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マズいマズいマズいマズいマズいィィイィ!
神速で思考するジェロニモは──
「ミマヨを殺せっ!」
「ははっ!」
マオカラースーツ十二人と隠れ信者三十人が迫撃砲のようにミマヨに躍りかかるや壁を背にしたミマヨの一八〇度全ての視界は上まで続く無数のTの壁で覆われた──血飛沫、血煙、絶叫──Tの塔に特攻して行く信者たち──数十秒後、ミマヨから半径二メートルの外側にはバラバラになった四十二人分の肉片が山積みになっていた。
全て頭部を粉砕され心臓を潰されていた。
ミマヨを抱き抱え肉片の山から脱出するT。
嘔吐する者が複数いる中、ミマヨは運命を受け入れたように落ち着いていた。
「悪ぃ。パーティーがメチャクチャになっちまった」
「最初からこうなるってわかってたくせに」
アメリカで再会したとき、Tはミマヨに囮になってくれと頼み、ミマヨは喜んで引き受けたのだった。
ミマヨを殺させる気は更々なかったとは言え──悦子は囮にしないがミマヨは囮にするTだった。
「ジェロニモの奴、逃げたな」
強化ガラス壁の一つに砲弾で空けたような穴が出来ていて、そこから風が吹き込んでいた。
「どうするの?」
「追いかけて、殺して食う」
既に招待客たちの脱出が始まっていた。
ふと見ると一人だけ両掌両膝をつき悄然としている男がいる。
ミマヨの芸能事務所の社長だった。
「なんてことだ……ああ……もう終わりだ……こんなことになるなんて……どうしたらいいんだ私は……」
「いよぉ~っ、しゃっちょさ~ん。なに落ち込んでんだよ?」
「丁陀……いやTさんか……あんたミマヨを守るためにマネージャーになってたんだな、ありがとうよ、ミマヨを守ってくれて……でもこうなってしまってはな……」
「あんたにとっちゃ、ミマヨは大事な金蔓だもんなぁ~。聞いたぜ、今日のパーティーのメインイベントはミマヨの競りだったんだろ、競りに勝った奴がミマヨとのワンナイトラブの権利をもらえることになってたんだってな。全く酷え話だぜ。ミマヨは上級国民の玩具かよ。プチエンジェル事件も真っ青の人権無視の闇イベントじゃねえか」
「そ、それは……」
「あんた他にも色々とミマヨに枕を強要してきたそうじゃあねえか。政界・官界・財界のお偉方とのよ。ハッキリ言ってムカついてんだぜオレは。なんか絶望してるみたいだから今この場でついでに殺してやってもいいぞ?」
神速で思考するジェロニモは──
「ミマヨを殺せっ!」
「ははっ!」
マオカラースーツ十二人と隠れ信者三十人が迫撃砲のようにミマヨに躍りかかるや壁を背にしたミマヨの一八〇度全ての視界は上まで続く無数のTの壁で覆われた──血飛沫、血煙、絶叫──Tの塔に特攻して行く信者たち──数十秒後、ミマヨから半径二メートルの外側にはバラバラになった四十二人分の肉片が山積みになっていた。
全て頭部を粉砕され心臓を潰されていた。
ミマヨを抱き抱え肉片の山から脱出するT。
嘔吐する者が複数いる中、ミマヨは運命を受け入れたように落ち着いていた。
「悪ぃ。パーティーがメチャクチャになっちまった」
「最初からこうなるってわかってたくせに」
アメリカで再会したとき、Tはミマヨに囮になってくれと頼み、ミマヨは喜んで引き受けたのだった。
ミマヨを殺させる気は更々なかったとは言え──悦子は囮にしないがミマヨは囮にするTだった。
「ジェロニモの奴、逃げたな」
強化ガラス壁の一つに砲弾で空けたような穴が出来ていて、そこから風が吹き込んでいた。
「どうするの?」
「追いかけて、殺して食う」
既に招待客たちの脱出が始まっていた。
ふと見ると一人だけ両掌両膝をつき悄然としている男がいる。
ミマヨの芸能事務所の社長だった。
「なんてことだ……ああ……もう終わりだ……こんなことになるなんて……どうしたらいいんだ私は……」
「いよぉ~っ、しゃっちょさ~ん。なに落ち込んでんだよ?」
「丁陀……いやTさんか……あんたミマヨを守るためにマネージャーになってたんだな、ありがとうよ、ミマヨを守ってくれて……でもこうなってしまってはな……」
「あんたにとっちゃ、ミマヨは大事な金蔓だもんなぁ~。聞いたぜ、今日のパーティーのメインイベントはミマヨの競りだったんだろ、競りに勝った奴がミマヨとのワンナイトラブの権利をもらえることになってたんだってな。全く酷え話だぜ。ミマヨは上級国民の玩具かよ。プチエンジェル事件も真っ青の人権無視の闇イベントじゃねえか」
「そ、それは……」
「あんた他にも色々とミマヨに枕を強要してきたそうじゃあねえか。政界・官界・財界のお偉方とのよ。ハッキリ言ってムカついてんだぜオレは。なんか絶望してるみたいだから今この場でついでに殺してやってもいいぞ?」
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