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第二章

59話 新しい友達

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「イド、笑い過ぎだよ」

 後ろの席で、腹を抱えて机に突っ伏し笑い続けている頭を、つんつんと突つく。
 イドは、笑い過ぎて腹が痛いと言いつつ、何とか呼吸を整え体を起こしたが、俺の顔を見た瞬間また吹き出した。

「だって、お前っ、五号になったらしいって。自分でゴーちゃんって呼んでくださいって。真面目かよ!」

 いや、だって。
 何か面倒くさそうな人だったし、フィンって名前の人が何人もいるなら、ややこしいかなって思ったんだよ。
 可愛いあだ名だろうが。

「ホンマやで。おもろいなぁ。

 さっそく呼びかけられ、振り向くと二人の青年が近くに立っていた。
 声をかけてきたのは、杏色のマッシュルームヘアに糸目の青年だ。
 訛りのある喋り方が、まるで関西弁のように聞こえ、自己紹介の時にも気になっていた。
 確か、親が商人をしていて、名前はベルボルト。

「えっと、ベルボルトさん?」
「ベルボルトでええで。同級生なんやし。にしても自分すごいなぁ。さっきの人って前国王の孫やろ。平民なら普通ビビって萎縮するで。やのに、平然と話続けて、何なら突っ込んでるし。あの人、言い返されて、あたふたして逃げるように去って行ったやん。めっちゃウケる」

 ベルボルトは、すごい良い笑顔で『やるなぁ!』と背中をバシバシ叩いてきた。
 ちょっと痛い。

「なぁ、そう思わん?スヴェンも」

 ベルボルトは、横にいる青年にも話を振った。
 藍鼠色の五分刈りで、ガッチリとした体格をしており、イドと同じくらい背が高い。
 自己紹介の時には、騎士を目指していると言っていて、幼馴染の双子と同じだなと感じたことを思い出す。
 スヴェンは控えめに笑いながら、ベルボルトの言葉に頷いた。

「素晴らしい返り討ちだった」

 いや、うん。反撃したつもりはなかったのだが、俺はあの先輩を撃退していたらしい。

「それはどうも?」

 褒められているらしいので、とりあえず俺がお礼を言った瞬間、授業が始まる鐘が鳴った。

「あら残念。まぁ、これからよろしゅうな」

 そう言って、ベルボルトとスヴェンは自分の席に戻って行った。
 その後も、何を気に入られたのか分からないが、ベルボルトがよく話しかけてきてくれて、いつの間にか仲良くなった。
 ベルボルトとスヴェンは幼馴染らしく、仲が良い。
 俺はイドと一緒にいることが多いので、自然と四人でいることが日常となった。


「ゴーちゃん、こっち!」

 注文カウンターを離れ、イドを探していると、先に俺を見つけたベルボルトが声をかけてくれた。
 隣にはスヴェンが、その向かい側には先に注文を終えていたイドがちゃっかりと座っている。
 俺は三人に近づいて行き、イドの横に座ると、礼を言った。

「いつも席とってくれて、ありがとう」
「いえいえ、何の。イドとは違って、お礼を言えるなんて、ゴーちゃんはえらいなぁ」

 普通だと思うんだけどな。
 イドは素知らぬ顔して、黙々と食べている。
 先程は選択科目の授業で、ベルボルトとスヴェンがとっている授業の教室が食堂に近く、この授業がある日は俺とイドの席もとってくれていた。
 俺はさっそく食べようと皿の上を見て、しんなりと眉を顰めた。
 慌てていたので、咄嗟にCランチと言ったのだが、大きな肉の塊が鎮座している。
 安価なランチの割に豪勢だな、と思う反面、この持っているナイフで切れるのだろうかと不安に思った。
 食堂で使うナイフは当たり外れがあり、切れにくいやつは本当に切れなくて、メニューによっては食べるのに苦労するのだ。
 案の定、今日は外れの日だった。
 その上、肉も硬かった。
 ナイフが表面を滑るばかりで、刃が入らない。
 むぎゅ、むぎゅ。
 むぎゅ、むぎゅ、むぎゅ、むぎゅ。
 むぎゅー、むぎゅー、むぎゅー、むぎゅー。
 くっ!切れない。
 行儀は悪いが、もう齧り付こうかな。
 しかし、噛み切れる自信が無かった。
 疲れてナイフとフォークを持ったまま、じっと皿を見つめている俺に、すっと救いの手が伸びてきた。

「フィン。ちょっとその皿貸せ」

 イド様だった。
 イドはさっと俺の皿を取ると、あれほど切れにくかった肉を、鮮やかに細かく切り分けてくれた。
 すごい!

「ほら」
「イド、ありがとう!」

 ぶすりとフォークで刺して、口に入れる。
 なかなか噛みごたえのある肉だったが、食べれないことはなかった。
 味はいける。
 むぐむぐと嬉しそうに食べている俺に、皆が微笑ましそうな顔になっていた。

「はぁ、ゴーちゃん見てるとめっちゃ癒されるな。どうすれば、こんな純正培養みたいな子が育つんやろ?」

 純正培養?
 天然ってことだろうか。

「普通だよ」
「いや、希少だ」

 スヴェンにも、そう言われた。
 イドの方を見ると、面をつけているのに、面白そうに笑っているのが分かった。
 自分では気づかないが、俺は普通の子どもより、少し変わっているのだろうか。
 首を傾げる俺に、ベルボルトは笑って話題を変えた。

「そういえば、今度の中間テスト結果で、その後に行われる課外授業の班が決まるらしいで」
「へぇ」
「ええ班に当たるとええなぁ」

 ダジャレ?

「どんな班なら、いい班なの?」

 俺の言葉に、ベルボルトは意味深に口角を上げると、ちらりと、先程俺が『嫌なものを見た』と思った場所へと視線を向けた。

「あんな奴らがいたら、一日中地獄だな」

 ベルボルトの視線の先を見て、スヴェンがぼそりと嫌そうに一言もらす。
 イドもそちらの方を見ていたが、今度はイマイチどんな顔をしているのか分からなかった。

「まぁ、それもあるけど。違う班の方が潰しがいがあってええよな」

 ベルボルトは視線をこちらに戻すと、楽しそうに笑いながらそう言った。
 潰しがい?
 やけに物騒な言葉が出てきたぞ。
 何かやり合うってことだろうか。

「課外授業って、何か勝負するの?」
「例のテストがあるんやて」
「例のテストって?」
「だからーって、もしかしてゴーちゃん知らへんの?」
「???」
「あれ?これって普通知らへんもん?スヴェンとイドは例のテストって言って分からへん?」
「階級テストの事だろ」
「それなら知ってるぞ」

 スヴェンとイドは知っているらしい。

「階級テストって何?」
「えっ!ここまで言って分からへんの!?」

 ベルボルトは仰け反りながら大袈裟に驚いた。
 知らないと変なことなのだろうか。
 俺は肩を落として『分かんない』と正直に答える。
 すると、頭にポンっと大きな手が乗せられた。
 隣に座っているイドだ。

「階級テストは言葉通り、階級を決めるテストのことだ。この学校では、そのテストの結果によって生徒は区分され、階級が上であればあるほど優遇される。逆に下になると、落ちこぼれとして補習があったり、使える設備が制限されたりするらしいぞ」
「そうなの?」
「そうやで。まさか知らんと入学して来たなんて」

 ベルボルトは、残念な子を見るみたいな表情になっている。
 えー、何かすんません。

「ほな、ちょい話は変わるけど。ゴーちゃんはさ、校訓でも謳ってるのに、爵位で身分差別をしている人たちを、何で誰も咎めへんのかって不思議に思ったことはあらへん?」

 ベルボルトがぐっと身を乗り出し、囁くように言った言葉に、俺は戸惑いながらも頷いた。

「あるよ」

 俺の答えに、ベルボルトは喉の奥で声を殺したように笑った。

やってるの、ほとんど一年生やっていうのは、気づいてた?」
「えっ?」

 そう言われて、食堂内をこっそり見渡す。
 ちらほらと、差別発言をしていた人の顔を見つけ、その人達のネクタイの色を確認し、そのほとんどが自分と同じ色のネクタイを締めていることに気づいた。

「本当だ」
「二、三年生はな、その階級テストの結果で優劣がついてるから、あまり出自の身分をひけらかさん。例えば、出自は侯爵家でも、成績で一番下の階級やったら、余計馬鹿にされるのが落ちや。逆に、王族や公爵家であり、階級も最上級の人は、そら堂々としてはるで。さすがやな!って称賛の的やし」

 なるほど。出自に見合うだけの実力も兼ね備えているという訳だな。
 貴族の一年生で、出自の身分で態度がデカい人は、それだけ自分に実力があると思っている人か、俺のように階級テストというシステムを知らない差別主義者か、阿呆のどれか、ということだった。

「先生が注意せえへんのはな、階級がついてない今だけやからや。今だけ、いい気分にさせといたる。出自だけで態度がデカく、実力が伴わへんやつは、これから先、苦労するのが目に見えてるからな」

 それだけ、この学校は実力主義だということだ。
 ベルボルトは先程『潰しがいがあっていい』と言った。
 そこら辺の貴族には負けないくらい、実力があると自負しているのだろう。
 横柄な態度をとられ、内心ではよく思っておらず、階級テストでベルボルトと同様に潰すその機会を心待ちにしている人が、どれほどいるのか。
 話を聞き想像して、俺は背筋を震わせた。
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