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先の見えない入り口

先の見えない入り口 ~願望を叶えるために~ 2

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 まだ性交経験の無い優也にとって、先走りの粘液を女性が滴らせる愛液の代わりとして自慰に浸ることが、妄想を少しでもセックスの快楽に近づけるための方法だったのです。

 あぁ……  真由美先生……
 どうして……  どうしてあんな店で働いているの……
 サイトに書いてあった、先生が舌で男の人に与える快楽ってどんなのなの……

 トイレの壁に身体を預け、スマホで真由美のプロフィール写真を見ながらもう一方の手で火照る茎を握り締めました。滴る粘液が塗り広げられた強張りの先は、切ない程に熱をたぎらせ妖しく濡れ光っています。

 先生…… もう我慢出来ないよ…… 全部、先生のせいだからね……

 女性の膣口を知らない無垢な茎は、次第に早まる手の動きに合わせて恍惚の極みへと上っていきます。

 ま……  真由美先生っ…… あ…… 愛してる……  真由美先生っ……

 今日の午後、彼女が進路指導で優也に対して冷たく見下すような説教の言葉を向ける間中、彼は性の願望を押し隠しながら真由美の口元を見つめ続けていました。その時の唇の動きが頭の中に甦ります。
 優也には厳しい指導をしたくせに、先生自身がその唇で淫らな行為をしている裏切りに憎しみが湧き上がりました。

 汚してやる…… その顔や唇を僕の精で汚してやる……

 優也に進路指導をする真由美の顔と、客の勃起した茎に舌を這わせる彼女の顔が、まぶたの中で絡み合うように行き交います。
 吐精の兆しに堪えながら、客が放った白濁の粘液が垂れ落ちる真由美の唇を想い描きました。
 切なく愛おしい真由美への感情が極みに達した瞬間、激しい震えが身体を揺さ振ったのです。

 あ…… あぁっ…… 真由美先生っ……

 下腹部が大きく痙攣し、張り詰めた茎が脈を打ちながら狂おしい精を解き放ちました。濃厚な白濁の液が連なるように溢れ出し、壁に向かって飛び散ったり、粘りの糸を引きながら床へと溢れ落ちました。

 優也は喘ぎ声を押し殺したまま、快楽に満ちた眩い射精の脈動に酔いしれました。例え虚しく切ない行為の成れの果てであっても、彼にはこうするしかなかったのかも知れません。

 束の間の吐精を終えた後も、半開きになった口元から垂れ落ちる唾液に気付かないまま、恍惚のひと時がゆっくりと静まるまで茫然と壁に寄りかかっていたのです。

 この時の優也は、自分が分岐路の入り口にいる事にまだ気付いてはいませんでした。
 それはこの先、もう少し後のことなのです。
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