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しおりを挟む保健室内にギシギシとベッドの軋む音が響き、其れに重なるように悲鳴の様な絶え間ない喘ぎと、ばちゅばちゅと肉を弾く音がし続けている。
「ひぃんっ♡もうでにゃ♡でにゃいのにいぃ♡あ゛ぁッまた、イクッ♡また中でイッちゃっっ♡も、ヤダぁぁっもう、むりぃ゛、ぃぃッ♡あ゛ーーーッッ♡」
ここ樋ノ宮学園の保健室内は完全防音設備で、外の喧騒も、中の物音も、その一切を何方にも漏れないよう遮断されているのだが、嘉賀並が事に及ぶ前に掛けた鍵が長時間掛けられたままになっていた為、訪問者が扉を開こうとするガタガタといった音は幾度かした。
然し其れも中からの反応が無い為、誰かが表のプレートを外出中に変えたのか、暫くしたらその様な音もしなくなった。
篠灑はもう幾度目になるのかも分からない吐精への衝動を追い上げる為、無心で腰を振り続けていた。
結腸奥への挿入は、入れ込んだまま揺さぶって二度ほど射精した所で嘉賀並の意識が飛んでしまったので、奥まで突き挿れるのを止め、俯せに体勢を変えさせてから結腸の入口ギリギリ迄で抽挿する事にした。
偶に勢いで既に開き切ってしまった結腸の入口に僅かに食い込む事はあったが、その衝撃で嘉賀並が再び目を覚ましても奥まで挿れる事はもうしなかった。
其れでも止まない激しい抽挿と、変わらず腸壁内全てをゴリゴリと刺激され続けるのに変わりはなく、嘉賀並は出る物が無くなっても顔中を涙と涎と快楽でぐしゃぐしゃにしたまま中イきし続け、篠灑から与えられる快感にどっぷりと浸かり込んだままだった。
篠灑は突き挿れている間中治まらない身体の熱と、其れに反比例する様にどんどんと冷えていく心との何とも言えない気持ち悪さに回数を重ねる毎に不快感を募らせていた。
自分が自分で無い感覚は、酷く篠灑を気疎くさせた。
それでも薬の効力は篠灑の昂りを押し上げ、射精に向かって腰を動かさせる。
篠灑も熱を放つ為だけに動き続けて、ぐっと息を詰め腰を結腸口ギリギリ迄入れ込み精を飛ばした。
流石に出た量はもう僅かなように感じるが、昨夜からの事を考えるとまだ出ているのが不思議な位だろう。
ふっ、ふっ、と荒い息を整える様に奥まで挿したまま身を屈めて止まり呼吸が落ち着いてきた所で、嘉賀並の中に入ってから初めて臀穴の中からペニスを引き抜いた。
支えを失った嘉賀並はそのままべしゃりとベッドに潰れるが、篠灑も其れに構える余裕は無く、そのまま後ろ手にベッドの上に手を着いて座り込むと、天井を仰いだまま目を閉じて自身が落ち着くのを待った。
このベッドで目が覚めて直ぐから感じていた、体内をぐるぐると回る黒い欲望は治まったようだが、正直身体はまだ熱を持ったままだ。
然しこのまま耐えていれば落ち着く様にも思えるので、もう嘉賀並に挿れたいとは思えなかった。
座り込んで上向いたまま深く呼吸を繰り返し、体が言うことを聞きそうだと思えた所でのろのろと動きだす。
保健室内の備品や水道設備等を勝手に使わせて貰いながら篠灑は簡単に自分と嘉賀並の身体を清め、衣服を整えて嘉賀並を清潔な方のベッドに移した。
清潔では無くなってしまったベッドの残骸は簡単に纏めて保健室内に設置されていた汚れ物籠に入れておく。
上流階級のお坊ちゃまばかりが通うこの学園は環境設備や清掃にも金を掛けているので、保健室内のシーツも汚れ物籠に入っている物と共に毎日、清掃に入った業者が回収して行くのだ。
それは保健室と言う衛生面を最大限に配慮された場所である事と、保健室であるからこそ病人や怪我人による血痕や吐瀉物等の汚れが出やすいという事も考慮されての事だ。
保健室内の備品や設備を一通り確認して、それを察した篠灑は迷いなくシーツ類を籠に入れた。
後は窓を開けて換気しておけばマシだろうか…、と考えながら篠灑は室内に視線を巡らせる。
一通りを終わらせ確認も終えた篠灑はまだ熱の燻る身体を無理矢理に動かし、さっさと保健室を後にしようと出入り扉に向かった。
然しこのまま成宮の待っているだろう自室に戻るのも躊躇われる。
時刻を見ると既に放課後だ。
もう部活動や委員活動をする者は其々の場所に出ているだろうから、校舎内から寮への道は差程人も多くない筈だし帰寮する事自体は容易い。が、自室に帰ったとして朝まで動けない程無理をさせた成宮の元に熱を持ったまま帰るのは、熱が再燃しそうで良案とは思えなかった。
然し、だからと言ってここに留まると言う選択肢は無いし、成宮が用意した篠灑の為の睡眠場所には恐らく篠灑の親衛隊に所属している者が誰かしら居るだろう。
成宮曰く、場所の管理と篠灑が使用する際の安全確保の為に。
さて、どうするか…と扉を開けて室内から廊下に出た所に、予期せぬ人物が居た。
巽矢美月。
樋ノ宮学園に於いて生徒会と勢力を二分する組織、風紀委員会の委員長だ。
美月は190cmもあるガッチリとした筋肉に覆われた巨躯を保健室出入口の対面に位置する壁に寄りかかってこちらをじっと見ていた。
父方の、北欧の血が色濃く受け継がれた短い銀髪を立たせ、その彫りの深く精悍な顔に渋面を作って両腕を組み、ともすればこちらを威嚇している様にも見える。
青みがかった灰色の目は普段から見かける時の殆どが顰められていて、今日もこちらを強い目線で射抜いてくる。
良く睡眠に時間を割く篠灑は成績こそ常にトップだが、授業中に寝る事も寝る為にサボる事も屡々なので、彼に会う度睨まれる様に感じるのも其れが原因だろうと考えていた。
最初はその瞳の色から光に弱く顰めているのかとも思ったが、日の当たらない校舎内でも会えば眉間に皺が寄るので、そういう事だろうと思っている。
風紀に良く思われない素行であるのは自覚しているので、それについては不満も不平も無い。
それにしても、気不味いタイミングで会ったなと篠灑は後ろ手に扉を閉めて軽く会釈し、そのまま立ち去ろうと一先ず寮への方向に足を向けた。
然し数歩踏み出して直ぐに斜め後ろから声が掛かった。
「深森篠灑。今日一日教室に顔も出さなかった様だが、ここで何をしていた」
美月の若干唸るような低音に、篠灑はそんなに授業を丸々休んだのが不味かったのだろうかと伺うような目線を美月に向けた。
向けた先には変わらず美月の儼しい顔がある。
「あー、ちょっと体調悪くて…すみません。」
正直身体の熱も抜けぬまま、振り返るのすら億劫な程重怠い今は、とりあえず謝ってでもさっさと一人になりたかった。
体調不良であれば厳しく咎められる事も無いだろうし、普通保健室から出てくれば体調が悪いか怪我をしているかだ。
実際ここに来た時は本当に頭痛が酷くて来たのだ。
午前中は睡眠に費やしたからだとしても嘘は言っていないだろうと、篠灑は美月からの解放の言葉を待った。
「なに?体調が?確かに顔が赤い気がするな。呼吸も僅かに荒い。大丈夫なのか?」
「あー、えっと、とりあえず動けるようにはなったんで、もう少しどっかで寝てから帰ろうかと…」
「何処かで…?何故直ぐに自室に帰らない」
「あー…、同室の成宮も体調崩して休んでるんで…。このまま帰ると心配も掛けるし、成宮を悪化させるかもだから良くないかと…」
篠灑は美月からの思わぬ追求に驚きながらも答えた。
実際このまま帰れば成宮は篠灑の様子に気が付き心配するだろうし、万が一にも成宮にこの熱が向けば成宮の状態を悪化させる事は間違いない。
真実では無いが嘘でも無い返答で、早く一人にして貰えないだろうかと篠灑は美月を見詰めた。
「あの成宮が体調不良だと…?俄には信じられんが…然しそれなら確かに…」
そう呟きながら美月は篠灑の状態をよく見る為か、視線を篠灑の頭上、てっぺんから足元まで移し…何かに気が付いた様に再度視線を押し上げて、その目線の先を篠灑の下腹部に固定した。
その視線の先では、篠灑の未だ治まらない沸々とした熱が、下衣の下から押し上げる様にその長大な存在を主張していた。
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