111 / 155
111
しおりを挟む
盛肚の怒気が伝わったのか、不意にミマヨがこっちを見た。
その顔は今までに見たこともないような冷酷な表情をしていた。
ミマヨは上体を起こした。
「ねぇ、こいつも国素みたいにするんでしょ」
国素みたいに? ちょっと待て! 今この女、わしのことこいつって言ったろ!
「ピンポーン」
そう言いながらTは右手人差し指でミマヨの左乳首を押した。
「アッハーン」
Tの上で下腹部を擦り付けるようにくねらせるミマヨ。
「くっ。おいおい、そんな声出したら、もう一回戦始まっちまうぞ?」
笑いながら重さを感じさせない動きで軽々とミマヨを腰の上からどかすと、Tはひらりとベッドの脇に降り立った。
逸物をおっ立てたままのTは、醜い全裸で横たわる盛肚を見下ろす。
「おい爺さん、散々いい思いしたんだ、もう思い残すことはねえだろう」
「じ、爺さん、だと……わ、わしが誰だか」
「わかってるよ。K団連の盛肚だろ」
ベッドの上でうつ伏せの姿勢で頬杖をついたミマヨが、鼠をいたぶる雌猫のような目でこっちを見ている。
「ぬうう。知っておったか。もしやきさま、ミマヨを使ってわしを狙っておったのか」
「狙う? おまえをか? ハッ! 笑わせるな。おまえなんぞに興味あるわけねえだろボケ。何が悲しゅうて、おまえみたいな汚いジジイのストーカーせにゃならんのよ。ミマヨと会う約束してたから来たら、おまえがいたんだよ。こっちが逆に聞きたいわ、何でおまえがいるの? おまえとミマヨじゃ一ミリも釣り合い取れんだろ、鏡見ろよ」
ミマヨがケラケラ笑っている。
「おいっ! きさまっ! わしを侮ると後悔するぞ……! いいか! わしが一声かければ、きさまごときチンピラなど、跡形もなくこの世から消し去ることなど雑作もないのだぞっ!」
「ストォーップストップ! 盛肚くん。あのさ~、おまえらそれテンプレか何かなのか? 既視感がハンパねぇんだけど。まぁいいや。おしゃべりは終わりだ」
「こっ、ここでわしを殺すというのかっ。そんなことしてみろっ、きさまはともかくミマヨはおしまいだぞっ。このマンションの防犯カメラにはわしの姿が映っておる。わしがこのまま消息を絶てば、誰がどう考えたって、ミマヨに嫌疑がかかるからな!」
「そんな間抜けなことするかよ」
爽やかに笑いながらTが言った。
「フッ、フフッ。さすがにそこまで馬鹿ではなかったか。ならばどう」
Tは右中高一本拳を盛肚の頭部に打ち込んだ。
その手を戻したとき、白目を剥いた盛肚の額中央には一センチほどの深さの窪みが出来ていた。
外出血はなかったが、頭蓋内出血が始まっていた。
既に意識を失っているが、放っておけば数時間で本当に死ぬ。
ミマヨは何の不安も感じずに、これからTが何をするのか、ワクワクしながら見守っていた。
その顔は今までに見たこともないような冷酷な表情をしていた。
ミマヨは上体を起こした。
「ねぇ、こいつも国素みたいにするんでしょ」
国素みたいに? ちょっと待て! 今この女、わしのことこいつって言ったろ!
「ピンポーン」
そう言いながらTは右手人差し指でミマヨの左乳首を押した。
「アッハーン」
Tの上で下腹部を擦り付けるようにくねらせるミマヨ。
「くっ。おいおい、そんな声出したら、もう一回戦始まっちまうぞ?」
笑いながら重さを感じさせない動きで軽々とミマヨを腰の上からどかすと、Tはひらりとベッドの脇に降り立った。
逸物をおっ立てたままのTは、醜い全裸で横たわる盛肚を見下ろす。
「おい爺さん、散々いい思いしたんだ、もう思い残すことはねえだろう」
「じ、爺さん、だと……わ、わしが誰だか」
「わかってるよ。K団連の盛肚だろ」
ベッドの上でうつ伏せの姿勢で頬杖をついたミマヨが、鼠をいたぶる雌猫のような目でこっちを見ている。
「ぬうう。知っておったか。もしやきさま、ミマヨを使ってわしを狙っておったのか」
「狙う? おまえをか? ハッ! 笑わせるな。おまえなんぞに興味あるわけねえだろボケ。何が悲しゅうて、おまえみたいな汚いジジイのストーカーせにゃならんのよ。ミマヨと会う約束してたから来たら、おまえがいたんだよ。こっちが逆に聞きたいわ、何でおまえがいるの? おまえとミマヨじゃ一ミリも釣り合い取れんだろ、鏡見ろよ」
ミマヨがケラケラ笑っている。
「おいっ! きさまっ! わしを侮ると後悔するぞ……! いいか! わしが一声かければ、きさまごときチンピラなど、跡形もなくこの世から消し去ることなど雑作もないのだぞっ!」
「ストォーップストップ! 盛肚くん。あのさ~、おまえらそれテンプレか何かなのか? 既視感がハンパねぇんだけど。まぁいいや。おしゃべりは終わりだ」
「こっ、ここでわしを殺すというのかっ。そんなことしてみろっ、きさまはともかくミマヨはおしまいだぞっ。このマンションの防犯カメラにはわしの姿が映っておる。わしがこのまま消息を絶てば、誰がどう考えたって、ミマヨに嫌疑がかかるからな!」
「そんな間抜けなことするかよ」
爽やかに笑いながらTが言った。
「フッ、フフッ。さすがにそこまで馬鹿ではなかったか。ならばどう」
Tは右中高一本拳を盛肚の頭部に打ち込んだ。
その手を戻したとき、白目を剥いた盛肚の額中央には一センチほどの深さの窪みが出来ていた。
外出血はなかったが、頭蓋内出血が始まっていた。
既に意識を失っているが、放っておけば数時間で本当に死ぬ。
ミマヨは何の不安も感じずに、これからTが何をするのか、ワクワクしながら見守っていた。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説



ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。


淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる