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「あ~あ。指が灰で汚れちゃいましたよ。ペナルティーとしてもう三千万円払ってもらいますよ」
「んなっ…」
「なんてね。冗談だよ。おい、会長はどこだ?」
「てっ、てめえ!」
「はよ言えや」
「ぶべらっ!」
集金人の右バックハンドブローでソファーの遥か後方にすっ飛ぶ。
「なに勝手に遠くまで飛んでんだよ。めんどくせえなぁ」
「い、いばのば、おばえば……」
今のは、おまえが……と言おうとしたのだが、前歯が数本折れていて正確に発音できなかった。
集金人は仰向けに倒れている荒異に歩み寄り、右足でその右上腕を踏むと一気にへし折った。
「ぐがあっ!」
「だから早く言えよ。残りの腕と足も折るぞ?」
「ぐっ……がっ……がいじょうじづ(会長室)……ぶえ(上)……」
「いるんだな、今」
「……いる」
「よし、つりは要らねえ、とっとけ」
右足で腹を踏みつけた。
「ぐぼおっ!」
口からゲロを吐き荒異は気絶した。
会長室と書かれたプレートの付いたドアを開けると正面五メートルほど奥に黒く光沢を放つプレジデントデスクがあり、その向こうに黒革のデスクチェアに座った五十代くらいの目付きの悪い男と、その膝の上に乗った豹柄ずくめの若い女がいた。
男のほうは見た目は五十代でも実際は七十代のはずだった。
成功したヤクザ特有の若々しさがある。
「なんだてめえは?」
「こんちわー。NHKの受信料を頂きに参りましたー」
「なんだと?」
「あーもういいやこれ。おい、おまえ蛮神会の会長だよな」
聞くまでもなかった。
会長室で女といちゃついている男が会長でないはずがない。
蛮神会会長、大唾(おおた)は女を膝から降ろした。
「てめえは誰だ?」
「光源氏だって言えば満足するか?」
「何こいつ。キモッ。会長、こんな奴さっさと撃ち殺しちゃいなよぉ!」
「お嬢さん、いいおっぱいしてますねぇ。会長さんぶっ殺したあとで、その美味しそうなおっぱいを母乳が出るようになるまで吸ってあげますよ。それとももう出るのかな?」
「ゲェーッ! マジこいつキモい! 会長ぉ! 早く殺っちゃってよぉ!」
「ちょっと黙ってろ! おい、下の奴らはどうした? まさかてめえデカか?」
「デカ? ああ、私のちんぽはそりゃあもうデカいですよ。お嬢さん、会長さんぶっ殺したあとで、お嬢さんの下の口にたっぷりぶち込んであげますから、楽しみに待っていなさい」
「この野郎……てめえどう見てもデカじゃねえな……」
「だから光源氏だって言ってんだろ」
「舐めやがって……おい、こいつを見ろ」
大唾の右手には黒光りする拳銃が握られていた。
「んなっ…」
「なんてね。冗談だよ。おい、会長はどこだ?」
「てっ、てめえ!」
「はよ言えや」
「ぶべらっ!」
集金人の右バックハンドブローでソファーの遥か後方にすっ飛ぶ。
「なに勝手に遠くまで飛んでんだよ。めんどくせえなぁ」
「い、いばのば、おばえば……」
今のは、おまえが……と言おうとしたのだが、前歯が数本折れていて正確に発音できなかった。
集金人は仰向けに倒れている荒異に歩み寄り、右足でその右上腕を踏むと一気にへし折った。
「ぐがあっ!」
「だから早く言えよ。残りの腕と足も折るぞ?」
「ぐっ……がっ……がいじょうじづ(会長室)……ぶえ(上)……」
「いるんだな、今」
「……いる」
「よし、つりは要らねえ、とっとけ」
右足で腹を踏みつけた。
「ぐぼおっ!」
口からゲロを吐き荒異は気絶した。
会長室と書かれたプレートの付いたドアを開けると正面五メートルほど奥に黒く光沢を放つプレジデントデスクがあり、その向こうに黒革のデスクチェアに座った五十代くらいの目付きの悪い男と、その膝の上に乗った豹柄ずくめの若い女がいた。
男のほうは見た目は五十代でも実際は七十代のはずだった。
成功したヤクザ特有の若々しさがある。
「なんだてめえは?」
「こんちわー。NHKの受信料を頂きに参りましたー」
「なんだと?」
「あーもういいやこれ。おい、おまえ蛮神会の会長だよな」
聞くまでもなかった。
会長室で女といちゃついている男が会長でないはずがない。
蛮神会会長、大唾(おおた)は女を膝から降ろした。
「てめえは誰だ?」
「光源氏だって言えば満足するか?」
「何こいつ。キモッ。会長、こんな奴さっさと撃ち殺しちゃいなよぉ!」
「お嬢さん、いいおっぱいしてますねぇ。会長さんぶっ殺したあとで、その美味しそうなおっぱいを母乳が出るようになるまで吸ってあげますよ。それとももう出るのかな?」
「ゲェーッ! マジこいつキモい! 会長ぉ! 早く殺っちゃってよぉ!」
「ちょっと黙ってろ! おい、下の奴らはどうした? まさかてめえデカか?」
「デカ? ああ、私のちんぽはそりゃあもうデカいですよ。お嬢さん、会長さんぶっ殺したあとで、お嬢さんの下の口にたっぷりぶち込んであげますから、楽しみに待っていなさい」
「この野郎……てめえどう見てもデカじゃねえな……」
「だから光源氏だって言ってんだろ」
「舐めやがって……おい、こいつを見ろ」
大唾の右手には黒光りする拳銃が握られていた。
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