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第1章表 神隠し
異世界事情
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助けた村人の兄妹。兄は榎、妹は柊というらしい。俺もこちらの世界での名前、須之仁と名乗っておいた。彼ら曰く変わった名前とのこと。だろうな。俺も変だと思うし、名付け親の神も加護を与えるせいで無理やりとか言っていた。
遺体の片付け、弔い、家を失った者の寝屋の準備。昼間から続けて3時間ほどで済んだ。というのも狩猟に出ていた男たちが戻って来ていたからだ。そこで一悶着あったが、兄妹や他の女性や子どもたちが説得してくれた。男手がなんとか足りたので、色々と動き回る結果となった。
制服が汚れまくっていたから夕刻には衣服をもらったり、飯をもらったり、確実に乞食になりながらも普段の通りとはいかないが、ようやく腰を落ちつけるタイミングが来た。
村長が酒を持ってきた。
「親に二十歳まで飲むなと言われているので」
若気の至りでお酒を飲んでみたいという同世代もいるだろうが、酔った拍子に何か口を滑らせそうなので遠慮していく。飲んでみたい気持ちもあることにはある。
「そうですか、厳しい親御さんですか」
「どうでしょうね」
「いやいや、さぞ厳しい稽古をなされたのでしょう」
まったくしていないけどな。嘘発見器みたいなアイテムがあったら嫌だから答えないところは黙秘するか話題を変えよう。体つき見て、どうみても現代っ子高校生男子に過ぎないからな。体育の授業で5とるくらいには運動はできるが、村人のゴリマッチョさに比べればひょろいひょろい。
「そういえば、大きな街はどの方面行けばいいんだ?山で迷子は遠慮したいし」
「須之仁殿は本当に唐突の行脚を始めたのですな」
「まあ、成り行きで」
村長はちょっと待ってて欲しいと言った後に隣の部屋から大きな地図を持って来ていた。国の地図ではなく、ここら一帯の地図らしい。すぐに自分の飛ばされた場所や歩いて来た道のりを確認できる。
「こちらは松本氏の領地です」
「松本?」
「ええ、それから南に諏訪氏、北東は長野氏の領地がありますな。そしてここは信濃の地ですな」
長野県か。これは表裏の世界と考えたほうがいいのかもしれない。タイムスリップの可能性はない。長野業正(*上野国)は聞いたことあるが、他の地の戦国武将はわからない。だから過去の世界どうかの証明にはならないが、長野は戦国時代は信州と呼んだはずだ。川中島の戦いでそう書いてあった記憶がある。諏訪という武将とかいたのだろうか、歴史マニアじゃないしそこまでは知らんな。
「大きい街なら徳川氏の領地ですな。しかし、ここから尾張の徳川領までの道は先週の台風で何箇所も土砂崩れをしていましてとても通れるものではないかと」
「尾張は遠いな。だが、京に向かうには通るべきなのか」
「おお、京ですか。そういえば結構田舎の方の出身とのことでしたな。松本の城下には”界門”というものがありまして、一瞬で京に移動できる門がございます」
何!?
いわゆる瞬間移動、ゲームなら確かファストトラベルとか言ったか?もしそんなものが存在するなら、どこからでもこの地へ一瞬で来れることになる。
「一番近い界門とやらは松本領にあるのか?」
「ええ、それ以外ですと長野と諏訪がありますが少々距離がありますな」
「ふむ、行き先は京だけか?」
「ええ、他と繋ぐほどの余裕はさすがにありませんな。尾張であれば、いくつか移動先があったはずですが、私にはわかりませんな」
「なるほどな」
「ですが、利用するためには莫大なお金が必要になりますな。確か希少な物をいくつも浪費するとか」
便利アイテムだが、それ相応の制約もあるのか。
「お金が安く済むのであれば、商人なんて職はありませんからな。松本の方も京への用事くらいでしか使いませんよ」
一般人には縁遠い話なのだろうか。
「一般人には利用可能なのか?」
「ええ、月に一度京との連絡門を開きますよ。ただ、それ相応の額を要求されますがな」
「ふむ」
ようやく就寝だ。酷い目にあった。朝から学校の中間試験を終え、陽毬を攫われ、神隠しをされて、殺し合いをして、両親は心配しているだろうか。
村は大打撃を受け、悲しみに包まれた。
こういうことが日常的に起きるとは思えないが、これからの旅で起きても不思議ではないのかもしれない。本当にファンタジーだろうなあ。どこか、ゲームのような世界に身を置いている感覚になっているのだろうか。でなければ、人を殺してなお平静を保てるのだとしたら、俺は元の世界で、普通の人間と呼べないだろう。自分のことは案外自分ではわからないというが、…実際はいろいろとあるからそれが原因なのかもしれない。
地の匂いか…。
「ひとまず寝ておくか」
眠れないと明日が辛くなる。
翌日、早朝から素振りをする。二刀流で刀を振り回しても体はなかなか疲れないが、素振りは基本だからやっておく。山賊の頭をやるのに苦戦したし、なにより相手は神だ。いくら鍛えても足りないくらいだろう。素振りに関してはおそらく加護の力なのだろう、素振りの仕方なんて全く知らなかったのに今は理解できる。片手ずつ1000回振ることを目標にした。始めは100回でいいかと思っていたが、予想以上に加護の力が強く、まるで疲れないし、100回振るのに1分もかからなかった。確かにこれだけ高速で素振りができるなら、あれだけの運動力を発揮できるというものだ。
「精がでるな」
917回。ちょっと中途半端になってしまった。
「もう少し待っててくれるか?」
「あ、ああ」
そして1分かからないうちに1000回到達した。そして声の主人は榎だった。
「もう終わった。何か?」
「いや、随分と鋭い太刀筋でな。感心していた」
加護のせいだけどな。
「仁は今日か明日には出るのだろう?」
「ああ。だが明日にするよ。今日は狩猟にでも出て肉を取りに行こう。昨日柊と約束したしな」
「そんなことを?」
「うん?ああ」
聞いていないのか。それに狩猟はど素人だ。案内人なしでは不可能だろう。普通は弓とか罠で狩猟するのが当たり前だが、俺が今朝弓を飛ばしても特別な力は発動しなかった。だから近づいて斬る。それだけだ。一瞬で距離を詰める技もあるからどうにかなるだろう。
「そうか、柊がか」
「なんかやることがないとか言っていたが?」
「うん、まあそうだろうな。女手は余っているし、必要なのは男手だ。狩猟は男手だから役立つことには役立つんだがな」
「女の子らしくか?」
「もう14の娘、そろそろ15で成人だ。嫁の貰い手があるのだろうか」
ひとつ下だったのか。小柄な陽毬より小さいから2、3歳くらい下だと思ってた。
「兄心としては複雑だな」
「まあ、な。でも本当にやりたいことならいいのかな」
複雑そうな顔をする。
「兄ちゃん朝ごはんできたよ。あれ?誰かいるの?」
少し遠くから柊が家から出て声をかけてくる。朝焼けの逆光で見えないのかもしれない。小走りで近づいてくる。
「あ、仁さん!」
「おはよう」
「おはようございます」
「今日は頼むよ」
「はい!」
柊は元気だな。俺はなかなかテンションが上がらない。いつもは朝焼けなんて見ないくらい寝ているのに、昨日は熟睡ができなかった。
「今日は炊き出しみたいなことしているのか」
「その、今は村のみんなで一緒に食べてりしないと塞ぎ込んじゃう人もいますから」
「ああ、無遠慮な発言だった」
「いえ、大丈夫ですよ」
人影が少しずつ増えていく。盗賊は飯を奪ってから家屋に火をつけていた。ゆえに今足りないのは住宅で人が減ったから食料は余っているという悲しい状況。食事は頂けるが、タンパク質は主に狩猟ゆえ、穀物だらけになるだろう。それを見越して恩を返すために何匹か狩猟しておきたいと考えた。それに柊も共感してもらった。昨日の狩猟組は村の異変を察して狩猟途中で戻ってきていたしな。
「はい。どうぞ」
「ああ、ありがとう」
肉なし豚汁だな。汁だな。
「うまい」
「よかった」
あまり、長居しないほうがいいな。柊が陽毬と少し被って見えてしまった。
遺体の片付け、弔い、家を失った者の寝屋の準備。昼間から続けて3時間ほどで済んだ。というのも狩猟に出ていた男たちが戻って来ていたからだ。そこで一悶着あったが、兄妹や他の女性や子どもたちが説得してくれた。男手がなんとか足りたので、色々と動き回る結果となった。
制服が汚れまくっていたから夕刻には衣服をもらったり、飯をもらったり、確実に乞食になりながらも普段の通りとはいかないが、ようやく腰を落ちつけるタイミングが来た。
村長が酒を持ってきた。
「親に二十歳まで飲むなと言われているので」
若気の至りでお酒を飲んでみたいという同世代もいるだろうが、酔った拍子に何か口を滑らせそうなので遠慮していく。飲んでみたい気持ちもあることにはある。
「そうですか、厳しい親御さんですか」
「どうでしょうね」
「いやいや、さぞ厳しい稽古をなされたのでしょう」
まったくしていないけどな。嘘発見器みたいなアイテムがあったら嫌だから答えないところは黙秘するか話題を変えよう。体つき見て、どうみても現代っ子高校生男子に過ぎないからな。体育の授業で5とるくらいには運動はできるが、村人のゴリマッチョさに比べればひょろいひょろい。
「そういえば、大きな街はどの方面行けばいいんだ?山で迷子は遠慮したいし」
「須之仁殿は本当に唐突の行脚を始めたのですな」
「まあ、成り行きで」
村長はちょっと待ってて欲しいと言った後に隣の部屋から大きな地図を持って来ていた。国の地図ではなく、ここら一帯の地図らしい。すぐに自分の飛ばされた場所や歩いて来た道のりを確認できる。
「こちらは松本氏の領地です」
「松本?」
「ええ、それから南に諏訪氏、北東は長野氏の領地がありますな。そしてここは信濃の地ですな」
長野県か。これは表裏の世界と考えたほうがいいのかもしれない。タイムスリップの可能性はない。長野業正(*上野国)は聞いたことあるが、他の地の戦国武将はわからない。だから過去の世界どうかの証明にはならないが、長野は戦国時代は信州と呼んだはずだ。川中島の戦いでそう書いてあった記憶がある。諏訪という武将とかいたのだろうか、歴史マニアじゃないしそこまでは知らんな。
「大きい街なら徳川氏の領地ですな。しかし、ここから尾張の徳川領までの道は先週の台風で何箇所も土砂崩れをしていましてとても通れるものではないかと」
「尾張は遠いな。だが、京に向かうには通るべきなのか」
「おお、京ですか。そういえば結構田舎の方の出身とのことでしたな。松本の城下には”界門”というものがありまして、一瞬で京に移動できる門がございます」
何!?
いわゆる瞬間移動、ゲームなら確かファストトラベルとか言ったか?もしそんなものが存在するなら、どこからでもこの地へ一瞬で来れることになる。
「一番近い界門とやらは松本領にあるのか?」
「ええ、それ以外ですと長野と諏訪がありますが少々距離がありますな」
「ふむ、行き先は京だけか?」
「ええ、他と繋ぐほどの余裕はさすがにありませんな。尾張であれば、いくつか移動先があったはずですが、私にはわかりませんな」
「なるほどな」
「ですが、利用するためには莫大なお金が必要になりますな。確か希少な物をいくつも浪費するとか」
便利アイテムだが、それ相応の制約もあるのか。
「お金が安く済むのであれば、商人なんて職はありませんからな。松本の方も京への用事くらいでしか使いませんよ」
一般人には縁遠い話なのだろうか。
「一般人には利用可能なのか?」
「ええ、月に一度京との連絡門を開きますよ。ただ、それ相応の額を要求されますがな」
「ふむ」
ようやく就寝だ。酷い目にあった。朝から学校の中間試験を終え、陽毬を攫われ、神隠しをされて、殺し合いをして、両親は心配しているだろうか。
村は大打撃を受け、悲しみに包まれた。
こういうことが日常的に起きるとは思えないが、これからの旅で起きても不思議ではないのかもしれない。本当にファンタジーだろうなあ。どこか、ゲームのような世界に身を置いている感覚になっているのだろうか。でなければ、人を殺してなお平静を保てるのだとしたら、俺は元の世界で、普通の人間と呼べないだろう。自分のことは案外自分ではわからないというが、…実際はいろいろとあるからそれが原因なのかもしれない。
地の匂いか…。
「ひとまず寝ておくか」
眠れないと明日が辛くなる。
翌日、早朝から素振りをする。二刀流で刀を振り回しても体はなかなか疲れないが、素振りは基本だからやっておく。山賊の頭をやるのに苦戦したし、なにより相手は神だ。いくら鍛えても足りないくらいだろう。素振りに関してはおそらく加護の力なのだろう、素振りの仕方なんて全く知らなかったのに今は理解できる。片手ずつ1000回振ることを目標にした。始めは100回でいいかと思っていたが、予想以上に加護の力が強く、まるで疲れないし、100回振るのに1分もかからなかった。確かにこれだけ高速で素振りができるなら、あれだけの運動力を発揮できるというものだ。
「精がでるな」
917回。ちょっと中途半端になってしまった。
「もう少し待っててくれるか?」
「あ、ああ」
そして1分かからないうちに1000回到達した。そして声の主人は榎だった。
「もう終わった。何か?」
「いや、随分と鋭い太刀筋でな。感心していた」
加護のせいだけどな。
「仁は今日か明日には出るのだろう?」
「ああ。だが明日にするよ。今日は狩猟にでも出て肉を取りに行こう。昨日柊と約束したしな」
「そんなことを?」
「うん?ああ」
聞いていないのか。それに狩猟はど素人だ。案内人なしでは不可能だろう。普通は弓とか罠で狩猟するのが当たり前だが、俺が今朝弓を飛ばしても特別な力は発動しなかった。だから近づいて斬る。それだけだ。一瞬で距離を詰める技もあるからどうにかなるだろう。
「そうか、柊がか」
「なんかやることがないとか言っていたが?」
「うん、まあそうだろうな。女手は余っているし、必要なのは男手だ。狩猟は男手だから役立つことには役立つんだがな」
「女の子らしくか?」
「もう14の娘、そろそろ15で成人だ。嫁の貰い手があるのだろうか」
ひとつ下だったのか。小柄な陽毬より小さいから2、3歳くらい下だと思ってた。
「兄心としては複雑だな」
「まあ、な。でも本当にやりたいことならいいのかな」
複雑そうな顔をする。
「兄ちゃん朝ごはんできたよ。あれ?誰かいるの?」
少し遠くから柊が家から出て声をかけてくる。朝焼けの逆光で見えないのかもしれない。小走りで近づいてくる。
「あ、仁さん!」
「おはよう」
「おはようございます」
「今日は頼むよ」
「はい!」
柊は元気だな。俺はなかなかテンションが上がらない。いつもは朝焼けなんて見ないくらい寝ているのに、昨日は熟睡ができなかった。
「今日は炊き出しみたいなことしているのか」
「その、今は村のみんなで一緒に食べてりしないと塞ぎ込んじゃう人もいますから」
「ああ、無遠慮な発言だった」
「いえ、大丈夫ですよ」
人影が少しずつ増えていく。盗賊は飯を奪ってから家屋に火をつけていた。ゆえに今足りないのは住宅で人が減ったから食料は余っているという悲しい状況。食事は頂けるが、タンパク質は主に狩猟ゆえ、穀物だらけになるだろう。それを見越して恩を返すために何匹か狩猟しておきたいと考えた。それに柊も共感してもらった。昨日の狩猟組は村の異変を察して狩猟途中で戻ってきていたしな。
「はい。どうぞ」
「ああ、ありがとう」
肉なし豚汁だな。汁だな。
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