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第148話 妖精王との約束
しおりを挟む「これをお前が使えば、蛇の珠は解かれる。双頭の蛇どもを吸いつくされ、呪いをかけた術者の魂はこの中に閉じ込められる。これで万事解決する」
ただし、と妖精王は言いました。
「気を付けて使うことだ。これは吸った呪いを、使ったものに帰す。お前が使えば、呪いはお前にかかるだろう」
つまり……それはこのオニキスのペンダントを使って呪いを吸ったものに、呪いを移してしまうということですよね?
であれば、これを使った人が死んでしまうのでは?
「妖精王、それは呪いを解いたことにはなりません、しいていえば、呪いを……私に移動しているだけではありませんか」
「案ずることはない。人から切り離された呪いは、もろいものだ、乙女よ。
このペンダントに呪いを移すことができれば、お前の力で浄化できるだろう。浄化してしまえば、呪いは解ける。
いいか、必ずお前が使うことだ。他の者が使って、どうなるかは保障しない」
「本当に……これで浄化が……?」
「あはは、多分な。お前は女神の系譜のものだしきっとうまくいくだろう。
僕が手伝えるのはここまでだ。聖なる癒し手、王族に連なる女神に祝福された子。お前が女神に愛されているのであれば、たとえ呪いをその身に受けようと、きっと打ち破り浄化することができるだろう」
オェングス王は気まぐれな微笑みを浮かべて、私に魅惑的に微笑みました。
「まぁもしだめだったとしても、呪いでお前が死ぬだけだ。
しかしそうなったとしても、お前の助けたいものは、必ず助かる。それだけは約束しよう」
そう言って妖精の王は、私に手を差し伸べました。
「では乙女よ。
僕が困ったら必ず助けにきておくれ。その約束をここに」
妖精王は、私を引き寄せ、私の額に小さくキスをしました。
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