上 下
44 / 80
4.奪還作戦

希望の光

しおりを挟む
扉の奥、薄暗く密閉された部屋で奈緒は祭壇の上で鎖で吊し上げられている。

「あっ、あぁっ、んん」

奈緒はコンから埋められたバイブで喘ぎが止まらない。

「くっそぉ、ーーーひゃあっ」

赤く染まった頬と涙ぐんで悶える様はひどく扇情的な事に奈緒は気付かない。

「……はぁっ」

床には、ポタリ、ポタリと水滴が黒い影を落としている。
奈緒の汗なのか、昂った先端から零れ落ちた滴なのか判断が付かない。

奈緒はその快感に身体を震わせる。
一体何時間、このままでいさせられるのだろうか。
達するまでに至らない快感は、奈緒の中でずっと燻り続ける。

「んぁっ……、はぁっ……」

バイブは奈緒の中を柔らかくほぐし、トロトロにさせている。
このまま締まらなくなってしまったらどうしよう……。

奈緒は息絶え絶えに、まだ意識を保っている。
すると、少し扉の向こう側から物音が聞こえた。

何やら、外が騒がしい。
一体、どうしたんだろう。

よく耳を澄ませて聴くと、足音のような駆け回る音が俺の耳に入ってきた。

誰か来たのかっ!?

「んっ……」

バイブで声が漏れそうになるが、喘ぎ声を聞かれるのは恥ずかしいので、口をしっかりと閉じて歯を噛み締める。

同時に身体の奥も締めてしまって、バイブの形と振動をもろに感じてしまう。
快感の波がズンっと押し寄せてきて、腰を前に突き出してしまう。

「ふぅっ、んっ」

それでも、奈緒は外の方へと意識を向けた。

「なん、だっ……?」

ドタバタと人が走り回る音が響いている。
さっきまでの平穏とは程遠い。
やっぱり、何かあったんだろう。

俺を助けに誰かやってきてくれたのだろうか。
もうこの際、恥なんか捨てて、少しでも一縷の望みに期待して声を上げる。

「誰、かっ!!
たすけ、てっ……」

相変わらず、外は誰かが駆け回っている。
この部屋に結界でも張ってあるのか、誰も気付いてはくれない。
少しでも足を止めてくれる気配でもあれば……。

「おいっ……、
俺は、ここだぁっ……
誰かーっ」

くそっ……
なぜなんだっ!?

今は、奈緒自身の能力も封じられていて、まともに外の様子を窺うことはできない。

なんの反応もされない事に、少し諦めが付いてきた頃だった。

突然、丸い形をしたドアノブがガチャガチャと音を立て始めた。

「ひぇっ」

あまりの突然の事に、奈緒は怯えた声を出してしまった。

だけど、その音は止まらない。
ガチャガチャ、ガチャガチャ

少しどころか、ホラー映画のような状況に奈緒は恐怖を隠せない。
それと同時に、頭の端でドアノブが壊れてしまいそうという、どうでもいい心配が頭によぎった。

後で、修理費とか請求されたらどうしよう……
なんて、考えてしまうのは、この世界にくるまでに苦い経験が多々あったからだろうか……。

しばらくして、カチャと鍵の開く音がしたと同時に、鉄柵もガシャンと引っ込んだ。

あれだけ、何をしてもびくともしなかったのに一体何が起こったのだろうか。

ついに、ゆっくりと扉がキキィーーっと、軋む音を立てて開いた。

廊下の明かりが奈緒の居る薄暗い部屋に差し込み、その人物の影を落とした。



ーーー突然の来訪者ーーー
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

大親友に監禁される話

だいたい石田
BL
孝之が大親友の正人の家にお泊りにいくことになった。 目覚めるとそこは大型犬用の檻だった。 R描写はありません。 トイレでないところで小用をするシーンがあります。 ※この作品はピクシブにて別名義にて投稿した小説を手直ししたものです。

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

バイト先のお客さんに電車で痴漢され続けてたDDの話

ルシーアンナ
BL
イケメンなのに痴漢常習な攻めと、戸惑いながらも無抵抗な受け。 大学生×大学生

変態村♂〜俺、やられます!〜

ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。 そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。 暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。 必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。 その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。 果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?

高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる

天災
BL
 高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる。

僕が玩具になった理由

Me-ya
BL
🈲R指定🈯 「俺のペットにしてやるよ」 眞司は僕を見下ろしながらそう言った。 🈲R指定🔞 ※この作品はフィクションです。 実在の人物、団体等とは一切関係ありません。 ※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨 ので、ここで新しく書き直します…。 (他の場所でも、1カ所書いていますが…)

部室強制監獄

裕光
BL
 夜8時に毎日更新します!  高校2年生サッカー部所属の祐介。  先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。  ある日の夜。  剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう  気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた  現れたのは蓮ともう1人。  1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。  そして大野は裕介に向かって言った。  大野「お前も肉便器に改造してやる」  大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…  

エレベーターで一緒になった男の子がやけにモジモジしているので

こじらせた処女
BL
 大学生になり、一人暮らしを始めた荒井は、今日も今日とて買い物を済ませて、下宿先のエレベーターを待っていた。そこに偶然居合わせた中学生になりたての男の子。やけにソワソワしていて、我慢しているというのは明白だった。  とてつもなく短いエレベーターの移動時間に繰り広げられる、激しいおしっこダンス。果たして彼は間に合うのだろうか…

処理中です...