超人ゾンビ

魚木ゴメス

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 傍らで突っ立っている女の右腕を掴むと二階へ降りて行く。

「キャアァァアアア!」

 女が絶叫をあげる。

 そこはブタの屠殺場のようだった。

 普段、組員たちがたむろしているその部屋の中には、大唾や荒異と同様、両眉の上をなぞるように四つの穴を穿うがたれた十六人の男たちが転がっていた。

「さっさと歩くんですよ。風呂場は一階にあるんですよね」

 一階に降りると真っ直ぐ風呂場に向かう。

「早く脱いで。そこの洗濯機にでも入れときなさい」

 女は豹柄の長袖シャツと豹柄スパッツを脱いだ。

 その中には脱糞した大便がこんもり入っていた。

「アッハッハ! そんなとこにウンコなんかしちゃってぇ! だらしないですねぇ! ところであなた名前は?」

「……リナ」

「リナ、先に入りなさい」

 糞まみれの尻をこっちに向けて、リナがガララっと音を立ててりガラスの引き戸を開ける。

 内部はちょっとした銭湯のようだった。

 広い浴槽と接する壁面にはご丁寧に富士山の絵が描かれている。

「お湯は入ってないな……まぁいい。さ、リナ。さっさと体を洗いなさい」

 リナは体を洗い始めた。

 それにしても本当に良い体だ。

 肌の色は普通だが、Fカップはあるがね型の重そうな乳房だった。

 それらが体を洗う動きに合わせてプルンプルン揺れている。

 コロンとした薄茶色の乳首はツンと上を向いている。

「もういいですか。ちゃんと洗えましたか。ちょっとでもウンコの臭いがしたら殺しますよ」

「ひいっ」

 ラストスパートをかけるように必死で下半身を擦りだした。

「……終わりました」

「こっちを向きなさい」

 ヤクザの組長の情婦だけあって、下手に乳や陰部を隠そうとせず、直立の姿勢をとった。

「!!」

 リナの目が丸くなった。

 集金人は裸だった。

 知らない男の裸くらいで驚くリナではない。

 風呂場に入るとき集金人は服を着ていた。

 どこにも脱ぎ捨てた服がない。

 いぶかしむリナの目が一点にまる。

 集金人のシンボルが屹立きつりつしていた。

 確かにデカい。

 そこだけはイケメンだった。

「母乳は出るの?」

「出ません」

 この男はほんとにそれしか頭にないのか、とリナは思った。

「あっそ。じゃあやっぱり出るようになるまで吸ってあげるしかないですねぇ」

 寒気さむけが走った。

 集金人は両手を肩の高さに上げ、両掌をリナに向け、揉む仕草をしながら近づいてくる。

「い、いやああ」

「何を嫌がってるんです? 私におっぱいを吸われるなんてこれ以上ない光栄なことなんですよ?」

 じりじり距離が縮まってくる。

 掌を開閉するときに生じる風が、徐々に乳房に当たりだした。

「あああ……」
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