
リヒトは、俺の話を聞き終わる頃には、眉間に皺を寄せ、難しい顔をしていた。
問いただすと言ったが、別に責めているわけではない。
むしろ、とても感謝している。
ただ、頼んでもいないのに、何でそんなにいろんな効力をつけてくれたのかなって疑問に思っただけだ。
友達特典でオプションを過剰付与してくれたわけではないと思う。
リヒトは、五つ目のケーキの最後の一欠片を食べた後、溜息をついた。
「つまり、僕の魔道具が不完全だった為に、トリスタンは呪いを受けちゃったってことだね」
もしもし?そんな話してませんよね。
斜め上の方向に解釈され、どうしたもんかと悩む。
逆だよ。リヒトの魔道具が思わぬ力を発揮してくれたから、呪いを受けてもあの程度で済んだんだ。
だが、リヒトの言い方に少し引っかかりを覚えた。
「リヒト。不完全だった為にってことは、魔道具がちゃんと機能していたら、トリスタンはそもそも呪いを受けなかったってこと?」
「当たり前じゃん。呪い無効化の魔法陣を組み込んだはずなのに、その機能を果たさなかったってことでしょ。呪いを受けた後に、体から排出するような仕組みに変換されていたなんて…どこで間違ったんだろう?」
リヒトは、宙を見ながら顎に手を当てて一人で考え出した。
全然当たり前じゃないんですけど?
おーい、戻ってこい!
俺は、リヒトが思考の世界へダイブする前に、理由だけでも知りたくて、急いで声をかけた。
「何で呪い無効化なんて魔法陣組み込んだの?」
俺の質問に、リヒトは顔をこちらに向けると、今度は左に首を傾げ、こう言った。
フィンに頼まれたから、と。
むぐむぐと口元が動き、嚥下したのを見届けてから、俺は問いかける。
「どう?」
「うーん、五十点」
「え~っ?辛口過ぎない?」
「見た目にこだわり過ぎて、味がイマイチ」
「そうなの?オススメって聞いたんだけどな」
店で季節限定だとも言われ買ったのだが、ハズレだったらしい。
辛口コメントをしたわりには、リヒトはそのままケーキを食べ切った。
「もうないの?」
「まだあるよ。リヒト様にご満足いただけるよう、たくさん買い込んできましたとも」
俺の言葉に、リヒトは首を右に傾げた。
「何で?」
「何で!?」
きょとんとした顔をされ、俺は脱力する。
「魔道具のおかげでトリスタンが命拾いしたから、そのお礼だって言ったでしょ!」
「ん?そうだったっけ?あ、フィン。それがいい。赤い果物がいっぱいのやつ」
「はいはい」
よく理解せず、普通のお土産だと思って食べていたらしい。
これで四つ目だぞ。二つ食べた辺りで変だと気づいてくれ。
甘いものが好きなリヒトは、あればあるだけ食べてしまう。いつもなら食べ過ぎだと止めるのだが、今日は特別だ。
リヒトはトリスタンの命の恩人だった。
俺は、あの怒涛の一日を思い出す。
トリスタンを救出するため、俺が覚悟を決めて合図を送ると、淫魔が木の幹に手を触れた。パキパキパキッと音がした後、ピシッと亀裂が入り、手を触れた部分が崩れ落ちる。
最初に見えたのは膜のようなものだった。
「何これ?」
どんなことでも知ってそうな淫魔が、不可解な顔をして首を傾げた。
淫魔に分からなければ、俺たちに分かるはずがない。
「その中にいるのかな?」
膜の色が紫色で、気持ち悪さが際立っているが、繭のように見えなくもない。
木の中から、ドロドロに腐りかけたトリスタンが出てきたらどうしよう、と思っていただけに、俺は少しほっとする。
いや、この中身がその可能性もあるから、まだ安心はできない。
「この膜から、確かにフィンと同じ魔力のオーラが見えるねぇ」
ベルちゃんは目を細め、膜を見ながらそう言った。
「でも、何でトリスタンからフィンの魔力を感じるんだ?魔力って移るものなのか?」
ゴットフリートが不思議そうに俺に聞いてきた。
そんなこと俺が知ってるわけないだろ。
それに、俺がトリスタンと会ったのは三ヶ月も前だ。
移り香みたいなものであれば、俺の魔力はどんだけ強烈なんだ。
ゴットフリートの言葉に、淫魔が揶揄うように、こちらを向いた。
「移ることもあるよ~!濃厚に交わったりとかしたら、ね♡」
「「っ!!」」
その意味を理解した俺とゴットフリートは、二人揃って顔を赤くした。
その反応を見て『なんて初々しいの!』と淫魔は大喜びで俺たちに飛びついてくる。
「しかし、それで移ったとしても一日や二日だろう?すぐに消えるはずだがな」
ディルちゃんは真面目な顔で冷静に、膜を見ながら考えている。
俺はトリスタンとそんなことしてないし、前提から間違ってるよ。
従者と禁断の恋なんてしてないから。
もちろん、体だけの関係でもない。
「そういう場合があるってだけで、今回は違うよ。もっと単純なことさ。君と、あそこの彼からも、この子の魔力を感じる。胸の辺りに何か持ってない?」
淫魔に指摘されたゴットフリートとエリクは驚きつつも、すぐに何のことか分かったようで、自分の胸元を探り、ある物を取り出した。
それを見て、俺もようやく理解できる。
「僕の魔石か!」
ゴットフリートが取り出したのは、俺が以前プレゼントした魔石をペンダントにした物だった。
レオンたちが生まれる前に渡した物だから、すでに七、八年くらい経っている。
まだ身につけてくれていたのかと、こんな時だけど、ちょっと感動してしまった。
エリクの方は、俺が従者二人へとプレゼントした魔道具のペンダントだった。
リヒトに頼んで作ってもらった物で、こちらには製作の際に、俺の魔石を原材料として提供してある。
「エリクと同じ物をトリスタンにも渡してあるから、きっとそれだ」
「そういうこと。んー、でもこの膜みたいなの何だろうね?とりあえず、木から出してみよっか」
淫魔は、膜に直接触れることなく浮き上がらせ、木の中から全部取り出すと、ゆっくりと地面にそれを置いた。
超能力者が使う念力みたいな能力だ。
膜は半透明の部分があり、そこから中に人がいることが分かった。
「トリスタン!」
中に入っていたのは、やはりトリスタンだった。
胸の辺りで何かが強く光っており、そこを中心にトリスタンの体も薄らと光っているように見える。
「フィン。あんたが渡したペンダントは何の魔道具なんだい?それが発動しているように見えるよ」
ベルちゃんに問われ、俺は戸惑う。
「えっ?でも、この魔道具は僕の生存を確認するだけのものだよ」
「生存確認?」
留学している俺をやたらと心配する従者二人のために、遠く離れていても分かるアイテムがあればいいなと思い、リヒトに頼んで作ってもらったのだ。
エリクにペンダントを貸してもらい説明する。
「この石の部分が光ってるでしょ?光ってたら、僕は生きてる。消えてたら、死んじゃってるって感じなの」
「それ、知らないうちに光が消えてたらと思うと、ぞっとするな」
「知ったところで手遅れだしな」
ゴットフリートとディルちゃんから辛口なコメントをされた。
確かにそうだけど、そんな簡単には死にませんから。
これを見て『今日もフィン様は元気でやってるんだな』と安心して欲しくて渡したのに、逆効果だったのだろうか。
不安になってエリクを見たら『日々の励みになりました』と、満点の答えと微笑みを頂戴した。
うむ。さすが俺の従者である。
「いやいや。それ以外にも、この魔道具は何かいっぱい付いてるよ。その効果で、この人間は仮死状態みたいな感じになってる。それに、身代わりとしての機能が果たされていない?…術が体から乖離してるね。呪いの発動時に、このペンダントの魔石から力を抽出してたのか。だから、ここまで通常の状態を保てているんだ。なるほど」
淫魔は膜越しにトリスタンを観察しながら呟き、一人で納得している。
「つまり?」
「つまり、この膜は、この人間を守るためにできた物っぽい。魔道具の効果で『身代わり』という呪いが、この人間から切り離され弾き出されて膜の表面に浮き出ている」
「この紫色が呪いってこと?」
「多分ね。体が発光しているのは、魔道具が生命維持の為に作動してるからじゃないかな」
「ということは?」
「簡単に言えば眠ってるだけってこと。この人間、運が良いね。普通に生きてるよ」
この膜を上手く剥がせば助け出せる、と淫魔は言った。
それには、まずはこの膜に浮き出ている呪いを排除する必要がある。そのまま膜を破ると乖離している呪いがトリスタンの体に戻る可能性があり危険だということだった。
ならば方法は一つ。
「よろしくお願いします!」
「ピュイ!」
黒い生き物にお願いして、呪いをすべて吸い取ってもらった。その後、白い半透明になった膜を破りトリスタンを救出する。
「ちゃんと息してる。良かった!」
トリスタンは、痩せてはいたが、淫魔の言う通り眠っているだけのように見えた。触れた体も体温があり温かい。
「すぐにルーカスに診てもらおう」
「私が運びます」
エリクが抱き上げようとした時、トリスタンを覆っていた光が消え、パキンっと音がしたかと思うと、魔道具が壊れてしまった。
「間一髪だったようだね」
ベルちゃんは、壊れてしまった魔道具をトリスタンから丁寧にはずすと、俺に手渡してくれた。
「この魔道具を作ったやつに感謝しなきゃね」
「うん!」
その通りだ。リヒトに菓子折りを持ってお礼を言いに行き、過剰な効力が付加されていた件についても、問いたださねばなるまい。
「というわけなのです」
「ふうん」
リヒトは、俺の話を聞き終わる頃には、眉間に皺を寄せ、難しい顔をしていた。
問いただすと言ったが、別に責めているわけではない。
むしろ、とても感謝している。
ただ、頼んでもいないのに、何でそんなにいろんな効力をつけてくれたのかなって疑問に思っただけだ。
友達特典でオプションを過剰付与してくれたわけではないと思う。
リヒトは、五つ目のケーキの最後の一欠片を食べた後、溜息をついた。
「つまり、僕の魔道具が不完全だった為に、トリスタンは呪いを受けちゃったってことだね」
もしもし?そんな話してませんよね。
斜め上の方向に解釈され、どうしたもんかと悩む。
逆だよ。リヒトの魔道具が思わぬ力を発揮してくれたから、呪いを受けてもあの程度で済んだんだ。
だが、リヒトの言い方に少し引っかかりを覚えた。
「リヒト。不完全だった為にってことは、魔道具がちゃんと機能していたら、トリスタンはそもそも呪いを受けなかったってこと?」
「当たり前じゃん。呪い無効化の魔法陣を組み込んだはずなのに、その機能を果たさなかったってことでしょ。呪いを受けた後に、体から排出するような仕組みに変換されていたなんて…どこで間違ったんだろう?」
リヒトは、宙を見ながら顎に手を当てて一人で考え出した。
全然当たり前じゃないんですけど?
おーい、戻ってこい!
俺は、リヒトが思考の世界へダイブする前に、理由だけでも知りたくて、急いで声をかけた。
「何で呪い無効化なんて魔法陣組み込んだの?」
俺の質問に、リヒトは顔をこちらに向けると、今度は左に首を傾げ、こう言った。
フィンに頼まれたから、と。
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