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第1章表 神隠し
女浪人
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翌朝。まだ日も上がらない朝、朝食の用意をしてくれていた女将に連泊の旨を伝え、柊とともに狩りに出かける。さっそく北側へ駆け、20分後、俺と柊は山の奥へと入り込んでいた。
「光の性質がある私に普通についてこれるのがおかしいと思うんですよ」
「そうか?」
「まったく…」
「いるぞ」
「鹿ですね」
弓を構える柊、先手は柊に譲る。弓の弦に光が纏い、それがどんどんと弓全体に伝わっていく。刀に纏わせるのは早いが、弓は結構時間がかかるらしい。
柊が放った矢は正確に狙っていた頭部を射抜いた。
早いな。人間の身体から出せる矢の速さではない。前にも見せてもらったが、やはり光の性質というのはかなり強い部類の力なのかもしれない。
「相変わらずいい腕だな」
「仁の方が狩猟は簡単そうにやってるけどね」
「まあ、そりゃあな。近づいて斬るだけだから簡単だ」
「意味不明なんだけど」
ぶつくさ文句を垂れている柊だが、次は俺が行くぞと声をかける。次の獲物を探していると視界に四足歩行の生き物が目に入った。
「あれは、狼か?」
「狼だね」
おお、現代日本では絶滅種の狼にあえるとは。
「珍しいね」
「珍しい?」
「うん、害獣だから結構討伐されてたりするんだよ。倒しとく?」
そういうことか。鹿が増えすぎて田畑を荒しまわる害獣になるってことを知らなければ、確かに狼は狩猟の邪魔で家畜を攻撃する害獣だろう。ある程度減った状態なら問題ないとは思う。
「いや、無視しておこう」
「無視するの?」
「ああ」
柊は不満げな顔だが、何も聞き返すことなく、俺の指示に従ってくれた。どちらが正義かと言われたら答えられる自信はない。だが、必要以上の殺生だと考えると実行したくはなかった。
「いるな、それも大きい」
「雄だね。まるで妖みたいな大きさだけど、麒麟ならもっと大きいはず」
「麒麟ね」
中国の幻獣の名前じゃないか。むしろ神聖な存在とかじゃなかったか?
「ひとまず斬る」
縮地を使って30mほど離れた場所へ2秒で到達。鹿は逃げ始めるが、その前方に着地し、振り向きざまに一太刀。
「よし」
「…全然参考にならないんだけど」
「すまんな」
稽古のための狩猟じゃないからな。
血抜きして比較的軽くなった獲物の2匹を頭に乗せて担ぐ。
「昨日みたいにぼったくられないでよね」
「その辺は大丈夫だ。多少ぼったくられるくらいだ」
「…どういうこと?」
「先を見据えた選択だと思ってくれ」
昨日の取引は野次馬が多少いた。そしてその中には高齢の女性もいた。いわゆるおばちゃんたちの井戸端会議というやつで、多少なりとも噂が町の中を飛び交ったはずだ。
「———とまあ、こういうわけだ」
「えー」
「まだ値段を釣り上げてくれる人がいただろうが、路銀を増やすために時間効率の悪い取引はしたくはない。これでいいんだよ」
鹿は猪よりも取引額が高い。昨日の取引相手は2頭で小判3枚を提示した。もちろん断ってすぐ近くに来ていた他の取引相手が2頭で小判7枚でどうかと話を持ちかけてきた。俺はそこで取引を終わらせた。
「あの2頭なら大判までいったのに」
「だろうな、だが、話をふっかけ続けると余計な恨みも買いそうだ。それに明日また卸しに行けば市場価格に少しずつ近づくはずだろう」
もっとも、明日は狩りにはいかないがな。これである程度の路銀は手に入った。本来なら大人数人で何日かで狩猟してくるような大物だ。そうぽんぽんと卸していたら下落必至だ。
「さてと、約束通り稽古をつけたいのだが、ちょっと用事がある。少し遠回りをするぞ」
「いいよ」
俺は宿屋への近道をぐるっと回って宿屋につく。俺たちをつけていた者はその遠回りの道を平然とついてきていた。泥棒の類ではないのか。俺と柊は宿屋へ入り、俺はすぐさま出た。
「何か用か?」
「っ!?痛っ!」
女だった。
宿屋の入り口が閉まって、女は開けようとした瞬間に開いたのだ。驚いて当然だが、まさか尻餅をつくほど驚くとは思わなかった。
「武士、…いや、浪人か?」
珍しい。この世界に来てまだ日が浅いが、浪人はすべて男だった。身なり的にはどこかに雇われているような見た目だが、服のところどころがほつれている。あと、ほんのちょっと匂う。風呂入ってんのか?
「わ、私は旅をしている者であります。先ほどの会話を聞き、なんとか師事できないかと考え、その、少し、ええっと、つけさせていただきました!」
「つけさせていただきましたってなんだよ。普通に不審者だろうが」
「そんなあ…」
なんていうかアホっぽいな。見た目はかなり美人の類だが、美人の前に残念なという形容詞がくっつきそうだ。
「その、あの場では迷惑がかかると思いまして」
「今まさに迷惑をかけている」
「あ…」
通行人や宿の従業員が野次馬のようにこっちを眺めている。見世物じゃないぞ。
「柊」
「…仁さんも男ですからね」
女浪人の胸元を睨みつけながら言わなくてもいいだろう。
「場所を移すぞ」
宿を出て、昨日柊と戦った空き地に移動する。
「それで?何を見て師事しようなどと考える?」
「あれだけの大物を担いでやってくる者など、あなた様を除いて他にいないからです」
「俺も若輩者だ。人に教えられるほどの力量は持ち合わせていない」
「後ろの方は教え子ではないのでしょうか?」
なかなか鋭い観察眼を持っている。嘘は通じなさそうだな。柊だけでも師事するのを躊躇しているのに、他にもう1人を弟子に取るなんて真っ平御免だ。俺自身が努力して培ったものではないものの教えを請われてもやる気が出ない。柊は世話になったお礼もあって弟子入りを許可したが、俺は弟子なんて取りたくない。
「悪いが弟子は間に合っている。俺は誰ともしれない奴を弟子入りさせるほどの博愛的な考えを持ち合わせてはいない」
「身の回りのことはなんでもいたします!靴も舐めて綺麗にいたします!今なら私の財産すべて大判1枚も進呈いたします!」
金のことを大声で話すなよ。野次馬めっちゃ寄ってくるじゃねえか。しかもその中にガラの悪い人間もちらほら混ざっていやがる。
「おいおい兄ちゃん。べっぴんさん捕まえてカツアゲか?」
「クズ男はこの松本領には必要ねえなあ」
これ仕組まれてるのかと疑うレベルだぞ。あれだろ、キャバクラでセクハラしたら出てくるグラサンかけた怖いボディーガードみたいな感じだ。キャバクラなんて行ったことないけども。なぜこういう連中は都合の悪いところの話を聞かないのか。
「嬢ちゃんもこんな奴に関わらん方が———」
「触らないでください」
「お、おい、こんな奴に———」
「私に話しかけないでください」
柊は俺の影に身を隠す。半分キレ気味だな。いや、これキレてるな。実力見せて黙らせてほしいって顔に書いてある。俺はため息を吐いてから仕方なく刀を抜く。男たちはぎょっとするが、そのまま男たちと戦うことはせず、女浪人の方へ斬りかかる。女浪人はとっさに抜刀し、鍔迫り合いに持ち込んできた。
「ほう、これを止めるか」
「くっ…」
「ふん!」
刀で押して女浪人を吹き飛ばす。空き地の木の幹に着地し、木を蹴って壁蹴りの容量で女浪人は俺に斬りかかる。身体能力はなかなかなものだ。性質なしの柊を凌ぐか。俺は斬撃すべてを避け、蹴りの攻撃も避ける。さらに鞘も使って二刀流で舞うように攻撃してくる女浪人の攻撃を避け続けた。
「強いな」
「どういたしまして」
「ほんじゃ」
俺は本気で下から振り上げた一太刀で女浪人の刀を弾き飛ばした。
「これで終わりだな」
女浪人は目を見開いて固まっていた。
「俺に師事を請う必要はないと思うが?」
「い、いえ、とても素晴らしいです。手も足も出ませんでした」
「俺はお前を弟子に取る必要がないと判断した」
「そ、それでも、私は完膚なきまでに敗北しました」
「敗北の仕方が弟子を取る理由にはならない」
俺は宙に飛ばした刀を取り、女浪人に渡す。女浪人は刀を見つめしぶしぶ受け取った。俺に絡んできた男2人以外の野次馬から拍手が起こる。そういうのいらねえから。
「再三言わせてもらうが、俺はお前を弟子には取らん。以上だ。で、おっさんたち、俺に何か用か?」
「い、いや、なんでもねえ」
「弟子取ろうとしていたのか、ははは…」
「私諦めませんから!靴舐め回してでも弟子になります」
「行こう。私あの人嫌い」
柊が拗ねちまった。確かに柊より女浪人の方が強かったが、柊は歳の割には相当強い。自分より3、4歳上の相手にも引けを取らなかっただけに、村で育ったプライドを刺激されたのだろう。来年にはあの程度の実力は抜いているだろう。
剣術に限れば…。
「光の性質がある私に普通についてこれるのがおかしいと思うんですよ」
「そうか?」
「まったく…」
「いるぞ」
「鹿ですね」
弓を構える柊、先手は柊に譲る。弓の弦に光が纏い、それがどんどんと弓全体に伝わっていく。刀に纏わせるのは早いが、弓は結構時間がかかるらしい。
柊が放った矢は正確に狙っていた頭部を射抜いた。
早いな。人間の身体から出せる矢の速さではない。前にも見せてもらったが、やはり光の性質というのはかなり強い部類の力なのかもしれない。
「相変わらずいい腕だな」
「仁の方が狩猟は簡単そうにやってるけどね」
「まあ、そりゃあな。近づいて斬るだけだから簡単だ」
「意味不明なんだけど」
ぶつくさ文句を垂れている柊だが、次は俺が行くぞと声をかける。次の獲物を探していると視界に四足歩行の生き物が目に入った。
「あれは、狼か?」
「狼だね」
おお、現代日本では絶滅種の狼にあえるとは。
「珍しいね」
「珍しい?」
「うん、害獣だから結構討伐されてたりするんだよ。倒しとく?」
そういうことか。鹿が増えすぎて田畑を荒しまわる害獣になるってことを知らなければ、確かに狼は狩猟の邪魔で家畜を攻撃する害獣だろう。ある程度減った状態なら問題ないとは思う。
「いや、無視しておこう」
「無視するの?」
「ああ」
柊は不満げな顔だが、何も聞き返すことなく、俺の指示に従ってくれた。どちらが正義かと言われたら答えられる自信はない。だが、必要以上の殺生だと考えると実行したくはなかった。
「いるな、それも大きい」
「雄だね。まるで妖みたいな大きさだけど、麒麟ならもっと大きいはず」
「麒麟ね」
中国の幻獣の名前じゃないか。むしろ神聖な存在とかじゃなかったか?
「ひとまず斬る」
縮地を使って30mほど離れた場所へ2秒で到達。鹿は逃げ始めるが、その前方に着地し、振り向きざまに一太刀。
「よし」
「…全然参考にならないんだけど」
「すまんな」
稽古のための狩猟じゃないからな。
血抜きして比較的軽くなった獲物の2匹を頭に乗せて担ぐ。
「昨日みたいにぼったくられないでよね」
「その辺は大丈夫だ。多少ぼったくられるくらいだ」
「…どういうこと?」
「先を見据えた選択だと思ってくれ」
昨日の取引は野次馬が多少いた。そしてその中には高齢の女性もいた。いわゆるおばちゃんたちの井戸端会議というやつで、多少なりとも噂が町の中を飛び交ったはずだ。
「———とまあ、こういうわけだ」
「えー」
「まだ値段を釣り上げてくれる人がいただろうが、路銀を増やすために時間効率の悪い取引はしたくはない。これでいいんだよ」
鹿は猪よりも取引額が高い。昨日の取引相手は2頭で小判3枚を提示した。もちろん断ってすぐ近くに来ていた他の取引相手が2頭で小判7枚でどうかと話を持ちかけてきた。俺はそこで取引を終わらせた。
「あの2頭なら大判までいったのに」
「だろうな、だが、話をふっかけ続けると余計な恨みも買いそうだ。それに明日また卸しに行けば市場価格に少しずつ近づくはずだろう」
もっとも、明日は狩りにはいかないがな。これである程度の路銀は手に入った。本来なら大人数人で何日かで狩猟してくるような大物だ。そうぽんぽんと卸していたら下落必至だ。
「さてと、約束通り稽古をつけたいのだが、ちょっと用事がある。少し遠回りをするぞ」
「いいよ」
俺は宿屋への近道をぐるっと回って宿屋につく。俺たちをつけていた者はその遠回りの道を平然とついてきていた。泥棒の類ではないのか。俺と柊は宿屋へ入り、俺はすぐさま出た。
「何か用か?」
「っ!?痛っ!」
女だった。
宿屋の入り口が閉まって、女は開けようとした瞬間に開いたのだ。驚いて当然だが、まさか尻餅をつくほど驚くとは思わなかった。
「武士、…いや、浪人か?」
珍しい。この世界に来てまだ日が浅いが、浪人はすべて男だった。身なり的にはどこかに雇われているような見た目だが、服のところどころがほつれている。あと、ほんのちょっと匂う。風呂入ってんのか?
「わ、私は旅をしている者であります。先ほどの会話を聞き、なんとか師事できないかと考え、その、少し、ええっと、つけさせていただきました!」
「つけさせていただきましたってなんだよ。普通に不審者だろうが」
「そんなあ…」
なんていうかアホっぽいな。見た目はかなり美人の類だが、美人の前に残念なという形容詞がくっつきそうだ。
「その、あの場では迷惑がかかると思いまして」
「今まさに迷惑をかけている」
「あ…」
通行人や宿の従業員が野次馬のようにこっちを眺めている。見世物じゃないぞ。
「柊」
「…仁さんも男ですからね」
女浪人の胸元を睨みつけながら言わなくてもいいだろう。
「場所を移すぞ」
宿を出て、昨日柊と戦った空き地に移動する。
「それで?何を見て師事しようなどと考える?」
「あれだけの大物を担いでやってくる者など、あなた様を除いて他にいないからです」
「俺も若輩者だ。人に教えられるほどの力量は持ち合わせていない」
「後ろの方は教え子ではないのでしょうか?」
なかなか鋭い観察眼を持っている。嘘は通じなさそうだな。柊だけでも師事するのを躊躇しているのに、他にもう1人を弟子に取るなんて真っ平御免だ。俺自身が努力して培ったものではないものの教えを請われてもやる気が出ない。柊は世話になったお礼もあって弟子入りを許可したが、俺は弟子なんて取りたくない。
「悪いが弟子は間に合っている。俺は誰ともしれない奴を弟子入りさせるほどの博愛的な考えを持ち合わせてはいない」
「身の回りのことはなんでもいたします!靴も舐めて綺麗にいたします!今なら私の財産すべて大判1枚も進呈いたします!」
金のことを大声で話すなよ。野次馬めっちゃ寄ってくるじゃねえか。しかもその中にガラの悪い人間もちらほら混ざっていやがる。
「おいおい兄ちゃん。べっぴんさん捕まえてカツアゲか?」
「クズ男はこの松本領には必要ねえなあ」
これ仕組まれてるのかと疑うレベルだぞ。あれだろ、キャバクラでセクハラしたら出てくるグラサンかけた怖いボディーガードみたいな感じだ。キャバクラなんて行ったことないけども。なぜこういう連中は都合の悪いところの話を聞かないのか。
「嬢ちゃんもこんな奴に関わらん方が———」
「触らないでください」
「お、おい、こんな奴に———」
「私に話しかけないでください」
柊は俺の影に身を隠す。半分キレ気味だな。いや、これキレてるな。実力見せて黙らせてほしいって顔に書いてある。俺はため息を吐いてから仕方なく刀を抜く。男たちはぎょっとするが、そのまま男たちと戦うことはせず、女浪人の方へ斬りかかる。女浪人はとっさに抜刀し、鍔迫り合いに持ち込んできた。
「ほう、これを止めるか」
「くっ…」
「ふん!」
刀で押して女浪人を吹き飛ばす。空き地の木の幹に着地し、木を蹴って壁蹴りの容量で女浪人は俺に斬りかかる。身体能力はなかなかなものだ。性質なしの柊を凌ぐか。俺は斬撃すべてを避け、蹴りの攻撃も避ける。さらに鞘も使って二刀流で舞うように攻撃してくる女浪人の攻撃を避け続けた。
「強いな」
「どういたしまして」
「ほんじゃ」
俺は本気で下から振り上げた一太刀で女浪人の刀を弾き飛ばした。
「これで終わりだな」
女浪人は目を見開いて固まっていた。
「俺に師事を請う必要はないと思うが?」
「い、いえ、とても素晴らしいです。手も足も出ませんでした」
「俺はお前を弟子に取る必要がないと判断した」
「そ、それでも、私は完膚なきまでに敗北しました」
「敗北の仕方が弟子を取る理由にはならない」
俺は宙に飛ばした刀を取り、女浪人に渡す。女浪人は刀を見つめしぶしぶ受け取った。俺に絡んできた男2人以外の野次馬から拍手が起こる。そういうのいらねえから。
「再三言わせてもらうが、俺はお前を弟子には取らん。以上だ。で、おっさんたち、俺に何か用か?」
「い、いや、なんでもねえ」
「弟子取ろうとしていたのか、ははは…」
「私諦めませんから!靴舐め回してでも弟子になります」
「行こう。私あの人嫌い」
柊が拗ねちまった。確かに柊より女浪人の方が強かったが、柊は歳の割には相当強い。自分より3、4歳上の相手にも引けを取らなかっただけに、村で育ったプライドを刺激されたのだろう。来年にはあの程度の実力は抜いているだろう。
剣術に限れば…。
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